鮎と戯れて・・・魚族に感謝

東北地方を中心とした短い夏のあまり多くない鮎釣りの記録。家族に感謝して。近くの広瀬川の環境等にも拘るも、オフは時事問題も

最後の釣行(その2)・・・こんな馬鹿な!

2008-09-24 22:57:32 | 最上川

 最上川舟下りは、古口港から草薙温泉港までの約10キロを1時間以上かけて、途中の景色や船頭さんの歌やおしゃべりを楽しみながら下るものですが、料金は大人が1,970円もします。 個人的には高いかなあと思いますが、皆さまはどう思いますか?

 

 

 (昨日の続きです)

 小国川で2匹のオトリアユを購入して、いざ目的地である”高屋”を目指します。

 天気はまずまず。暑くも寒くもないというところ。

 R47号線とJR陸羽西線は最上川に沿って走っています。 最上川の様子を見ながら走ることができます。 自ずと心が弾んできます。

 

 古口を過ぎて高屋へ。 しかし、釣り人は誰もいない。 14日は一杯釣り人がいたのに。 何か不吉な予感。 もう1週間以上過ぎて、アユは下ってしまったのか?!

 まさか、早すぎる、まだいるはずだ、いや、いてくれないと困る。 はるばる何のために来たのか分からなくなるではないか。 でも、不安がよぎります。

 それで、すぐには川に降りてはいかず、荷物はそのままにしてとにかく川べりに行ってみることにしました。

 特に変わった様子は見当たらない。水量もこの前とほとんど同じ。石もそこそこ黒い。 でも、アユの跳ねがないことはないが、少ない。

 上流の瀬にも、下流の瀬にもだあれもいない。こんなに広い最上川に自分ひとりだけ。 嬉しいというよりも不安や心配が、何かあったのではないかという心細さみたいなものが襲う。

 そうではあっても、折角来たのだから、オトリも持ってきたし、竿を出さない手はない、もともとダメモトなのだからと思い直し、車に戻って準備をしました。

 

 タイツを履いて、シャツを着て、バンダナを巻いて、偏向レンズを付けた帽子を被って、スリムウエダー(寒くないように)を履いて、ベストを着用して、ボトルキーパーにアクエリアスのペットボトルを入れてベルトを腰に巻き、竿を取り出し、タモも目の粗いものとし、次に引き船を、というときに、何となんとナント、”引き船”がないのです!!

 

 そうなのです、引き舟を自宅に忘れてきてしまったのです。 何としたことでしょう。こんな馬鹿な、こんなことがあっていいのか、何でよりによって最後の釣行なのに忘れてくるなんて・・・・。大チョンボ。

 この前は小国川の時”ベルト”を忘れましたが、今度は”引き船”です。ショックなんてものではありませんでした。 ここまで耄碌してしまったのか??すっかり萎れてしまいましたが、ここでも気を取り直しました。 それしかないのですから。

 引き船はなくても、オトリ缶を代用すれば何とかなる。 入れ掛りということはないだろうから、オトリ缶の近く、その周囲で竿を出せばいいだろうと思い直しました。

 

 でも、オトリ缶を担いで河原に降りていくのはかなりきついものです。引き船を忘れているし、釣り人が誰もいないしで、気は重くなっているし。

 

 ほぼ14日と同じところにオトリ缶を沈めました。

 今日のタックルは、竿はシマノの”珪石90-95”、水中糸はナイロンの0.6号(太いです)、ハナカン周りは今はあまり流行らないようですが、”スーパーウエポン”にしました。 水中糸を竿尻から1メートル弱出して、スーパーウエポンで幅広く攻めてみようと思いました。

 場所は平瀬というよりはトロ瀬みたいなところですから。心配はオトリがちゃんと泳いでくれるか、沖に出て行ってくれるかです。

 

 オトリ缶からオトリを1匹取り出し、タモのなかへ。 オトリ缶を横に沈めます。アユの挿入口を上にして。

 川の中に入っていって、オトリにハナカンを通します。いざ最後のアユ釣りがスタートです。 時に午前9時10分。 オトリは少しサビがでているようなオトリで、横には泳ぐのですが、なかなか沖には出て行ってくれません。 最初の調教が大事なのに。いつものことですが、すんなりと思った方向に泳いでくれるオトリアユはいません。腕が未熟ということもありますが。

 四苦八苦しているうちに時間は過ぎていきます。たまに沖のほうに泳いでいってくれます。その時はその時間を大事にして、何とか掛かってくれないかと祈るような気持ちで泳がせます。

 風が出てきました。いつもより早い感じです。竿が揺れれば、糸も目印も動きます。それでも目印が何か変な感じに動いたように見えました。これはもしかして掛かったかなと、竿を立てると、そうです、掛かっていました。ようやくアユが掛かりました。 やはりいたのです。 追ってくれたのです。 ありがたい。 時に9時35分頃でした。 スタートから25分でやっと1匹目が掛かってくれました。

 

 慎重にやり取りをしながら、浅瀬に寄せてきます。なるべくオトリ缶の近くに寄ってから、引き抜きました。 22センチくらいのまだサビのはいっていない立派なアユです。 いやあ、ほっとしました。 坊主ではなくなりました。おでこではありません。

 オトリ缶に養殖オトリを入れて、掛かりアユをタモに入れたまま川の中へ。 さっきと同じようなところへ泳いでいきます。 するとものの5分も経たないうちに目印が一気に水中に引き込まれていくのが見えました。 これぞ泳がせの楽しみ、喜びです。 嬉しくなります。 これはもしかして”入れ掛り”かも、とまで思ってしまいました。

