(きょうの朝方)
おととい夜に降った雪も、雪だるまの残雪を少し残しただけで消え去りました。まああっけないですね。でもおとといの夜の雪の降り方はあるいみ凄まじかった。鑑賞に堪えるものでした。なんかとっても久し振りに見た感じです。
山にはどれくらい降り、どれくらい積もったのか。 もう少し降雪が続かなければだめですね、心もとないです。山には根雪になるくらい降ってくれないと。
でもきのうの朝はとっても素晴らしい雪景色でした。それこそ感動ものでした。音もなく降り続く雪、サイレント・スノウ、雪は雑音を吸収しますから。
(雪景色の写真はきのうの朝の撮影です。)
雪というと、三好達治ですね。たったの2行で雪を語り尽くしている感じがします。
「 雪 」 三好達治
太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ
いかにもシンシンと雪が降り積もっている感じが静かにじわっとしてきます。音を吸収して周囲は静寂そのもの。深い眠りについているのでしょうね。そして「太郎」と「次郎」という男の兄弟の名前が、響きがいいんですね。
こういう詩もあります。 田中冬二の「雪の日」という詩です。 お断り:改行は自分がしました。原文には改行はありません。
「 雪の日 」 田中冬二
雪がしんしんと降ってゐる
町の魚屋に赤い魚青い魚が美しい
町は人通りもすくなく
鶏もなかない 犬も吠えない
暗いので電燈をともしてゐる郵便局に
電信機の音だけがする
雪がしんしんと降ってゐる
雪の日はいつのまにか
どこからともなく暮れる
こんな日 山の獣や鳥たちは
どうしてゐるだろう
あの優しくて臆病な鹿は
どうしてゐるだろうか
鹿はあたたかい春の日ざしと
若草を慕ってゐる
ゐのししはこんな日の夜には
雪の深い山奥から雪の少ない里まで
餌をさがしに出て来るかも知れない
お寺の柱に大きな穴をあけた啄木鳥は
どうしてゐるだろう
みんな寒いだろう
すっかり暮れたのに
雪がしんしんと降ってゐる
夕餉の支度の汁の匂いがする
きのうの朝7時前頃でしたので、丁度朝日が顔を出そうかどうかというころで、陽が射しているところとそうでないところとの対比が良かったかなあ。
雪って不思議ですね。景色を一変させますから。
以下の写真はきょうの朝方のものです。