MBAで教える「交渉術」

MBA留学先での「交渉」の授業内容を配信。といっても最近はもっぱら刺激を受けた本やMBAについて。

トリノ

2006-02-17 | 雑記
冬季オリンピックやってますね。
テレビなど見ていたら事前には結構日本も盛り上がっていたと思うんですが…

やはり結果(メダル)が出ないとだんだん話題がしぼんでいく感じがします。
「頑張ったね良かったね」だけではやはりどうも厳しいというか。

ビジネス(売上実績やプレゼンテーション等)でも共通だと思いますが、
「見る側の期待レベルに見合った結果/内容がないと興ざめになる」
というのは普遍的なのかなと思います。

その点サッカーのワールドカップなど日本にとっては盛り上がり上非常に良い演出になっている気がして、
94年:あと一歩で地区予選敗退(ドーハの悲劇)
98年:プレーオフでぎりぎり地区予選通過!でも本戦一次リーグで全敗
02年:本戦一次リーグ無敗で突破!でもトーナメントあっさり初戦敗退

と、ドラマを盛り込みつつ着実にステップアップしているように思います。
これで今年のワールドカップでまた一次リーグ全敗で敗退、などとなったら相当なしらけ鳥が飛ぶんでしょうね。

とはいえスポーツの世界では、結果を思い通りにコントロールするのは難しいかもしれません。
冬季オリンピックもここまで数回の活躍が目立った分、見る側の要求が贅沢になりすぎただけなのかもしれませんね。

タクシーの差別化要素

2006-02-15 | 雑記
普段仕事で移動が多いので、色んなタクシーに乗る機会があります。
そこでふと、どんなタクシーがお客さんを沢山集めて稼げるのか、と気になってきました。

タクシーの場合難しいのが、

-一度乗ってしまうと気に入らなくてもキャンセルしようがない
-一度良いタクシーに当っても、流しではリピートできない

といった点です。
「いいタクシーにあたるかどうかは結局運次第」な感じがしますね。

運転手側の営業努力としては、呼び出しの固定客をつかむ、利用者の多い場所/時間帯をつなぐルートを見極める、といったあたりだと思いますが。
利用者側からすると「良いタクシー」はどんなタクシーでしょうか。

価格について言うと、ワンコインタクシーなどもありますが、個人的にはほとんど関係ない感じがします。
というのも、660円でも500円でもワンメーター程度の距離を行くならいずれにせよ割高感は否めないので、どっちでも一緒な感じがするからです。

残りの要素を普通に考えると、

-裏道にどの位詳しいか
-運転は巧みか/乱暴ではないか
-接客マナーは良いか

といったあたりが重要になるんでしょうか。
しかし個人的に最も重要だと思うのは実は

-車中の臭い

ではないかと思います。
タバコや食べ物のこもった臭いその他、嫌な臭いのタクシーに乗ってしまうとそれはもう大変な思いをして、「もうタクシーなど二度と乗らない」くらい思ってしまいますね。
たいていは問題ありませんが、中には10台に1台くらい「臭い」車があるので、そういうのにあたると一日ブルーになります。

「わが社のタクシーは薫りが違う!」

みたいなタクシーがあったらいいなと思いますね。


ものぐさ箸休め

2006-02-14 | 雑記
掲題の本を読みました。
精神分析学者の岸田秀さんのエッセイです。

同じ著者から同種の本はいくつか出ていて、昔からそこそこ人気があるみたいですね。
大変共感を感じたのが、

-人は「忙しい」と愚痴を言うが、実はヒマになることを恐れている

というくだりです。
少しポイントを借用すると、

昔の人は社会全体が貧しく、みんな働きづめで働くうちに体を壊して死んでいった。
貧しい時に持つ「豊かになりたい」という願望は、「何もしなくてもいい」という贅沢を一度でいいから味わいたいという思いそのものだった。
しかし戦後経済成長を遂げて、技術発展で家事も時間を食わなくなると、本当に「何もしなくていい」時代が到来した。
ところがそうなると、人々は趣味だ仕事だ健康法だ生きがいだと、何かしら新しく時間をつぶすことをみつけることに血眼になっている。
実は人間は本能的に「ヒマ」になることが苦痛な精神を持っているのではないか。

確かに、合目的な思考(「私の夢はXXで、そのために今YYを達成しなければならない」式の考え方)や「生きがい」などをつきつめると、無意味に自分を追い立てているだけなのかも知れない気がします。
何も考えない、何も意味は無い、そんな時間を持つのが実は難しいのかもしれませんね。

全くの雑感ですが。

レストランの対応

2006-02-12 | 雑記
先日あるレストランに行った時のこと。

結構有名でおいしいと評判だったので行ってみたら、中も綺麗でおしゃれな良い雰囲気でした。
ところが飲み物を頼み、注文をすませたところまでは良かったのですが、店に入ってから小1時間たっても前菜が出てこない。
他のテーブルには料理が来ている。

