白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―(続) 種から育てる新プランタートマト栽培ー

2015年01月03日 | トマト

トマトの栽培品種には、頂芽が伸びて次々と花が咲いて実を付け、どこまでも伸び続ける 「無限花序型」と、頂芽に花が咲いて実が付くと芯停まりして、後は下方から伸びた側芽に花が咲いて実が付き、株状になる 「有限花序型」の、2種類の形態特性があるのですが、一般品種では、両形態型の横断的な交雑の結果、多くの品種が同じ様な形態となり、区別が余りはっきりして居りません。

 

―有限花序型トマトのイメージイラストーWebImages より

一方、果実の大きさや形、成熟した果実の色や植物体としての葉の形、蔓性(無限花序型)、矮性(有限花序型)の違いから、一般に 「普通トマト」、「ホズキトマト(チェリートマト)」、「大葉トマト(ポテト葉トマト)」、「トックリトマト」、「矮性トマト」の5つの変種群に大きく分けられると言います。

 

―無限花序型トマトのイメージイラストーWebImages より

日本で一般に栽培されているトマトは、其の殆どが、普通トマトとミニトマトと言われる小玉、中玉トマトであり、一部にトックリトマト、長方形の洋梨のような形の外来種が栽培されているようですが、大葉トマトと矮性トマトとなると、全くと言って良い見掛ける事が無く、どんなトマトなのか、一寸食べて見たいと思っても、自分で作らない限り先ずはお目に掛かりません。

日本のトマト品種、経済栽培が主体で有れば、それは当然ですが、面白い事に昨近は、海外のエアルームトマトの栽培ブームが日本にも伝わって、今では様々な海外のトマト種子の入手が容易に成り、大葉トマトと矮性トマトの種子も一部に入手が可能です。

 作物の品種撰びで大切なのは、其の品種の生理生態的な特性であり、先ず、注意しなくはならないのが表示されている、早生種、中生種、晩生種の違いです。

トマトにも、当然それがあり、季節に合わせた露地栽培が普通の育て方である、海外からのエアルームトマト種子、それが表示され、開花後から収穫できるまでの日数の違いで分けられて居り、栽培地の気候条件で、その適性を判断する為の情報です。

 

―料理食材のトックリトマトーWebImages より

そのトマトを育てる上での形態的な変化を順を追って申しますと、種子の発芽―子葉の展開―本葉の展開―茎葉や根の伸長―花芽分化―花器形成―開花―受粉―果実の生育肥大―成熟となり、大切なのは、トマトは茎葉や根の伸長等の栄養成長、花芽分化から果実の成熟に至る生殖成長、其の両方が同時に進行するのであり、其のバランスを取る事が、栽培結果のカギとなり、それを支えるのが充分な日照、適性温度、施肥管理です。

 作物はその品種毎に、少しずつ生理生態的に異なる性質があり、トマトの葉の展開や着花、花の成育と着果、実止まり等、各ステージで、日照は基より果実の発育の適性温度の範囲があり、その品種の持つ性質が、栽培地の異なる気候条件に如何影響するかであります。

ところが、海外からのエアルームトマト種子、全くと言って手良い程、肝心な栽培情報が入っては来てはいない為、多くの方がトマトは皆同じとばかりに、見よう、見真似で、育てて見るしかありません。

 

―日本の矮性ミニトマト、レジナのポット栽培―

その上に、大切な収穫物である果実情報となると、多彩な果実色と大小様々な大きさと異なる形状の姿写真のみであり、肝腎な食味と言えば、味覚の違いもあって先ず知る由もありません。

 そんな事情にある海外から入って来たエアルームトマトの趣味栽培、始める上で先ず知って置くことは、トマトの生理生態的な特性であり、其の尤も大切な温度について、そのおさらいを此処で一寸して見たいと思います。

 

エアルーム矮性種大玉トマト、ニュービックドワーフー

トマトは原産地の南米高地の乾燥した昼夜の温度差の大きい気候条件に適応して来た植物であり、高温多湿に弱く、夜間の適温が他のナス科の野菜と比べると、かなり低い特徴があります。

日本のトマト商業栽培は、今では多くが促成や半促成の施設栽培であり、それに合わせて作出された品種特性の適性温度の範囲は良く分かりませんが、一般の暖地での盛夏期に向けてのトマト露地栽培では、適温範囲は25℃から28℃が昼間の温度であるのに対し、夜間は15℃程度と言います。

