秀策発!! 囲碁新時代

 「囲碁は日本の文化である」と胸を張って言えるよう、囲碁普及などへの提言をします。

囲碁観戦記の鑑賞術≪4≫〜作戦に注目する〜

2015年10月05日 | 囲碁界への提言
 プロの実戦譜を並べる事は大変有効な勉強法。かつての木谷門下では、学校へ行く前に棋譜並べをするのが習慣で、名だたる名手の実戦譜を多く体感する事で各々の感性と素質が高められたと言われています。

 そんな木谷門下生の一員であった加藤正夫先生、新聞連載の観戦記に目を通す事が日課だったようです。加藤先生の研究会へ行くと、まずは観戦記を新聞から切り抜いたり整理したりしていたと、どなたかの回想記で読んだ記憶があります。
 囲碁が強くなるにはどうすればいいか。上記の加藤先生は、何か1つ得意戦法を持ち、徹底的に研究する事を推奨されていました。得意戦法を徹底的に研究する事で、その戦法の真意が確実に身に付き、学んだその人の確かな実力となるという。
 加藤先生、本職の囲碁では中国流を、趣味の将棋では棒銀を愛用されていたという。まずは愛用する打ち方について詳しく、徹底的に調べてみる。そしてそれから、同じ様な打ち方をするプロの碁を探して並べてみる。プロの碁が分からないとは言え、ご自身愛用の打ち方ならば分かりやすい筈。当然分かりやすいだけではなく、調べれば調べる程知らなかった事も彼是出てくるので、次第に学ぶ楽しみも気が付く筈。

 料理好きの間では、この数年、塩糀が注目されています。塩糀その物は格段旨くはありませんが、発酵食品ならではの特徴、食材の旨味を引き出す働きがあり、色々な料理との相性が良い。それにレシピ本も多く出版されているので、塩糀レシピだけ毎日作って食べても飽きが来ない。料理は材料を理解すると書きますが、何か1つを突き詰めて調べ理解する事は、実は囲碁や料理に限らず、古来学問の本道でもあるのです。
 中国流、高中国流、ミニ中国流、二連星、三連星、多々ある囲碁の序盤戦法。いずれも日々研究が進んでいますので、ご自身が長年愛用している型であっても、調べれば調べる程、それまで知らなかった事が次々と見つかるかもしれません。≪続≫

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。