歴史に関する読み物が好きで、小説やノンフィクションをよく読みます。
今まで何も考えず面白そうなものを読み漁っていたのですが、ふといくつかのタイプがあることに気付きました。
1.いわゆる"時代小説"または史論
小説は司馬遼太郎とか吉川英治とか、歴史上の人物を題材にしたもの。
どこの本屋に行っても文庫で沢山そろっていますね。
戦国時代・江戸時代・明治維新ものが三巨頭かと思いますが、まれに室町もの・源平ものや古代史を題材にしたものがあります。
ただ余り古い時代になってくると、
-マイナーな分野なので読む方もよく知らない
-時代が古すぎてイメージが湧かない(サムライとかなら分かりやすいですが)
-記録も無いので人物像などは著者の想像であり、荒唐無稽な感が否めない
といった辺りに難があると思います。
(現代に比較的近い時代ものが多いのはその辺りが原因ではないでしょうか)
一方で史論となるとこれは各時代色々な題材で、色々なバックグラウンドの人が書いているようです。
学者が一般向けに書いたものもあれば、評論家が刺激的な仮説を提示するものまで。
個人的には日本の史論はあまり読まない方です。
2.世界の歴史小説または史論
時代物が好きなのは当然日本に限った話ではなく、多くの題材が出版されています。
日本の著者だと塩野七生とかでしょうか。
ローマ時代の物語でも紀元前数世紀から話が始まるなど、
+同じ人間の歴史でも日本史より広い時間が対象になる
+地域も多様で、(日本人にとっては)"定番"が少なく内容が多様
な感じがします。
特に時代が紀元前のものなどはそうですが、考古学的な検証も含めてその社会や歴史を論じる史論をよく読みます。
読んでいると他人の家をくまなく見て回るような、
+へえ、こんな歴史もあるのか
という楽しみがあります。
3."文明"論
一方で少し引いて見ると、個別の時代や社会を題材にしたものと言うより、より広く人類世界の歴史を概観した史論があります。
先日書いた「文明崩壊」もそうですが、氷河期が終わり人類が急速に世界に広がっていったこの一万年の間に起こったことを、包括的にとらえるものです。
一つ一つの社会で起きた個々の事件や個人は問題とならず、例えばアリのコロニーを観察するように、どういう原理で社会が変化してきたかを考察します。
(ここで言う2.では個人名や事件が話題の中心になる、という点で3.と分けて考えています)
日本ではこの手の本はほとんど見ませんが、欧米(またはその訳書)ではベストセラーになったりよく売れているようです。
少しとっつきにくいところもありますが、個々の歴史をタテに構造的にとらえる視点に新しい発見があり、個人的に好きな分野です。
あるいはそれに似たものとして、冷戦崩壊や資本主義など、現代の事象が人類の歴史の中でどんな意味を持っているかを論じるようなものも同じようなタイプかもしれません。
4.地球の歴史
1~3は全て「人間」の歴史ですが、人間以前にもこの地球に登場人物はあり、起こってきた出来事があります。
そうした意味で、この1万年ではなくそれ以前(地球誕生からの45億年)も視野に入れ、人間以外も含めて何がどう変化してきたかを論じるものも面白い分野です。
特に最近読んで面白かった"Future is wild"(ダイヤモンド社)などは、人類滅亡後にどんな生物が進化しうるか、という仮想シミュレーションを行い、いわば未来の動物図鑑になっています。
他にも人類が類人猿からどう進化してきたか、進化論的なテーマも一種の"歴史"の先にあるものです。
こうした超長時間軸でものを考えるとすると、歴史は実は生物学や地学等、他の分野と融合してしまうわけです。
もっと言えばその先には「宇宙の歴史」があって、そこは理論物理学の世界になっていくのかも知れませんが、そこまで専門知識がないので、実際はせいぜい生物学者が書いた一般向けの本を読むくらいですね…
こういう分類で整理してみると、普段「歴史」というと個人的にはつい1.(あるいは2.)の範囲でものを考えがちなことに気付きます。
そうすると
-自分のやっていることは後世に名が残るんだろうか
-今の日本人にはサムライの心が失われているのではないか
-現代は環境破壊などが極まった、破滅の時代だ
などと狭く捉えてしまいがちです。
しかし3.や4.の時間軸で物を考えると、
+千年名が残ったって、時の流れから見たらほんの一瞬に過ぎない
+美意識や価値観など、融合しては変化することを繰り返すのが人類の歴史
+もっと過酷で生きにくい環境の時代の方が遥かに長かった
という解釈も成り立つように思えて、ずいぶん気が楽になるような気がします。
特に忙しいビジネスライフを過ごしていると目の前の小事の囚われてものすごいストレスを抱えがち。
そんな時には超長時間軸の歴史観が精神の開放に役立つかも知れません。
