白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

「蒔かぬ種は生えぬ」―ドワーフ(矮性)トマトプロジェクト

2012年06月13日 | トマト

「蒔かぬ種は生えぬ」と昔から言われ、何事も結果を出すには、先ずは種を蒔くことから始めなくはなりません。 その蒔く種を、新しく作り出そうと言うプロジェクトが、先のブログで触れたドワーフ(矮性)トマトプロジェクトです。多彩な遺伝子の宝庫とも言えるエアルームトマト品種を組み合わせ、家庭園芸栽培に相応しい品種を作り上げようと、トマト愛好家の有志が呼び掛けて始まった共同事業です。

 

―代表的なエアルームドワーフ大玉トマトーWebForumより

交雑したF1種を、賛同するボランテイアーの協力を得て世代を重ねて選別し、優良な固定種になるまで改良し、広くトマト愛好家に普及させようと言うのです。種子の持つ遺伝子資源を独占的に利用する事で利益を上げる営利目的のF1開発を向こうに廻して、愛好家の誰でもが利用できる種子遺伝子本来の共有資産に資する試みは誠に感嘆に値します。

 

―Dwarf Tomato-Image Photosより

ハイブリット種子の商業目的の種子開発の失われる遺伝子の多様性に多くの危惧が寄せられている時代にあって、「蒔かぬ種は生えぬ」の一歩先を行く、結果を求めて「蒔く種を新しく作る」発想は、やがて万人の共有遺産として残るトマト品種の創造であり、トマト園芸愛好家に夢を与え、思わず応援したくなる何とも素晴らしいプロジェクトではないでしょうか。

 

プロジェクトのリーダーの一人、Mr. Craig LeHoullier-

先に、アメリカのエアルームトマト、「ブランデーワイン誕生の裏話」で紹介したペンシルバニア州の地方紙“County Line”に、その話を寄稿されたWilliam Woys Weaver氏も、エアルーム種子に就いて、次のように述べています。

 「エアルーム種子は、本質的には、それを作り上げた社会共同体の文化遺産であり、(遺伝子の)占有利用権に基く財産的な資産ではありません。 国連は、エアルーム種子を配分する事は、金銭経済を外側に封じ込めて、社会共同体の結び付きと、更に、食糧供給の目標である持続性が強化できると言う理由から、発展途上国の社会開発プログラムに利用しています」

 

-Dr. William Woys Weaver-Web Photoesより

「ハイブリット種は施設内で人口的に作られ、今日では殆どパテント設定されていますが、それが法的に認められて居ても、生命対象物をそのような形で独占する事には、多くの人達が倫理的には認めがたいと思っています。パテント設定されていれば、法的には種子を取る事は出来ない為に、万人の所有する共同資産のエアルーム種子に戻る事になるのです‥‥」と。

 話は変わりますが、今日では季節外れの多くの生鮮野菜が年中市場に並ぶようになり、遠く海外から輸入されるものありますが、その多くは高値で売れる事を前提に作られる施設栽培品種です。 高いエネルギーコストと農薬のお世話になって、その付加価値を生み出しているのが、季節外れでも良く育つように改良された「品種」であり、消費者はその品種コストも負担させられて居るのです。

 

―温室育ちの日本のトマトは高級品ー(有)とまとランドいわきより

昔は高価で中々食べられなかった果菜類野菜が、年がら年中何時でも入手できる便利さは結構な事ですが、旬の産物に較べれば、当然、その野菜本来の持つ栄養価や味の良さが劣る場合が多くなり、その典型的な良い例がトマトです。

しかし、栄養価や味の良さは二の次で、季節を問わず生産される野菜類は品薄もあって、市場側からは歓迎され、消費者側には、その価値判断に繋がるような品種情報等は殆ど明らかにされないのが実情です。

 

―日本では見られない旬の野菜のマーケット風景ー

トマトを始め、野菜の味の良さや栄養価は、品種が同じでも其の作り方で違うとされ、鮮度が最も大切なのですが、何と言っても、その作物に合った旬となる季節があり、それが野菜本来持つ味の決め手です。今では、その季節を知らない消費者が増え、健康な食生活には最も大切な健全な野菜の消費が歪められる原因にもなっていると申せます。

 

―高級贈答品となった日本の箱詰めトマト―

そんな中で、もし、一般の消費者の多くが、「安全で安心して食べられる美味しい野菜は無農薬有機栽培」と思われているとしたら、「味の薄い季節外れ野菜よりは増し」と言うだけの違いと知るべしです。

 

さて、話は元に戻りますが、自らトマトを育てる事で、本当の味を知ったトマト愛好家が切望しているドワーフ(矮性)トマトとは、どんなトマトなのでしょうか。ドワーフ トマト プロジェクトサイトの中で、記述されている概要を紹介致します。

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 デターミネイト(ブッシュタイプ)トマトとは育てた事のあるトマト愛好家にはお馴染みですが、其の葉は一般のトマトの葉と区別は出来ません。しかし、決して脇芽等を取らないのに、一定の高さになると横に広がり、付いた実をしっかり支え、一斉に熟して収穫期を迎え、後は枯死します。葉に対する果実量が著しく多く、信じられない程生産性が高く、インデターミネイト品種の持つ濃い独特の香りには欠けています。それに加えて、果実の色、形や大きさはインデターミネイト品種に比べて極端に少なくなっています。

 

―デターミネイトトマトのイメージ イラストーWeb Imageより

本プロジェクトに先立つドワーフ トマト品種とは、比較的稀な、一般に知られて居ない未発達のグループ種です。育苗期から成長終了期に至るまで、特にその生育過程には顕著な違いがあり、まるでインデターミネイト種をコンパクトにしたような生育振りを示し、果実は霜が降りるまで残り、葉と果実の付き方の割合は、インデターミネイト種と同様のお蔭で、その香りは多くの場合でインデターミネイト種の最高品種に近付ける事ができます。

 

―テラスで育つドワーフ トマトーWeb Photoesより

或る品種では、その高さが全くの新しい矮小種であり、中には他と違ってデターミネイト種になったものがあらわれます。若い苗は、最初から、インデターミネイト品種やデターミネイト品種の苗の半分の大きさです。

中心となる軸は特に丈夫で、葉は通常の形かジャガイモ葉になり、暗い青み掛かったグリーン色で折れ目があり、皺状になる特徴を表します。

 

―Dwarf Tomato Enterprise F1-Web Photoesより

ドワーフトマトの収量は、インデターミネイト品種にはとても及びませんが、はるかに間隔を狭めて植える事も出来ますし、わずか5ガロン容量のポットでも適切な収穫が上げられます。

本プロジェクトでは、多くの知られているエアルーム種の特色を試すには栽培場所に制限がある人達の為に、果実の色やサイズ、寸法、木の大きさで、生育管理が一層容易な品種を作ることを目標にしています。

私達は、最上級の品種を作り出すことに熱中し、且つ又、その究極の品種を愛好家に分け与えられる事を願っています。このプロジェクトは、順調に推移していますが、何があって何が期待されているか、そのすべてを知ることは出来ないでしょうから、フイードバックされる事を歓迎いたします。

私達は、皆さんに園芸に興味を持って頂ける、且つ又、ある点で将来エアルーム品種として価値あるとお考え頂けるような一連の非ハイブリット品種を作り上げられる事を希望しています。

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