一方、35℃を越すと生育が低下し、40℃で伸長が止まり、低温側では、10℃以下で生育が低下し、5℃以下で生育は停止すると言います。

 地温の方は、20℃~23℃が適し、33℃以上、下は13℃以下に成ると生育が遅れるのですが、幼根や根毛は、15℃~20℃で急速に伸び、地温でも、25℃から28℃が適温と言います。

 トマトの花芽は、幼苗の段階から分化するので苗の発育の段階から、健全な発達を阻害する高温が着花数の減少、花の素質低下を招き、開花結実不良を起こすと言います。

充分に発育した花蕾は、日中温度が15℃以上に成ると開花しますが、20℃~25℃が、開花結実に最も適していると言います。

低温限界は、13℃~15℃とされ、それ以下の低温では花粉管伸長が劣り、結実不良が起こり易いと言います。

一方、30℃以上の高温が続くと、植物体の栄養状態が呼吸消耗で悪くなり、花柱の衰弱、花粉発芽・花粉管伸長の低下により、受精が不完全となり落花を起こすと言い、28℃程度でも、花粉の活性の低下を招くとあります。

 

―エアルーム大葉トマトのブランデーワインピンクー

果実の発育温度では、昼夜の温度格差が大切であり、日中温度は光合成に適した25℃前後、晴天日の夕方からの4~5時間は、13℃から17℃が光合成産物の転流を促進すると言います。夜間の其れよりも低い温度では、呼吸消耗の抑制になるとも言います。

尚、トマト果実は15℃~30℃の範囲で着色するのですが、適温範囲は20℃~25℃とされ、35℃を越えると反対に着色が阻害されると言います。

 

―果房を切詰めて房作りしたミニトマトのアイコー

尚亦、果実の発育肥大と温度の関係ですが、果実が成熟するまでの時間は温度で決まり、その感受性は、果実の成熟ステージで異なると言い、肥大速度の最も高い中間期は、温度の影響は余り無く、感受性の高い時期は、果実肥大の初期と収穫直前の果実肥大速度の遅い時期と言います。

従って、成熟期の温度が高温で有れば、それだけ成熟が早まり、果実の肥大する期間が短くなって収穫物のサイズは小さくなり、反対に温度が低ければ、収穫までの時間が長くなり、果実はそれだけ肥大する事に成ると言います。

トマト栽培は、以上のような微妙な至適温度範囲があり、それからから見ると、気候条件で地域に依っては栽培期間が色々制限され、東京の春から夏に掛けての気温範囲で見れば、5月中旬から梅雨入り前の6月中旬頃の4~5週間が、最も適した時節と言う事に成ります。

それには、5月中旬から第一花房の開花が始まって、少なくも1週間毎に、第2、第3、第4花房迄、開花結実するように、苗を春先から、播種育成しなくてはなりません。

 

―輪切りにすると、こなん姿になるビーフステーキトマトー

新プランタートマト栽培方式では、それは充分出来るのですが、最近の異常気象では、5月中旬から梅雨入り前の6月中旬頃までの、トマトの栽培に適する温度条件が、必ずしも順調に得られるとは言えず、開花後の50~60日で成熟して収穫可能な早生種トマトでも、其の年の入梅時期等天候次第であり、昨近の連日35℃を越す極暑が早くから続くようになれば、東京の夏のトマトベランダ―栽培、限界が7月いっぱいと言う事に成って仕舞います。

 

-1果で649gになった巨果のエアルームトマトブラッククリムー

扨て今年は、大葉トマトの品種特性である大型果実で、朱赤色に成熟し、外観の綺麗で肉質が軟らかく、多量の水分を含んで食味が優れて良好な生食向きトマトとして定評のある 「ブランデーワイン、ピンク」と「ブランデーワイン スダッツ スットレイン」の2種類に、丁度今から100年前にアメリカで発表されて大きな期待が寄せられたユニークな大玉矮性種トマト 「ニュービックドワーフ」を育てます。

 

-器量が一寸悪いけど1果で415gのブランデーワインー

此の両品種共、アメリカから入って来たエアルームトマトであり、既に1昨年と昨年の栽培して見て、新プランター栽培方式で充分育つ事は実証済であり、食味も大変優れて居て、育てるには種の買う必要のない自家採取種子であり、国産のF1種トマトには無い価値のある、楽しい趣味のトマト作りが出来ると確信しています。

―次回に続くー                                                                                                                            

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