こんばんは。
働いていたところは、青山墓地の横だった。
桜が咲く頃、私は会社に疲労しきって、おいしいご飯屋を探して歩いた。すると目の前に、鶯色に桜の絵の描いてある女性が歩いていた。年配の方だった。
その方が、墓地をかいくぐってひょいひょいと、私の前を歩く。私が余所見をしていると、とまって待っていてくれる。
何だか分からないけれど、休み時間までに帰れるようにご飯恵んでくださいってツブヤイたら、おばあさんは、とある店の裏に入った。
なぁんだ。ここのお店の人か。
そう思って、その店に入った。鳥を焼いて香ばしい鳥をそのままパスタに乗せてキャベツと一緒に出してくれた。美味しかった。穴場なのかお客さんは少なかった。お客さんの半分はこの世の人ではないのは知っていたけれど、墓の横だから。そう思った。
帰り道、急におなかが下る感覚があって、そのまま会社のトイレに駆け込んだ。おなかが下った。それだけじゃない。
口から、かなり多い量の茶色い鉄のような味のするものを吐いた。2時間くらい篭った。途中で眠気も襲ったが、がんばって吐いて、そしておなかを下した。水を飲んだ。飲んでも飲んでも出てくるのは、茶色い色の何だかねとねとしたものだけだった。血かと思ったが、違った。お腹からは、随分変なものが出た。長い長い寄生虫かと思うように長いものが出てきた。後日兄に訴えたら、それは食物のスジだろうと言った。納得できなかった。長いまま、2メートルはあった。白くなかった。動かなかった。会社の健康診断では、虫はいなかったのがその前の年の9月だったから。ながいなぁって思って見とれてた。
店が悪かったのかなと思った。
その翌日の朝、心身ともにすっきりした中で、急に人事部長から、呼び出しを喰らい、沢山の墓場までの守秘義務に判を押す代わりに、莫大な慰謝料とともに、会社を辞めることになった。すんなりやめられた。
今では、それでよかったんだと思っている。
ただ、あの店は、二度と見つからない。
tomo
働いていたところは、青山墓地の横だった。
桜が咲く頃、私は会社に疲労しきって、おいしいご飯屋を探して歩いた。すると目の前に、鶯色に桜の絵の描いてある女性が歩いていた。年配の方だった。
その方が、墓地をかいくぐってひょいひょいと、私の前を歩く。私が余所見をしていると、とまって待っていてくれる。
何だか分からないけれど、休み時間までに帰れるようにご飯恵んでくださいってツブヤイたら、おばあさんは、とある店の裏に入った。
なぁんだ。ここのお店の人か。
そう思って、その店に入った。鳥を焼いて香ばしい鳥をそのままパスタに乗せてキャベツと一緒に出してくれた。美味しかった。穴場なのかお客さんは少なかった。お客さんの半分はこの世の人ではないのは知っていたけれど、墓の横だから。そう思った。
帰り道、急におなかが下る感覚があって、そのまま会社のトイレに駆け込んだ。おなかが下った。それだけじゃない。
口から、かなり多い量の茶色い鉄のような味のするものを吐いた。2時間くらい篭った。途中で眠気も襲ったが、がんばって吐いて、そしておなかを下した。水を飲んだ。飲んでも飲んでも出てくるのは、茶色い色の何だかねとねとしたものだけだった。血かと思ったが、違った。お腹からは、随分変なものが出た。長い長い寄生虫かと思うように長いものが出てきた。後日兄に訴えたら、それは食物のスジだろうと言った。納得できなかった。長いまま、2メートルはあった。白くなかった。動かなかった。会社の健康診断では、虫はいなかったのがその前の年の9月だったから。ながいなぁって思って見とれてた。
店が悪かったのかなと思った。
その翌日の朝、心身ともにすっきりした中で、急に人事部長から、呼び出しを喰らい、沢山の墓場までの守秘義務に判を押す代わりに、莫大な慰謝料とともに、会社を辞めることになった。すんなりやめられた。
今では、それでよかったんだと思っている。
ただ、あの店は、二度と見つからない。
tomo