MBAで教える「交渉術」

MBA留学先での「交渉」の授業内容を配信。といっても最近はもっぱら刺激を受けた本やMBAについて。

フランス大暴動再び

2006-10-29 | フランス暮らし
フランスでまた移民の暴動が発生しているようですね。
車が300台近く燃やされたり、デモが発生しているようです。

一年前にも書きましたが、フランス社会の抱える構造的な矛盾や不安定さが現れている気がします。
こうした動きは恒常化していく気がしますね。
日本でも2007年問題など、人口構成上の労働力不足がさらに顕在化してくる可能性が高いと思いますが、今以上に移民を受け入れたなら同じようなチャレンジが起こり得ると思います。
(既に試みられている擬似的なものとして、日本に帰ってきた日系二世・三世のコミュニティが挙げられるでしょうか)

こうした、「人口構成のリスク管理」というテーマは、今後政治でも企業経営でもちょっと重要なテーマになってくる気がしますね。

イチローの流儀

2006-10-09 | 雑記
掲題の本を読みました。(小西慶三著、新潮社)
メジャーリーガーのイチロー選手を長く取材してきた記者が、その素顔や野球に取り組む姿勢、物事の考え方をドキュメント形式でまとめたもの。

まあ、面白いところはあったのですが、個人的には「いまひとつ」感が残りました。
長谷川選手やサッカーの中田選手の同様なノンフィクションは好きなので、ちょっと期待はずれ感があります。

どのあたりに何となくイマイチな感じを持ったかと言うと、

-(描かれているイチローの)哲学が余り大したものに見えない/普通に見える
-全体を通じて強いメッセージが感じられない

というあたりでしょうか。
実際にそういう選手だからなのかも知れませんが、
基本に忠実/職人気質/自分が必要とするディテールに徹底的にこだわる
といった哲学も、「まあそうだろうな」という感じがしてしまうのです。
一流と言われる人ならそんなものだろうな、というか。

しかし野球のディテールで語ればいかにすごい選手かがわかるのかもしれませんし、だとすると野球をやらない人間から見たら結局イチローの凄さは分からずじまい、なのかもしれませんね。

また、まとめ方として結局何なのか、トーンが余り伝わってこず、本人のそばにいる他人が一緒にいる中で切れ切れのコメントや雑感を羅列した感じがちょっとします。
長谷川選手の本なら、
「普通と言われる人だってこんな風に考えてこんな風に準備すればこんなことを達成していける」、
中田選手なら
「本業は本業でこなしながら、こんな風に人生を考えて色んなことに可能性を見せることが出来る」
といった一種の感動や明確なイメージが伝わってきたものですが。

余計なコメントを交えず、あるがままの姿を伝えようとされたのだと思いますが、

-結局「あるがままに中立的に叙述する」ことなど可能なのだろうか?
-それが無理だったら嘘でもいいから、メッセージを明確にしてくれた方がいいのではないか?
(どうせその本だけを情報源にするわけではないし)

と考えてしまいました。
雑感ですが。

あんこう鍋

2006-10-08 | 雑記
あんこう鍋を食べました。
仕事がばたばたしていましたが連休は連休ということで、たまにはいいものを食べようと。
9月から出始める食材ですが、今の時期が一番おいしい、ということで初挑戦です。

ラー油状のオレンジ色の油が、アンキモから出る油です。
一見辛そうですが香辛料はまったく入っておらず、むしろ甘くて濃厚な出汁に卵の黄身のようなとろみとうまみが加わった感じでした。

鍋を煮始める時点では、アンキモ(ウニとモツをぐちゃぐちゃに混ぜたような感じ)が他の具の上に山盛りに乗ってるのですが、これが結構不気味。
全体に臭いが強いのとあわせて、外国人には厳しい食べ物かもしれませんね。
日本人でもあまりにたくさん食べるとちょっと「うっ」とくる感じがします。
でも江戸時代には、貴重なボリューム料理だったんでしょうね。
(昔からある和食でこれだけ濃厚で満腹感が出るものもあまりないかも)
しつこさの点では東南アジアを髣髴とさせるものがあります。

また最後に残り汁に米を入れて卵でとじたおじやは絶品。
このおじやはまた食べたくなる味でした。
やさしいけど濃厚な味が、米とマッチして絶妙なバランスが出るように思います。