白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―新プランター栽培でも大玉トマトは難しい!-

2014年03月12日 | 日記

先のブログで大玉トマトの露地栽培は大変難しいと申しましたが、トマトは実にユニークな果実野菜であり、其のトマトの成育特性が良く理解されて居ない事が栽培を難しくして居るのではないかと思います。

一般に栽培されているトマトは、馴染みの無い言葉ですが、無限花序、英文では“Inderterminate” 或いは “Vine or Cordon”と言い、播種から本葉が8枚展開すると、その9枚目の位置に花芽が分化し、同時に側芽が伸び出して、以後は葉が3枚展開しては4枚目の位置に花芽が分化し、又側芽が伸びては4枚目の葉の位置に花芽が分化すると言う成育特性を示します。

 

―7月中旬から収穫する新プランター栽培トマトー

このように、Inderterminate種のトマトは、本葉が8枚展開して一旦花芽分化すると、後は本葉3枚展開する毎に花芽が次々と作られて、花が下から上に向かって一定間隔で停まる事なく咲いて行くので無限花序種と呼ばれます。

このようなトマトの性質では、各花房に咲いた花が受粉して停まった果実が順調に肥大にして行く為に必要な栄養分は、葉からの転流に頼る事になるのですが、それを担うのは8枚の本葉の展開で発達伸長した根系からの養水分吸収と相まって、主として各花房の下の3枚毎に展開する葉に掛かっており、トマト栽培では、其の葉の健全な発達を促して無駄な側芽の整枝や古葉の除去等が大切な管理作業になって居ます。

 

-1段果房の色付き始めたトマトおどりこー

大玉トマトの展開する葉の大きさや枚数は、ミニトマトと比べると全くと言って良い程変らないのですが、肥大する果実の大きさは大玉トマトとミニトマトでは大きく違います。

大玉トマトでは、平均して200g前後の果実を各果房で3~5個と結実させていきますが、ミニトマトなら1房当たり25~30個程度であり、其の肥大する果実を総重量で比べると、葉から転流する栄養分負荷が小さく草勢維持も容易であります。

大玉トマトのような連続して次々と大きな果実が結実肥大させる為には、それだけに転流する養分負荷がミニトマトに比べると大きいのであり、それだけ大玉トマトの栽培を難しくしているかも知れません。

 

―しっかり実の付いた中玉トマト、レッドオーレー

トマトは他の果菜類とは一寸異なり、本葉3枚毎に展開する栄養成長と花芽分化して果実が結実肥大する生殖成長が連続して起こるのであり、展開する葉からの栄養分を転流させる生殖成長と次の花房の形成の為の栄養成長が、程良くバランスして進行するように肥料分と水分量を持続して上手く調節されなくては成りません。

トマト土壌栽培では施肥量調節が難しく、窒素分が一寸でも多すぎると、特に栄養成長の方が盛んになり過ぎて 「木ぼけ」を起こしたり、花が咲いても実止まりが悪くなったり、又結実しても果実が変形肥大し、草勢が強くなって過繁茂となれば、病虫害の発生も助長されます。それで居て肥料不足は果実の結実肥大に著しく影響します。

 

―レッドオーレ、中玉トマトでもこの大きさ!

それに家庭園芸で栽培されるトマトの多くは、施設園芸向きの商業栽培用品種であり、雨除けの必要や温度管理等、栽培環境への適応幅が狭く、その品種特徴に合わせた栽培管理が必要と言います。特に商業栽培用品種では秀品率を挙げて生産量を確保する為の摘果や適時収穫が必要であり、それに合わせの施肥量の調節や整枝摘葉等、微妙な栽培管理や適時の薬剤散布が不可欠です。 

 

―中玉トマト、レッドオーレは新プランター栽培向き!

トマトは亦、茄子やキュウリのように幼果を収穫するのではなく、成熟果となる迄木に付けて置く必要があるのですが、果実の摘み取り時期で木に掛かる負担が変わる事から商業栽培では、出荷の都合もあって、着色具合を見て出来るだけ早取りされています。

色付けば追熟を考慮して収穫される商業栽培トマトと違って木での完熟したトマトを食べる為に作る趣味のトマト栽培では、その旨味ははっきり違うのですが、それだけ長く木に付けて置く事になり、木に掛かる負担も増え、残った未熟果の肥大成熟に影響が出易くなり、それだけ施肥や水分管理が一層難しくなると言う事です。

 

-大玉トマト、麗夏の巨果を切り取るー

一般に5月に定植して50~60日後には第一花房で肥大した果実の収穫期を迎えるのですが、それが東京では、丁度6月中下旬の入梅時期に当たり、其の影響はその年の天候次第で大きく違います。

 高温多湿を嫌うトマトで尤も苦手とするのが、入梅時の多雨高湿度に加えての日照不足であり、特に露地圃場栽培の大玉トマトでは、雨除けと土壌の水分対策等、ポリシートマルチは欠かせ無いと言います。

 

-4段花房でコンパクトに実の付いたトマト、おどりこー

何と言っても難しいのが草勢を見て決める施肥量と水分管理ですが、其の時期の日照不足、適性範囲を越える気温や湿度であり、趣味のトマト栽培でも如何にも対応が難しく、尤も苦慮するのがその年毎で違う天候です。

 

-4段花房で摘芯するとトマトは玉太りの良くなるー

新プランタートマト栽培では、これなら行けると確信したのはミニトマトや中玉トマト栽培の成功でありました。しかし、いざ大玉トマトを育てて見ると、其の壁となったのは高温多湿の梅雨明けからの天候対策です。

ミニトマト並みに7~8段花房まで結実させても、最後まで確実に肥大させて成熟果の収穫迄に持っていくのは大玉トマトでは大変難しく、今では良果の収穫は4段果房までと決めています。

 

5段花房までしっかり実を付けたホーム桃太郎―

其の為には、東京の気候条件では5月上旬の定植となるのですが、第一花房の開花状態は其の時の天候や温度次第で実止まりが大きく影響され、トマトは1段目の確実な開花結実が大切と良く言われますが、それをしっかり決めるのが先ずは第一関門です。

 

―トマト葉カビ病、Fulvia fulva

順調に行けば、その後は一週間毎に、第二、第三、第4と各果房の開花結実となり、例年の6月中旬の梅雨入り前までに4段花房まで結実させる事が出来るのです。

其の後は、各段果実の順調な肥大の見極めであり、適時の支柱への誘引結束と給液管理ですが、尤も苦慮する対策は、梅雨明け頃から発生する葉カビ病と上段で肥大する果実に発生する尻腐れ果です。

 

―カルシュウム不足で発生すると言う尻腐れ

尻腐れ果の対策はと言えば、梅雨明けと共に起こる急上昇する外気温であり、新プランター栽培で保水出来る量を一機に凌駕する蒸散量には、1日一回の朝の給液と日中2回は行う乾いた時の給水でも大変ですが、高温と均衡培養液の窒素成分と拮抗するカルシュウムの摂取不全が要因となれば、尻腐れ果は如何にもできません。尚、ネット情報で、果実の上部側で展開する葉の一部除去と培養液の希釈率を1/2にする事で防止効果になるとの研究発表を知りました。今年はそれを試して見ようとは思っています。

 

―過繁茂の窒素過多がカルシュウム摂取不全を招く?-

しかし、ミニトマトや中玉トマトでは尻腐れ果は全くと言って良い程、新プランター栽培では発生を経験した事が無いから不思議です。

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