10日ですか、広瀬・名取川漁協の役員をしている近くの釣具店からハガキが届きました。 組合員証の配布についてのお知らせです。 組合員証は近々受取りに行きますが、お知らせ文の中の文言、「・・・ほぼ壊滅したアユに於いては昨年の広域禁漁措置の効果がどのような結果となるか、2年続きの渇水と相まって期待と不安が交錯します。・・」
去年は資源保護のために9月中旬で禁漁という措置をとったのですが、確かに広瀬川には天然アユの遡上はほとんどなかったと感じています。 仙台湾の汽水域にいた、今まさに遡上しようとしていたであろう稚アユが巨大な津波でやられてしまったという理屈というか理由は納得させるような気がしますが、たまたま広瀬川と名取川のアユの運が悪かったのでしょうか。 というのも、
毎年夏になると楽しみにしている岩手県の”めのどく”さんのホームページをみると、興味深いことが書いてありました。
「北上川アユ天然魚班別結果」というものです。 それによると、”めのどく”さんは、北上川で釣り上げたアユを冷凍保存して、11月に北里大学海洋生命科学部の教授にアユを送って鑑定してもらっているそうです。 そこにとっても興味深い記事があります。
『今期、8月以降は釣ったアユの半数近くが天然物であるという感触を得ていましたが、鑑定の結果は感触以上に天然物の割合が高かった・・・』 と。
岩手県から宮城県を流れる大河川、北上川においては、8月以降のアユは天然物が多かったというのです。 北上川の最下流は石巻です。石巻市は3月11日の地震・津波で大惨事に見舞われました。 巨大な津波は北上川を逆流しました。
(分流脇の河川敷で鴨の親子が餌をついばんでいました。)
北上川では大震災により、接岸していたと思われる早期遡上群が被害を受け、7月中は天然遡上アユの姿はほとんど見られなかったが、第2陣から徐々に遡上となったようで、8月に入ってから天然アユが程々に釣れるようになった、と書いています。
遡上アユにも先陣組みと後発組があるのでしょうか? 北上川という大きな川だから言えることなのでしょうか。
そういうことのために、”めのどく”さんは、『震災・津波を乗り越えてきたという結果に我ながら驚くと共に、母なる北上川の懐の深さに嬉しさを禁じ得ません。』 と書きます。 天晴れ!!北上川!!
(中洲に上がって歩いていたら見つけました。鮭の死骸です。
トンビかカラスが運んできたのか、人間が引き上げたのか?)
2月6日の朝日新聞の記事です。 見出しは 「山梨から稚アユ15万匹届く」 というもの。
記事によると、山梨県水産技術センターが宮城県から代替生産を頼まれ、15万匹の稚アユを宮城県の養殖業者に引き渡したということです。稚アユの体長は約5センチ。 アユの稚魚生産施設が地震で被災したためです。
引渡しを受けたのは「宮城鮎工房」で、広瀬川でもこの業者から稚鮎を購入しているはずです。
(見事に凍結している県立美術館下の氷柱です。)