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ピタゴラ「不思議」スイッチ

ヘタレ霊能者朋(tomo)の幼い頃からの心霊体験話をここで載せています。

摩訶不思議100物語 第14話 「弟の彼女」

2008-04-14 21:04:24 | 摩訶不思議100物語 & 補足
こんばんは。

立て続けに摩訶不思議に逝きます。14話目です。実際データは28話までしかありません。もう少し残りをお楽しみください。

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弟二人が、家賃を半分ずつにして、新築の賃貸マンションに、お引越しをすることになりました。当然、「引越しそばはつくかもよ。」という弟たちの声に惑わされて、姉の私も主人と手伝いにいきました。


割とこじんまりしたところで、なかなか部屋も広く、みんなでこれはいい物件だとみんなで、言い合いました。

大きい方の部屋を上の弟が、小さい方を下の弟がとったようでした。

当初は、弟たちは、二人で暮らして、あれだこれだ、もめていましたが、半年もすると、仲良く暮らすようになりました。

「姉さん、遊びにきてほしいんだ。」

と、引っ越して半年めのある日、上の弟から電話がかかってきました。

「なんか、差し入れでも欲しいの?」

と、単純に言った私は、久しぶりだったので、即、遊びに行ってしまいました。


・・・・・・・・・・・遊びにいくと、玄関で私は立ち止まってしまいました。

部屋は、変わりないと言えばないのですが、なんか変な感じがしました。なんていう根拠もなかったのですが、部屋に「拒否」されている気がしたのです。

笑い飛ばして、入っていくとうなずけました。
・・・女の人の霊がいるのです。はっきりした形では見えなかったのですが、女の人だなぁという白い影がゆらゆらと、上の弟の部屋に行ったり来たりしていました。


たちすくんでいると、下の弟が、「兄貴の部屋がなんだか、嫌だ。」と、やっとそこで、何で呼んだのかを話してくれました。

上の弟は、なんかに包まれている感じがして、居心地がいいそうでした。しかし、下の弟は、「なんかキッチンと二番目の兄貴の部屋が超やだ。」と言ってききません。

取り敢えず、あまり害はなさそうなので、女の人のことは黙っておきました。

「そうね。汚いからじゃないの?。」

というと、二人とも、口をそろえたように

「本当?」

と私をのぞきこみました。


取り敢えず、夕飯を作ってやることにしました。煮込みシチューを作ろうと、材料を買ってきて、包丁を持ってから、ことは始まりました。

包丁の手元が、ぐいっと、人に手を取られるようにそれるのです。まるで、指を切らんばかりのそれようでした。私は、まな板から目を上げて、正面を見上げました。

壁が、キッチンのところだけ、アルミになっているのですが、そこに女の人が映っていました。私の横に私の右腕を抱え込むようにして、立っていました。

「これで、切れないんだ。」

と思った私は、心の中で、

「お願い、作らせてちょうだい。」

と言いました。何度か押し問答のあげく、指を切らずに材料を切ることができました。

煮込んでいる間、彼女は色々私が気になるようでした。私がのぞきこむと、こそこそと上の弟の部屋に逃げ込んでしまいます。決して、下の弟の部屋にはいきません。

「あぁ、あの子が好きなのね。」

黙って彼女は、何も話しませんが、それでも、私には、彼女なりの精一杯のジェラシーを感じました。

「下の弟にまで、やきもちやいて、恐がっているんだ。私が姉であっても、やっぱ焼餅やくんだな。」

とも思いました。


でも、悪くはなさそうなので、弟達に、この半分歓迎されない同居人の存在を話しました。下の弟はとても嫌がっていましたが、自分の部屋に何もかも持ち込むことで、しばらくはうまくやっていたようでした。


その部屋から、下の弟は、社会人になって、まもなく転勤で出て行きました。

上の弟が一人ですんでいましたが、その間、恋人ができませんでした。なんだか、一人が居心地が良いみたいでした。4年くらいたって、やっと恋人ができました。しかし、自分の部屋に連れて来た途端、逃げられてしまいました。あとで、その女の子に聞いた話では

「あの人には、他に女の人がいる」

とのことでした。そんなことありません。弟は、気味がわるくなって引越しすることにしました。しかし、それでも、あたらしい部屋に連れていくと、

「よそに女の人がいる」

と恋人に逃げられるのです。

他の女の人・・・・もしかしてあの彼女がまだ邪魔をしているのでしょうか。私は、あれ以来、引っ越したという彼の部屋には遊びに行っていません。

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後日談ですが、そんな上の弟は、歓迎されぬ同居人の気持ちをすっ飛ばして、とある女性と結ばれることになり、既に結婚生活は10年以上。
なんというか、生きている人間はやっぱ強いと思いました。

幽霊に横恋慕されても、やっぱ生身の女性のほうが私も好きです。(ってか私なら、生身の男性ってとこでしょうか)、生きてる人間は金は稼いできますし、話も通じるし、話の話題も超ネガティブじゃないし、なんてったって、「ぬくもり」がありますもんね。(すみません、また不謹慎です)

弟の素晴らしい決断には私はとても感服いたしました。

この話はこの辺でよろしくお願いします。

tomo

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