白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―種から育てる新プランタートマト栽培―

2014年03月05日 | トマト

先のブログでトマトの播種は3月初めからと言いましたが、それは晩霜の心配の無くなる5月上旬に圃場に定植して第一花房の開花となる時期を逆算し、少なくもその6-8週間前に種を蒔く必要があると言う事であり、栽培する地域の気候条件によっては当然其の時期は異なります。

 

―育苗中のトマトホーム桃太郎―

趣味のトマト栽培では、一般に必要となる苗の本数も限られますから購入した方が手間が掛からず便利な筈ですが、日本ではトマトの園芸栽培人口が少ない為か、売り出される苗の品種の数が極限られ、作って見たいと思う苗を探すとしても、大玉トマトにするか、ミニトマトにするかの違いぐらいしか選びようが有りません。

それに入手できる苗の殆どが営利栽培用の施設栽培向きのF1種であり、その大玉トマトとなると、無農薬、雨除け無しの露地栽培では大変難しく、一般に最低でも雨除けは必要と言われます。それに接ぎ木苗でない限り、土壌病原菌の感染の心配もあって満足できる大玉トマトの収穫は余り期待は出来ません。

 

―ポット育苗中の中玉トマトルイ60―

そんな事からでしょうか、春のトマトの植え付け時期になると、デルモントやサントリーフラワーズからの海外品種と思われる珍しい名前のトマト苗が、ホームセンターの店頭に並ぶようになって久しいのですが、そんな苗を購入される方は一体何を見て、購入判断されているのかと思ってしまいます。

 趣味の園芸栽培では、確かに品種の選定は人それぞれの想いがあり、それ故に、家庭菜園でもトマトを種から育てようとする方が居られるのかも知れません。

それに昨近では、家庭園芸用に輸入エアルームトマト種子が簡単に入手できるようになって自ら種を蒔いてトマトを育てる方も増えているようですし、その所為でしょうか、珍しい輸入エアルームトマト品種の苗の予約通販も始まっています。

 

―25穴プラトレーで育苗中のトマト麗夏-

しかし、趣味とは言え、トマトの土壌栽培は簡単のようでて難しく、大玉トマト栽培となると容易な事では無いのですが、菜園スペースの限られる都会にお住まいの方の多くが苗を購入し、容器用土栽培で、トマトの栽培に挑戦されて居られます。

しかし、ミニトマトならまだしも大玉トマトではこれ亦更に難しく、結果を出すのは容易な事では無いかと思われます。

其処でお薦めしたいのが、新プランター栽培方式でのトマト栽培となるのですが、実はこの栽培法の原点は、容器栽培の尤も簡易な方法で、トマトの養液栽培が出来ないかと試行錯誤で始めた栽培実験であり、行き着いたのが、偶々出会った特殊な媒体、イソライトを利用する、播種育苗からその儘連続してトマトが育てられる容器栽培法となったのです。

 

本葉4枚でプランター定植したホーム桃太郎―

それでは、その栽培実験から学んだ新プランタートマト栽培の播種育苗からプランター植え付け等、改めてそのノウハウを、順を追って公開していきます。

その前に一言お伝えいたしますが、実は近く某大手ホームセンターの全国チェーンストアから、本栽培装置一式と専用肥料共々で市場紹介される事が内々決まりました。

これでやっと、新プランター栽培の実用性、費用対効果を、新しい簡易養液栽培として多くの方に試して頂き、評価ご理解して頂ける機会になるかと期待して居ります。

それでは、先のブログでも一寸触れました新プランタートマト栽培の播種育苗、其のポイントからお話しを始めさせて頂きます。

 

ー本葉5枚でプランター定植したトマト麗夏―

トマトの原産地は、南アメリカのアンデス山脈の標高2000~3000メートルの高地と言われ、其の気候条件に適応しての特性と言いますが、生育に強い光を必要としながら、冷涼で昼夜の温度差が大きい事が求められ、一方で多湿を嫌う性質を持つと言います。

その栽培の適性温度の範囲は、昼間では19℃~29℃と言い、夜間では13℃~19℃と言います。昼夜で、6℃~10℃の温度差が必要であり、又、強い光を必要とし、日照時間は1日14時間以上と言います。

 

―定植から2週間、第一花房開花直前のトマト麗夏―

種子は一般に、生育温度範囲より高い温度が発芽には必要と言われ、トマトの発芽適性温度は、20℃~30℃とあり、25℃以上に保つと容易に発芽します。

トマト種子は、乾燥状態(水分5~6%)にして10℃以下(冷蔵庫の野菜室)で保管しますが、播種時には水を95%吸水して発芽すると言います。充分吸水させる必要がりますが、酸素が不足すると適正温度範囲であっても発芽率が低下すると言います。

 新プランター栽培の育苗床の準備では、使用している培土(イソライトCGプラス)をそのモノを使います。良く洗浄して水分を充分排水したら、プラスチック袋に入れて電子レンジで約80℃に加熱します。

熱い培土を直ぐにプラトレーに入れると容器変形を起こしますから、充分に冷えてから、丁寧にプラトレーにしっかり詰め込みます。

25穴の播種用プラトレーを利用するのですが、それを薄いスポンジシートを敷いたプラ盆に乗せ、屋内の窓際等に置いて、本葉5-6枚になるまで、1/2希釈の培養液で育てます。

 