 

 そうなのです、その後もいい感じで釣れて、10時半頃までに、私としてはこの時期では上出来の「6匹」も取り込んだのです。

 この頃かな、下流の瀬に一人竿を出し始めたのは。

 

 しかし、どうしたのかその後はパッとしません。いくら泳がせても掛かってくれません。場所を変えてみるのですが、追いません。 風はかなり強くなって来ました。 最上川の下流域はお昼頃から強風が吹き始めます。 並大抵の風ではないです。 何しろこの風があったから最上川では舟運が発達したのですが。 強風が吹いてくると、竿を押さえているだけでも大変です。 まあ、ひっきりなしに吹いているというものではなく、割と長い間強く吹くのですが、そのあとは少し弱くなったりもして、強弱をくり返します。

 

 そしたら、R47の道路に止めた軽トラのおっさんが上から話し掛けてきました。「そこにはアユはいない。石は白くなっている。もっと下流に行け。下流は石が真っ黒だ」と言います。 アユはいないことはないし、それなりに釣れているのだけどなあと思いながら、話しを聞いていましたが、今はつれなくなったわけで、どこかに移動しなければならない。じゃあ、下流に行ってみるかと思いました。

 

 でも移動は大変なのです。強風が吹く。竿を持ったまま、オトリ缶まで持って動くのは無理でした。 だから動くときは、まずオトリ缶を移動させてからまた戻って、今度は竿を担いでいくということの繰り返しです。 それだけでも疲れてきます。 下流の瀬との中間点あたりで、幅広く石が黒いところがあったところでは竿を出すのですが、追いません。

 

 ついでに下流の瀬で釣っている人のところまで行ってみるか、その瀬の周辺をこの際じっくり見てやろうと思いました。

 彼は地元の人で、瀬頭の手前浅いところから竿を出しています。お辞儀をして近寄りました。どこから来たのかと聞くので、仙台からというと感心していました。 オトリは上流の角川で投網で捕ってくるのだそうです。もっと絞られている急瀬で竿を出さないのかと聞いたら、あそこは舟下りの舟が来るから、行かないとのこと。 逆に私に急瀬で竿を出してみてはどうかと言ってきました。私が引き船を忘れてきたというと、彼も竿を忘れたことがあると言って、お互いに笑ったり。 話中に掛かりました。風のために掛かったのが分からなかったのです。そのくらい風が強い。

 その頃上流の瀬尻に一人入りました。彼が言うには丁度いいところに入られたと、その辺は石が真っ黒でいい釣り場なのだそうです。

 そうそう、彼はいつも23日をもって納竿しているとのことで、今年も今日でおしまいと言っていました。

 

 下流域の瀬もいいところです。瀬頭も瀬本体も瀬尻も全てがいい感じです。 最初に私が入ったところから下の瀬までは、かなり広い遠浅といってもいいくらいの平瀬が続きます。石はちゃんと入っています。いい釣り場です。黙って放って置く手はないです。とても広いですから、何人でも入れます。

 

 彼と別れてから、また上流に向かい、途中でいい釣り場を見つけたのでそこで竿を出そうと、オトリ缶からアユを取り出そうとしたら元気なアユが1匹飛び出して行きました。これでキープは5匹。 なぜかあまりガッカリはしませんでした。諦めかけていたからかも。

 でも手前の浅いところを引いていたら、いつの間にか17センチくらいの小さいアユが掛かっていましたので、数的には同じ6匹となりました。

 

 既にお昼も過ぎているし、疲れたし、これから掛かる気もしないので、この辺で完全に諦めることにしました。これをもって今季最後のアユ釣りの最後にしようと、竿を仕舞いました。時に午後1時過ぎです。今日竿を出したのは、9時10分から11時過ぎまで。あとは歩いたり川を見たり。午後1時前後に30分くらい竿を出しました。 その結果、釣果は6匹でした。 満足です。 17センチが1匹、他は22から23センチくらいです。

 

 車に戻った頃に雨が降り出し。瞬く間に強く、豪雨のようになりました。雷は鳴らなかったけど、この天気の急変は一体何なのでしょう。 丁度いいときに納竿して戻ってきたものです。

 

 戸澤藩船番所舟下り乗船所によってお土産を買い、帰途につきました。

 

 実釣時間は少ない、往復240キロの最上川釣行となりました。これをもって今年のアユ釣りは一切が終了しました。暑い3ヶ月間でしたが、何かとってもあっけないうちに終わってしまった感じです。

 

 

 魚族に感謝、とりわけ鮎に感謝です。いい大人をこんなにも夢中にさせてくれるなんて本当にありがたいものです。 何度でも感謝です。

 そして、家族や釣り仲間にもありがとうと言わさせていただきます。改めてありがとうございました。

 

 3ヶ月間無事に元気に釣りができたこと、こんなに嬉しいことはありませんし、八百万の神に感謝したくなります。

 私に釣られたアユ達の冥福、極楽浄土への旅立ちを願って、このブログもお仕舞いにしたいと思います。(でも、そうはなりませんのでご安心めされ。)

 

 

(P.S.)

 最後の釣果となった鮎の写真を撮ろうかと思ったのですが、帰宅の前に義父に差し上げてきましたので、残念ながら写真はありません。

 義父は本当に喜んで食べてくれますので持って行った甲斐があります。お酒が好きなので、酒の肴として、夏の風物詩として鮎はいいと思っています。

 

 

コメント (1)
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