ウエイターを呼んで聞いてみると、「すみません」とのことで、そこから対応が早くなるのかと思ったら、さらに15分たってからやっと食べ物が出てきました。
(オードブルって普通予めできているものを盛り付けるだけなんですけどね…)
周りのテーブルではもっと遅く店に入ってきたのに既にメインを食べ終わりかけているところもあったりと、どうも「忙しくて忘れていた」ような感じがしました。
一応前菜は来ていましたがとてもおいしく食べられる気がしなかったので、そこでオーダーを止めてもらい、そこまで食べた分だけお金を払って店を出ることにしました。
(飲み物と前菜だけ、で店に入ってから既に1時間半が経過していました)

一応店側も謝って代金はいらない、ということになったのですが、どうなんだろうなあと考えさせられる一件でした。
こちらもフランスに住んでいた身として、本場のレストランが「待ってる間の会話も含めて時間をかけて料理を楽しむ場」であることは百も承知の上で。
(とはいえ、フランスでも注文受けてから料理を出す間隔は短く、というか最適なものにしよう、という職人魂がシェフにあるものですが。往々にしてフランスではウエイターが気分屋でオーダーを取りに来ない、とか見てみぬふりをする、とかが長くかかる元凶です。仕事の意味を勘違いしているというか。まあそれでもデザートまで含め、食後のコーヒーまでを出すのにトータル2時間位で最大だと思います)

まず、どんなに自信のおいしい料理があっても、お客さんに出さなければ絶対に評価もしてもらえない、ということ。
ウエイターのミスなのか何なのか原因は分かりませんが、全体を考えてオペレーションをまわさないととんでもないことになる例だと思いました。
一皿500円のファミレスだったらそれでもかまわないかもしれませんが、そういう店とは額が違う場だったので、なおさら折角の価値が伝わらず勿体無いと感じました。

また、プロフェッショナルとしてこういう店はどうなんだろう、とも思いました。
筆者も自戒をこめてではありますが、はっきり言ってこのレストランのような例はプロとして「これをやっちゃおしまい」なことをしているなと感じました。
レストランの付加価値も色々ありますが、ああした高級店に高いお金を払って来るお客さんに提供するのは、「会話を楽しみながら、自分では作れない美味しい料理を、快適な環境で楽しむ」といったことだと思います。
(これが吉野家だったら、早い、安いという全然違う価値を提供しているわけで)
あれだけ待たせて勝手に楽しめというのも現実的に無理な話で。
というか食事を待つのに2時間かかっても、例えばそれが自分の友人で、「自分で作ってご馳走するからちょっと時間かかるけど待っててね」というなら全くかまわないんですが。
高いお金を取ってお客さんから予約まで取って看板を出しているのに、「すいません遅くなりまして」というのはいかがなものか。
そういう甘さがそこで待ち続ける気を失わせたように思います。

ロスト・イン・トランスレーション

2006-02-07 | 雑記
掲題の映画(DVD)を見ました。
日本を舞台にして、たまたま別々に日本を訪れた男女が、異国の孤独の中で知り合ってちょっとした心の交流が生まれて…という内容の海外作品です。

留学していた時に、海外の友人の間では結構有名な映画だったので前から興味がありました。
というのも、
「本当に東京ってあんなにクールな場所なのか?」
「日本人なのに見てないの?」
みたいなポジティブな反応が多かったのです。

しかし一方で、海外で作られる日本を舞台にした映画というのもとんでもないものが多いのも事実。
というかあちら式に解釈した世界観で無理やり作ったものが多いので、
「海外監督作品で日本を舞台にした映画」
というと、正直言って見るのがためらわれる感じもありました。

そんなこんなでジレンマの中見てみたら、これが意外に感動しました。
どこに共感したかというと、やはり異国にいるときの何とも言えないワクワク感や孤独感が絶妙に表現されているな、という点です。

-言葉も町も良く分からない
-自分は一人ぼっちだ
-でも新しいことが始まっているドキドキした感じがする
-ホテルの部屋から見る町の明かりの中で、色んなエキサイティングなことが起こっている感じがする
-そんな中に飛び込んでいこう/眠るのも惜しい

そんな感じの、留学初日のことをいきいきと思い出しました。
映画の筋そのものは大したストーリーもなく叙情的なものですが、とにかくこのフレッシュな、ワクワクする感覚を思い出しただけでも収穫だった気がします。

日本ロケということで現実離れした「変な」日本の場面は特にありませんでしたし、マシュー南(というか藤井隆)が番組そのまましっかり出ていたあたりはポイント高いかなという感じです。
(まあ、舞台がシンガポールでも上海でも「異国」ならどこでも良かった感じはしなくも無いですが…)