―5月23日 第一花房、開花中のトマト麗夏-

1穴当たりの播種数は2粒とし、培土(イソライトCGプラス)の粒径が2㎜と大きいので、トマト種子を充分に培地内に埋め込む為に、培土の上面を押して平らにし、深さ約5mmの穴を爪楊枝で明けます。

穴の明ける位置は、中央と5mm程離れた位置とし、最終的には2本のうちの一本を育てる事にします。余分な発芽苗は、発芽不良の穴へ移植したりして減らし、本葉が伸び始めてしっかりしたら、出来るだけ早く、25穴、25本の必要本数になるように整理します。

 

―6月1日 第二花房の開花の始まったトマト麗夏―

大切なのは播種したプラトレーの置き場所であり、温度はもとより、充分な光量の確保が特に重要であり、発芽が始まって、培地面から胚軸が立ち上がり、子葉2枚が展開する段階で、充分な光量が得られないと、胚軸がひょろひょろと長く伸び、忽ち不良苗になってしまいます。

種子は子葉の持つ栄養で発芽するのですが、其の後子葉はいち早く光合成を開始しますので、光を求めて胚軸が伸びあがる事の無い様に、窓辺に置いても、蛍光スタンドやLED照明等で補光する必要があり、子葉の発達がその後の成育や花芽分化に大きく影響するのです。

 余談になりますが、トマト苗を購入する時は、苗の子葉2枚がしっかり付いていて、順調に伸びて展開しているかどうかと胚軸の太さと長さのバランスがその苗の生育の良し悪しの判断基準となります。

 

-6月10日 第三花房の開花の始まったトマト麗夏―

トマト種子は、適性な発芽温度範囲(25℃~28℃)で、充分な水分と酸素が有れば、3~7日で胚軸の先端が播種媒体面から顔を出し、順調なら10~14日で胚軸が一定の高さに伸びて子葉が左右に展開し、中央に本葉の先端が見えるようになります。

しかし、3月初めの窓辺の温度では、一般にそれより低いので、その2倍から3倍の日数が掛かります。

 一般の用土育苗では、子葉が左右に展開した段階で、充分な根系の発達を図る為に、3~5号のポリポットに移植して、充実した苗の生育をはかると言います。

新プランタートマト栽培では、養液栽培ですから、充分な養水分の供給が可能であり、狭い根域でも根密度が高くなるだけであり、敢えて植え替えの必要は有りません。

飽くまでも、外気温が上がって、トマト栽培に適する温度範囲になる迄、其の儘で待つ事で充分です。

 此処で大切なことは、外気温より高い温度で本葉の展開まで始まった苗を出来るだけ早く、外気温に慣らし、生育が停まらないように馴化させることであり、出来れば本葉3~4枚ぐらいの小さい苗で、プランターに本植えし、外にだして外気に慣らします。

それには、温度は低くても光は充分に当たる、寒風や強風の避けられる場所を選んで出すようにする事です。

 

―目標の梅雨入り前の第四花房の開花となったトマト麗夏―

其処での一番難しい課題となるのが、其の年の春の温度と日照条件の天候であり、特に4月のお天気に苗の生育度は大きく影響され、本葉の必要な展開数(7~8枚)の遅れで花房の発達が進んだり、遅れたりします。そこで出来る事は、養液の蒸散消費量を見ての養液濃度の調整ですが、生育状態をしっかり観察して対応するようにします。

 

―びっしり実が付き、色付き始めたトマト麗夏―

植物は、季節の変化に微妙に対応し、温度日照条件が良く成ると、遅れた成長を一気に取り戻すかの様に旺盛な成長で挽回を図るのが良く分かります。

新プランタートマト栽培の楽しさは、そうした成長をする植物との対話、現職時代の職場友人であった英国人はそれを、“植物がしゃべる[Talk]”と良く言っていましたが、これぞ栄養応答です。

―次回に続くー

 ブログランキング ブログコミュニティ にほんブログ村

家庭菜園(プランター菜園) - 花ブログ村


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
再掲載ありがとうございます (もちょ。)
2017-07-14 13:43:31
他の記事とともに管理人様のblogを改めて拝見させていただきました。厳密なノウハウや詳細記載は伏せられているものの、ここまでの開示ありがとうございます(*^^*)
本来なら、このような斬新で貴重な発見と実績は知的財産として特許をとられて然るべきと思います。もし、既に本などを出版なさっておられるなら購入したいと考えています。もし成されていないにしろ、自費出版されても十分な需要があると思いますがいかがでしょうか?
さしでがましいようでしたら、申し訳ありません。これからも楽しみにしています!栽培もblogも頑張ってくださいね(*^^*)
返信する
再掲ありがとうございます (管理人)
2017-07-15 09:52:05
新プランター栽培をご評価頂き、恐縮に存じます。

しかしながら、大部分の方が其処まではご理解できず、残念ながら、試して見ようと思われる方は今までのブログ経験では極少なく、皆無に等しい程です。

ご縁があって以前に、NHKの番組の野菜の時間でもユニークなベランダー野菜園芸と紹介されましたが、問い合わせ等、殆どありませんでした。

今は、日本では珍しい特定のネギ属野菜の容器栽培法を菜園の圃場栽培と共に試したりしていますが、成果が得られましたら又、ブログ公開致します。

唯、この園芸栽培法の難点、理解レベルが高く?判り
易さに欠けるからかもしれません。

間もなく80歳になりますが、園芸は若さを保つ秘訣ですから、健康長寿の為に続けて頑張ります。
コメントもどうぞよろしく。
返信する

コメントを投稿