今まで何も考えず面白そうなものを読み漁っていたのですが、ふといくつかのタイプがあることに気付きました。
1.いわゆる"時代小説"または史論
小説は司馬遼太郎とか吉川英治とか、歴史上の人物を題材にしたもの。
どこの本屋に行っても文庫で沢山そろっていますね。
戦国時代・江戸時代・明治維新ものが三巨頭かと思いますが、まれに室町もの・源平ものや古代史を題材にしたものがあります。
ただ余り古い時代になってくると、
-マイナーな分野なので読む方もよく知らない
-時代が古すぎてイメージが湧かない(サムライとかなら分かりやすいですが)
-記録も無いので人物像などは著者の想像であり、荒唐無稽な感が否めない
といった辺りに難があると思います。
(現代に比較的近い時代ものが多いのはその辺りが原因ではないでしょうか)
一方で史論となるとこれは各時代色々な題材で、色々なバックグラウンドの人が書いているようです。
学者が一般向けに書いたものもあれば、評論家が刺激的な仮説を提示するものまで。
個人的には日本の史論はあまり読まない方です。
2.世界の歴史小説または史論
時代物が好きなのは当然日本に限った話ではなく、多くの題材が出版されています。
日本の著者だと塩野七生とかでしょうか。
ローマ時代の物語でも紀元前数世紀から話が始まるなど、
+同じ人間の歴史でも日本史より広い時間が対象になる
+地域も多様で、(日本人にとっては)"定番"が少なく内容が多様
な感じがします。
特に時代が紀元前のものなどはそうですが、考古学的な検証も含めてその社会や歴史を論じる史論をよく読みます。
読んでいると他人の家をくまなく見て回るような、
+へえ、こんな歴史もあるのか
という楽しみがあります。
3."文明"論
一方で少し引いて見ると、個別の時代や社会を題材にしたものと言うより、より広く人類世界の歴史を概観した史論があります。
先日書いた「文明崩壊」もそうですが、氷河期が終わり人類が急速に世界に広がっていったこの一万年の間に起こったことを、包括的にとらえるものです。
一つ一つの社会で起きた個々の事件や個人は問題とならず、例えばアリのコロニーを観察するように、どういう原理で社会が変化してきたかを考察します。
(ここで言う2.では個人名や事件が話題の中心になる、という点で3.と分けて考えています)
日本ではこの手の本はほとんど見ませんが、欧米(またはその訳書)ではベストセラーになったりよく売れているようです。
少しとっつきにくいところもありますが、個々の歴史をタテに構造的にとらえる視点に新しい発見があり、個人的に好きな分野です。
あるいはそれに似たものとして、冷戦崩壊や資本主義など、現代の事象が人類の歴史の中でどんな意味を持っているかを論じるようなものも同じようなタイプかもしれません。
4.地球の歴史
1~3は全て「人間」の歴史ですが、人間以前にもこの地球に登場人物はあり、起こってきた出来事があります。
そうした意味で、この1万年ではなくそれ以前(地球誕生からの45億年)も視野に入れ、人間以外も含めて何がどう変化してきたかを論じるものも面白い分野です。
特に最近読んで面白かった"Future is wild"(ダイヤモンド社)などは、人類滅亡後にどんな生物が進化しうるか、という仮想シミュレーションを行い、いわば未来の動物図鑑になっています。
他にも人類が類人猿からどう進化してきたか、進化論的なテーマも一種の"歴史"の先にあるものです。
こうした超長時間軸でものを考えるとすると、歴史は実は生物学や地学等、他の分野と融合してしまうわけです。
もっと言えばその先には「宇宙の歴史」があって、そこは理論物理学の世界になっていくのかも知れませんが、そこまで専門知識がないので、実際はせいぜい生物学者が書いた一般向けの本を読むくらいですね…
こういう分類で整理してみると、普段「歴史」というと個人的にはつい1.(あるいは2.)の範囲でものを考えがちなことに気付きます。
そうすると
-自分のやっていることは後世に名が残るんだろうか
-今の日本人にはサムライの心が失われているのではないか
-現代は環境破壊などが極まった、破滅の時代だ
などと狭く捉えてしまいがちです。
しかし3.や4.の時間軸で物を考えると、
+千年名が残ったって、時の流れから見たらほんの一瞬に過ぎない
+美意識や価値観など、融合しては変化することを繰り返すのが人類の歴史
+もっと過酷で生きにくい環境の時代の方が遥かに長かった
という解釈も成り立つように思えて、ずいぶん気が楽になるような気がします。
特に忙しいビジネスライフを過ごしていると目の前の小事の囚われてものすごいストレスを抱えがち。
そんな時には超長時間軸の歴史観が精神の開放に役立つかも知れません。
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