先日、外房の菜園の早生玉葱 「ソニック」を120kg程収穫しました。今年も玉葱の出来栄えは上々であり、先のブログでも申しましたが、海辺の近くの菜園の潮風に曝される豊富なミネラルのお蔭でしょう。
水はけの良い海成砂質土、完熟堆肥等の適度の腐植に有機肥料主体の基肥を加え、年明けからの2回程の化成肥料の追肥で、質も量も充分満足できる結果が出たようです。
赤錆病の大被害の出た 「ニンニク」とは背丈の高くなる 「空豆」を挟んで、2畝離れていたので、幸い白い斑点が僅かに発生した程度で玉葱には殆ど影響が無く助かりました。
-堀上げて乾燥中の早生タマネギの「ソニック」-
此処外房の早生玉葱 「ソニック」の収穫は、例年葉柄が倒伏すると、未だ外皮が白い内に掘り取って乾燥出荷が始まるのですが、葉柄がある程度枯れ、玉葱の外皮も黄色くなるまで畑に置いてから収穫すると、玉が締まって甘味も増し、収穫後の貯蔵も安定して長くなる事が経験で分かっています。
尤も、年毎の天候や残留する肥料分の遅効もあり、裂皮や異常肥大玉も発生するので、プロ農家に負けない良品を作るには、新しい発見が毎年見つかる程しっかり状況観察しなくてはなりません。
それに亦、無農薬の殺菌剤無しも、早生玉葱の貯蔵夏越しのポイントの一つで有る事も確かなようです。
―袋詰めが終わってウッドデッキに並ぶ玉葱「ソニック」-
其の前の週は、例年 「玉ねぎ狩り」と称し、東京から駆け付ける古くからの友人知己の方と待ち合わせをし、お隣の長生郡白子町の玉葱、長生村の「長生きトマト」の買い付けに同行したのですが、産地直売店に並ぶ早取り玉葱、それに箱入りの追熟トマト、それが当たり前と言えば其れ迄ですが、自家菜園でしっかり充実させてから収穫する早生玉葱、片や新プランター栽培の完熟トマトを食べ慣れている自分には、嬉々として買い求めている皆さんの姿を見ていると、何かもの言えぬような複雑な思いが致します。
―JAグリーンウェーブ長生、トマト選果場―
長生村の大規模なトマトの選果箱詰め施設前の産直売店で、偶々出会ったトマト生産者から伺った話ですが、当地から共同集荷されるトマト品種、生産者によってバラバラであり、タキイのトマト 「桃太郎」系、サカタのトマト 「麗容」などが主体と言いますが、追熟を見込んでほんのり色付いた、堅くて未だ青白さが残るトマト、その形や大きさだけで機械選果、箱詰めされる為、どんな品種のトマトが混じるのか全くわからなくなると聞きました。
店頭に並ぶそうしたトマト、一般の消費者には産地名の表示以外、品種を知る由も無く、トマトを買われる多くの方が品種の違いに無関心なのも頷けます。
―JA長生農産物直売所―
扨て、玉葱の話に戻りますが、辛味の少ない早生玉葱は特にサラダ食材としては抜群であり、拙宅では当分の間、食卓で玉葱を見掛けない日が無くなるほど、玉葱を使った料理をせっせと食べる事に成ります。
例年9月一杯が、この早生玉葱 「ソニック」の貯蔵できる限界であり、それまでに無理してでも食べないと、充分に乾燥させた積りでも腐敗が始まり、廃棄を覚悟しなくてはなりません。
一昨年は、品薄となる秋季の玉葱が高騰し実家に毎年豊富にある玉葱を知っている娘から 「未だ玉葱残っている?」と聞かれて、貰いに来られた時には大変気の毒な思いをさせました。
ー葉ばかり大きくて玉の太らなかったセット球玉葱―
実はそんな事から昨年は、年内取りの玉葱を目論んで、9月の初めに玉葱のセット球を、試しに外房の菜園と新プランター栽培でも植え付けたのですが、昨12月末の時点では、殆ど結球しない旺盛な葉玉葱状態であって、結局玉葱として収穫出来たのは、今年の4月初めからであり、当て外れに終わりました。
作物栽培は何と言っても本来の生育温度や日照条件が基本であり、玉葱のセット球栽培、気候条件しだいであり、そう簡単には事が運ばないとしっかり経験をさせられました。
―セット球用玉葱品種、タキイのシャルムー
それで今年は、11月末まで貯蔵が可能と言う、タキイの玉葱 「O・L黄」を播種から育てています。
玉葱も亦、中生、晩生となるとその収穫期が遅れる分、圃場に長く置く事に成るのですが、其の分、貯蔵期間が伸びるのも一寸不思議な話です。
それに亦、玉葱はF1種でも、必ず落ちこぼれ(?)の玉の肥大が極端に悪い不良玉、セット球のような多分割球が僅か発生します。それを其の儘に放置すると、面白い事に1年掛かりで立派な玉葱になる事を偶然見つけました。但し、伸び出したネギ坊主は早めに切り取らなくてはなりません。
-分球して玉葱セット球となった玉葱「ソニック」-
尚、昨日のニュースでは、先日来の異常気象で北海道の育成中の玉葱に多大な被害が出ていると伝えられて居ます。日本の玉葱生産量の60%余りを占める北海道産玉葱、秋から翌春の玉葱の他産地の裸域の市場での供給量の低下となれば、価額高騰や輸入品が増える事にも繋がります。
何分、貯蔵できる無農薬の自家供給の玉葱で増えた拙宅の消費量、今年も亦、玉葱のセット球栽培に再挑戦し、裸域の玉葱の自家供給に如何にそなえるかが課題です。
―セット球玉葱から育った新プランター栽培の春玉葱―
実は、その玉葱と同じ事が言えるのが、「ジャガイモ」でもあり、これ亦、拙宅では6月の収穫から約7カ月程、翌年の1月まで自家供給の 「ジャガイモ」で間に合わせますが、其の後は市販の北海道産に頼る事に成ります。
これに加えて 「人参」を纏めて作れば、台所の3大貯蔵野菜と言われる玉葱、ジャガイモ、ニンジンが揃うですが、千葉県は亦ニンジンの産地であり、廉くて美味しいニンジンがいつでも手に入り、又一方、当菜園の水はけの良い海成砂質土、表面が乾燥しやすい為に、ニンジンは播種後の良好な発芽管理が決め手であり、普段は留守となる当菜園、それがニンジン栽培のネックになって苦慮しています。
―ニンジン栽培のポイントは播種時期と発芽管理です!―
何しろ家庭菜園は、限られたスペースでの作物栽培であり、自家用野菜の高品質の収穫物が継続できる励みであり、栽培品種に拘り、産地の特性に拘り、最上の品質を求めて量より質に拘る事が何よりも大切であり、ひとりよがりな自己流栽培は厳に慎むべきを信条にして居ます。
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