京都八幡高校レスリング部・京都八幡ジュニアレスリングクラブを指導する監督・浅井 努の日記

剛毅果敢(ごうきかかん)をキャッチフレーズに全国優勝を目指す。

非常識と言われていたことでも、結果を出せば常識に変わる

2009-09-18 | コーチング
近鉄からメジャーリーグで活躍した野茂英雄投手といえばあのトルネード投法で有名だった。
当時、球界関係者やマスコミなどから、「極端に全身をねじり、その大きな反動を利用して剛速球を生むフォームは、コントロールが定まりにくいという欠点がある。
しかも、相当に下半身が頑丈でなければ故障を誘発しがちなフォームでもある。」と言われていた。
野茂は、人並み以上の走り込みで頑丈な下半身をつくり、故障の心配は少なかったが、それでも四球の多さは有名だった。
四球の多さを克服するためには、オーソドックスなフォームに変更するのが一番の近道となる。
しかし、そうすれば、剛速球とフォークボールの威力は半減し、打者がタイミングをとりづらいといった利点すら消えてしまう。
様々な雑音はあったが、野茂はフォームを一切いじらず、現役生活、このトルネード投法で大活躍をしました。

長野オリンピックのスピードスケート金メダルの清水宏保選手。
身長162センチ、しかも喘息持ちだったことから「背が小さいから無理」「喘息持ちがスポーツなんて・・・」というのが世間の常識だった。
しかし、清水選手は「自分で限界をつくらなければ、潜在能力はいくらでも開発できる」という信念で、猛練習を積み、世界のトップへ上りつめた。という逸話があります。

2人とも周りから様々な雑音がありながら、強い信念を持って走り続け、トップを極めた。

昨日、インカレ決勝で敗れ惜しくも2位だった田中幸太郎。
実をいうと、彼は大学に上がる前から、周りから様々な雑音がある。
得意のローシングル。「高校までは決まったが大学からは無理だろう」
「日本で通用しても外人には通用しない」「入るタイミングは良いがいまのままでは返される」等々。
確かに、いまのローシングルのままではダメ。まだまだ発展途上だが、だからと言って、止める必要はない。ローシングルは田中幸太郎の持ち味である。
常識にとらわれると常識の壁を破ることができなくなる。壁を超えるには、常識にとらわれないことだと思う。
周りが非常識と言っていても、勝負の世界は結果を出せば常識に変わります。
幸太郎にはジョン・スミスのように、ローシングルを極めて欲しい。