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ピタゴラ「不思議」スイッチ

ヘタレ霊能者朋(tomo)の幼い頃からの心霊体験話をここで載せています。

摩訶不思議 第52話 「ホテル」

2009-03-14 17:43:48 | 摩訶不思議100物語 & 補足
こんばんは。

tomoです。

若い時、女の子と一緒にドライブに行きました。
職場で知り合った友人でした。そして、二人で散々八ヶ岳とか出かけた後、問題は中央高速が目茶目茶混んでいました。午前12時頃まだ、自分たちは、何と甲府を越えていませんでした、なので、何とか焦りつつ乗っていたんですが、仕方なく、初狩パーキングエリアに止めて寝ようという事になったんですが、その車内の窓を真剣にのぞく変なおじさんがいました。友人は気持ち悪がったので、もう一度都内目指して帰るところが、所が夜中の一時過ぎても大渋滞。

仕方なく、いったん降りて、どうしようか考えたら、友人が石和にあるホテルで泊まろうと言い出しました。断っておきますが、彼女とは友人です。

石和の方面に走って、最初に見つけた所に入りました。一室だけ明かりのともった、部屋のパネルボタン押しても、なんとも言われなくて、そのまま押して入りました。

入ってから、違和感がしました。
違和感は程なく的中しました。

友人がいきなり、お風呂にお湯入れたよ。一緒に入ろう?と言い出してきました。その友人は、そんなになまめかしいタイプでもなかったんですが、その時点で凄く艶っぽくて、何だか断れない雰囲気がありました。でも、実際のお風呂は、重なり合わないと入れないんです!!

で、躊躇している私を、彼女が「声色」が変わってまで、手を差し伸べてきた。その時のしゃべり方は既にいつもの彼女の、「だよなー」とか「だっせー」ってな言葉遣いじゃありませんでした。

「来て。恥ずかしいですから。」
「いや、二人入れないよ。薄いから。」
「じゃぁ、のんさん、私の下になってくださいな。私あなたの上に乗ります。」

・・・・・・・・のんさんって誰よ?って突っ込みもなく、その艶っぽさに一瞬わが身が女性であることを忘れるような色香があったのです。で、服を脱がしてくれる。そして、目線を下に向けながら赤い顔で、

「のんさん、お先に入ってください。」
「薄いしさー、あなた私より体重あるぜぇ」

そんな私の精一杯の冷やかしに、きつい目線を投げつけられて、その人と風呂に入った。

何というか、その風呂場自体、いつでもピッチャンピッチャン音がする。

「蛇口閉めていなんじゃないの?」と聞くと彼女は、ほんのり上気した顔で言った。
「私じゃご不満?私ずっとのんさんが好きでした。こうしてお誘いするのも、今だからです。気持ち分かってくれませんか。」

下手なポルノ映画よりひどいもんだった。憑かれている友人が、いきなり私の体を触り始め、私の手をもって、自分の体に誘導した。

「いかーーーーーーーーん。」
流石に脱兎さんスイッチが入った私。けれど、もうその女性(今は友人ではない)は、私に両手をかけて、うれしそうにしなだれている。
あぁ、これどうやって逃げたらいいんですか。神様。ここ、やばいホテルなんですか?ってか、どうしたらいいんですか。

彼女はひたすら自分を触ってほしがった。いや、遠慮して湯船から出て体を洗い出した私に、猛烈なアタックが来た。正直に言えば、友人の普段のキャラを知っているだけに、この豹変は、まったく違うものだろう。というか、うかうかしていると、実は私が乗り移られそうな気配があった。

そう。完璧男になっちゃいそうなそんな意識が入ろうとしていた。私は、体を洗い、女性を風呂場に置き捨て、そのままベッドに入った。しかし、ベッドに入ってきた彼女を見て、驚愕した。

「顔が・・・・顔が違うよ。」

「のんさん。お願いです。情けをお願いします。」

「うへぇーー。」

脱兎さんスイッチ、マルチターボを押したのはその時だった。
疲れとかどうでも良かった。すぐにその子に服を着せ(服を来てた方が何だかムードでるなぁ等おだてて、服を着せた。断固パンツは履かない。しかし、スカートをはかせて、私も着替えた。その際に、風呂場から、赤子の泣くような、猫の発情期のような声が聞こえた。

「いけねぇ、これ、分けあり物件だ。」

私は、パンツはいていない友人であろうはずの、その女性を引っ張り、そのまま部屋を出た。四六時中甘い言葉を耳にささやいた。そして、会計をしようと思ったら、会計がシャッターが下りていた。私は、やられた、呼ばれたと思いながら、彼女を引っ張って車に乗せ、そのまま後ろも見ずに走り出した。「彼女は抱きかかえられながら、「愛している」等と口走り、友人の面影は全くなかった。私はこの人が本当に友人ではないわけはないと思っていた。彼女の左腕のあざはそのままだったからだ。彼女は執拗に私に触れてきた。

「憑依しちゃったんだ。」私はエンジンをかける時、あまりに掛からないので、繰り返しつぶやいた。「遠くにいく。朝日を見る。遠くに行く。朝日を見る。」ずっとつぶやいた。

高速に再度乗って、何とかスムーズに上野原まで来て、そして、小仏に来た途端、

「彼女の顔が友人の顔に戻った。」そして、朝日が差してきた。何だか涙が出た。

彼女は、聞いてみると初狩で寝ていたらしい。そこから意識がなかったそうだ。で、どうして自分がパンツを履いていないのか不思議がった。私は取り合えず言った。

「覚えてないかもしれないけれど、談合坂のトイレで失敗したって言ったじゃん。だから、その時脱いで捨ててきたんでしょう?」

納得した彼女を見ながら、心の中は、冷や汗だった。
一体どっちが呼ばれて、車に張り付くおじさんを見て、シャッターがさびていたあのホテルに行ったんだろうか。どっちが憑依されていたんだろうか。

朝日がさす中で、私は、もう二度と女性と二人でラブホテルに入る関係がない事を切に祈って、そのまま自宅まで突っ走った。

持論:女性と二人きりでもラブホテルを簡易宿泊にするのは問題がある。


tomo

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