白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

Tomato栽培に思う

2012年06月09日 | トマト

家庭園芸でのトマト露地栽培では、経験を積んでどんなに上手に育てても、時にはその管理の限界を越える避けがたい事態が発生します。日照不足による生育不順は基より、低温での花粉の維持がうまく行かずに起こる受粉不能、温度異変での花落ち、降雨による土壌養水分の過剰で起る過繁茂や先端葉の巻き込み縮み現象等、トマトとって好ましくない気象変化が原因です。

 

―第一、第二花房開花中のポンデローサー

乾燥状態になっての老化した果実上部の裂果や突然の大雨に見舞われたりする事での皮表面のひび割れ等が発生します。又、特に大玉の品種では、受粉時の夜間の異常な温度低下や高窒素肥料が原因と言われ、殺虫剤散布でも影響すると言われる“ Catface” と呼ばれる様々な異形果が発生します。其の多くが受粉時の温度急変が原因と言われます。

 

―典型的なキャットフェイスと呼ばれる奇形果―

多くの栽培者が異常気象が原因のトマトの不作を経験されていますが、春先や初夏の花落ちは、日中の温度が高いのに夜間に温度が13℃以下になると起ると言います。

実止まりを良くする為に、この頃は花房にトマト-ン等のホルモン剤処理が良く行われています。受粉によって形成された種子から分泌されるオーキシンの果実への養分の転流を促進する作用を、人工的にホルモン剤で補足させるのです。しかし、不十分な受精の単為結果であっても果実を肥大させるので空洞果や変形果の発生の原因にもなります。

 

―トマトフルーツセットスプレー剤―

トマトの尤も適した平均の生育温度は約24℃と言われ、果実の成熟期になっての彩色には日照よりも温度の影響が大きく、温度が13℃から16℃の間では中々発色しません。果実の成熟には温度が大切であり、最も成熟に適した温度範囲は21℃から24℃と言われています。

 

―第一花房にしっかり実の停まったおどりこー

一般に日中の気温が32℃を超えたり、或いは夜間温度が25℃以上になるとトマトは実止まりしなくなります。勿論、天候が全て関係している訳ではなく、栽培条件や品種選択も大いに影響するのですが、開花期の温度が確かな実止まりに影響しますので、形の良い実を残す摘果も大切です。 

 

   ―生理障害で起る尻腐れ果―

春から夏に向けて始まるトマト露地栽培では、特にその年の天候の良し悪しが培成績を左右するのですが、最近の夏は、7-8月の外気温が35℃を超えるような炎暑が関東以南では儘あり、家庭園芸とは言え、一般のトマト栽培は益々難しくなって来ています。

 

―梅雨明けと共に発生する大敵の斑点病―

トマト栽培に必要な温度や日照量は、発生する病害にも大きく影響すると前にも申し上げましたが、実止まりした果実の肥大と新たな開花結実が並行して進行する大切な時期に梅雨に入り、日照不足や水分過多に見舞われる高温多湿の悪条件下では、病害の発生も多くなり、入梅を挟んでのトマト露地栽培は、地域にも依りますが大変難しく、順調に推移して来ても一期に駄目になるような事もあります。

 

―教材プラ鉢で6段花房迄実の付いた中玉トマトー

トマトは初夏までの適正な温度下では、適度の水分があると大変順調に育ちますが、果実の肥大期に入る頃から、尻腐れ、ひび割れ、異形果等の生理障害に、葉の病害、トマト疫病やウイルス病等多くの問題が次々と発生します。それを出来れば無農薬で、完熟状態まで木に付けて置いて、一味も二味も違うと言われるトマト本来の味を堪能するには苦労は尽きません。

 

―第一果房の完熟を待つ新プランター栽培の「おどりこ」-

特に日本のトマトのような施設栽培用に育種改良された品種では、栽培地特有の様々に異なる気象条件に露地栽培で適応させるのは難しく、良く種袋には家庭園芸向き品種等とありますが、それだけにトマト栽培の大変さに挑戦する面白さがあるかも知れません。

先日、アメリカのトマト園芸愛好家が立ち上げた新しいトマト園芸品種でコンテナー栽培向けのドワーフ(矮性)ブッシュトマトの作出プロジェクトサイトを拝見しました。既に何種か、品種発表されているようです。

 

Dwarf Tomato Project 2008 – 2011より―

日本では見掛けない大玉、中玉のDwarf DeterminateトマトのF1種の作出を海外のトマト愛好家にも呼び掛けて始まったプロジェクトであり、既に150名を超える賛同ボランテイアーやアマチュア育種家が参加されているとあります。残念乍ら日本からの参加者は居ないようですが、その動機は、多くのトマト愛好家が待望するコンパクトで、支柱の不要な容器栽培が出来る、多彩で美味しい園芸トマト品種の作出とあり、何とも頼もしい話です。

 

      ―ドワーフとまと「レジナ」-

それを思うと一寸哀れな話ですが、昨年、孫末子が学校で挑戦して、実が一つも付かなかったドワーフ(矮性)ブッシュトマト「レジナ」を1本、新プランター栽培方式にした7号プラ鉢で育てて見ました。食用にはならない鑑賞用ですが実はしっかり付いています。

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