こんばんは。
第二段は、「摩訶不思議百物語 4話 人形」です。1996年に原稿を起こしていますが、この話を聞いたのは、昭和53年位で、その当時のゴミ袋はまだ、真っ黒なゴミ袋でした。
****************************************
今回は友人の話です。
友人のおばあちゃんが、整理整頓している際に、人形を処分することになりました。
おばあちゃんは、そのお人形を近所の神社に持っていこうと、部屋の外に出しておきました。
翌朝。見るとお人形がありません。
「あれは、どこへやったんですかい?」
とおばあちゃんがたずねると、お母さんは、
「あぁ、あれ?」
と言って、黒いごみ袋に入れて、さっきごみ置場に捨ててしまったといいました。
「だって、処分するんでしょ?」
「しかし....」
おばあちゃんは、そういって、あわてて探しにいきましたが、ごみ清掃車が行ってしまったようで、なにも見つかりませんでした。
・・・・・・その夜おばあちゃんは、夢を見たようでした。
夢の中で、赤ん坊が泣く声がします。
「えーん、えーん。えーん、えーん。」
と声がします。おばあちゃんは一生懸命その姿を探そうとしました。
が、見当たりません。おばあちゃんは、自分の部屋の中でその声がすることに気づきました。
「えええーん。えーん。」
声は何度もつづきます。おばあちゃんは、ふと押し入れの中から聞こえてくる気がして、押入れを開けました。すると
「おまえは、よくもわたしを捨てたな。」
と太いがらがら声がした途端、手がにゅーっと伸びてきておばあちゃんを捕まえました。
「なにするんですか。」
おばあちゃんは、けさの人形が怒っているんだなと分かって、
「ごめんね。」
とその手のもとを引き寄せました。
・・・・・・・・・おばあちゃんは、その人形をみてびっくりしました。お人形には目鼻がなく、のっぺらだったのです。
そののっぺらが、おばあちゃんにかみつきました。おばあちゃんは「あれー。」と言って夢から覚めたのです。
おばあちゃんは、起き上がって、起きたのを確かめました。
変わりありません。夢でした。
でもそうでしょうか。おばあちゃんの右の二の腕には、ちっちゃな噛み傷があったのです。
それを見たおばあちゃんは、あわてて押し入れをあけました。そこには捨てられたはずの人形があったのです。
おばあちゃんは、翌日自分で近くに神社さんに行って、ご供養してもらったそうです。
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ではこの話はこんなところでよろしくお願いします。
tomo
第二段は、「摩訶不思議百物語 4話 人形」です。1996年に原稿を起こしていますが、この話を聞いたのは、昭和53年位で、その当時のゴミ袋はまだ、真っ黒なゴミ袋でした。
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今回は友人の話です。
友人のおばあちゃんが、整理整頓している際に、人形を処分することになりました。
おばあちゃんは、そのお人形を近所の神社に持っていこうと、部屋の外に出しておきました。
翌朝。見るとお人形がありません。
「あれは、どこへやったんですかい?」
とおばあちゃんがたずねると、お母さんは、
「あぁ、あれ?」
と言って、黒いごみ袋に入れて、さっきごみ置場に捨ててしまったといいました。
「だって、処分するんでしょ?」
「しかし....」
おばあちゃんは、そういって、あわてて探しにいきましたが、ごみ清掃車が行ってしまったようで、なにも見つかりませんでした。
・・・・・・その夜おばあちゃんは、夢を見たようでした。
夢の中で、赤ん坊が泣く声がします。
「えーん、えーん。えーん、えーん。」
と声がします。おばあちゃんは一生懸命その姿を探そうとしました。
が、見当たりません。おばあちゃんは、自分の部屋の中でその声がすることに気づきました。
「えええーん。えーん。」
声は何度もつづきます。おばあちゃんは、ふと押し入れの中から聞こえてくる気がして、押入れを開けました。すると
「おまえは、よくもわたしを捨てたな。」
と太いがらがら声がした途端、手がにゅーっと伸びてきておばあちゃんを捕まえました。
「なにするんですか。」
おばあちゃんは、けさの人形が怒っているんだなと分かって、
「ごめんね。」
とその手のもとを引き寄せました。
・・・・・・・・・おばあちゃんは、その人形をみてびっくりしました。お人形には目鼻がなく、のっぺらだったのです。
そののっぺらが、おばあちゃんにかみつきました。おばあちゃんは「あれー。」と言って夢から覚めたのです。
おばあちゃんは、起き上がって、起きたのを確かめました。
変わりありません。夢でした。
でもそうでしょうか。おばあちゃんの右の二の腕には、ちっちゃな噛み傷があったのです。
それを見たおばあちゃんは、あわてて押し入れをあけました。そこには捨てられたはずの人形があったのです。
おばあちゃんは、翌日自分で近くに神社さんに行って、ご供養してもらったそうです。
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ではこの話はこんなところでよろしくお願いします。
tomo
