京都八幡高校レスリング部・京都八幡ジュニアレスリングクラブを指導する監督・浅井 努の日記

剛毅果敢(ごうきかかん)をキャッチフレーズに全国優勝を目指す。

型にはめない。長所伸ばし強みに。

2011-05-16 | 教訓
私が中学3年の時、テレビで放映された「スクールウォーズ」でおなじみの伏見工業高校ラクビー部の当時の監督・山口良治氏の記事を読みました。

インサイド:泣き虫先生からの伝言 現代指導者論/3 代表仕込みの育成術(5月12日の毎日新聞より抜粋)
■型にはめない
山口は一度、平尾をこっぴどく叱った。ある試合で密集に巻き込まれた時だった。山口は、線が細かった平尾に「絶対に相手につかまるな」と接触プレーを避けることを徹底させていたのだ。故障は平尾の才能をつぶしかねない。
しかし戦術面に関しては、ほとんど野放しにしていた。平尾は中学時代から、状況に応じて適切なプレーを選択するゲームメークの力に関して群を抜いていたからだ。平尾は振り返る。「特に中学や高校でチームのスタイルありきでやられると、いくら良いものを持っていても封印されてしまう。『勝手なことするな』ってね。でも山口先生は好きにさせてくれた」
山口は「指導する時は、いつも『どんなプレーがこの子にとって楽しいのかな』とイメージするようにしていた。一つでいいから優れたところを見つけてほめてやれば、自信がついて、おのずとほかも伸びていく」とコーチングについての持論を語る。平尾は定型にはめられることなく、真っ白なキャンバスに思う存分、独創的な絵を描き、日本を代表する希代のラガーマンへと育っていった。

■長所伸ばし強みに
山口は日本代表でプレーした当時、大西鉄之祐監督(1916~95)に日本人の俊敏性と持久力を生かすことで外国勢の高さ、パワーを封印する戦術論をたたきこまれた。「公立校の伏見工でも、大きくてうまい選手を集めないと勝てないのかという葛藤があったが、大西監督から学んだことがあった。ないものを求めるのでなく、一人一人の長所を伸ばし、それをどう組み合わせるかを考えた」。山口はいたずらっぽく笑い、付け加えた。「泣いてばっかりちゃうで」…


全く同感です。私が理想とする目指す指導です。
その選手の持ち味・長所を見抜き、それに磨きをかける。そうすれば、知らないうちに短所も修正される。
ただし、短所は簡単には克服できないということを指導者は知るべき。
だから練習に費やす時間の大半は持ち味・長所に磨きをかけるためにアレンジした内容とする。
選手のモチベーションを上げることで練習能率は上がる。

京都八幡の選手たちは個性的でこれからが楽しみです。
高校生でいえば弦斗の多彩な「がぶり」の攻撃に、翼の「ローシングル」、宏野は筋力・体力がまだかなり劣っていますが、これからコツコツと身体をつくり、あの手足の長さ・リーチの長さを生かしたレスリングを極めれば面白い。泰士はレスリングを始めて数カ月ですが、柔道上がりの投げ技に、技術の飲み込みが早いので、2年後には楽しみです。
中学生でいえば、1年生の拓磨。あの両脚タックルはスピード・力強さがあるし、2オン1、差し、がぶりといった技術もできるし、何といっても、真面目でどんな練習でも食らいついてくる…これからどんどん伸びてきます。晃次郎は、まだ何も教えていないにも関わらず、ローシングルをします。まだハチャメチャですが、足首に飛び込むスピードは素晴らしいです。これからじっくり時間をかけて、処理の仕方や組み手を教えるので、極めたら面白い選手になります。2年生の竜太郎は、翼と一緒で細身で手足の長い選手です。がぶり、差し、2オン1などオールマイティーにできる選手ですが、ローシングル、ハイクラッチが試合で使えるように練習中です。タックルが試合で仕掛けられるようになれば一皮むけるでしょう。
こんな感じで、個性的な選手がたくさんいて、みんなそれぞれ持ち味があります。これからさらに、持ち味・長所を伸ばしつつ、筋力・体力をつけていければ、さらに活躍が期待できます。これから、もっともっと持ち味・長所を伸ばしてあげられるよう頑張るだけです。