MBAで教える「交渉術」

MBA留学先での「交渉」の授業内容を配信。といっても最近はもっぱら刺激を受けた本やMBAについて。

本の読み方

2007-03-17 | 雑記
本を読むときどのくらい時間をかけるか?
月に何冊本を読むか?

人によってまちまちだと思いますが、筆者のように読むのが遅い「ゆっくり」派からすると、速読・多読がうらやましく思えるときがあります。

さらに最近、「超速読・アウトプット型」読書というコンセプトを目にします。
要は、本を読む時は使う時間を決め、その間に頭に浮かんだことをどんどん紙に落とす手法。
そうすることで細切れの思いつき・コンセプトを集積できるし、発想力が豊かになるということのようです。

まあそうなのかな、とも思うのですが、どうも疑問も残ります。

確かに、無理にでも紙に落とそうとすることで思考の言語化が促されます。
また、瞬間瞬間で浮かんだアイデアや物事の因果関係、アナロジーなど、放っておいたら忘れてしまうことを記録しておくことは、後で有効なヒントになるかもしれません。
ある範囲では有効な手段だとも思います。
(筆者も週に一度は、特定の本に限らずざっと頭に残る問題関心や潜在的な研究テーマを、パソコン上で文字に無理やり落とします)

しかし、本当に深い洞察を重ねる時には、

-すぐに思いついた結論にジャンプしない
-自分が思いつかないことは何なのかを考える
-なぜ自分(他人)がそう思うのかを考える

といった視点こそ大切な気がします。
本を読みながら即時にそうしたことができるかと言われると…
自分には「発酵」させる時間が必要に思います。
(人それぞれだと思いますが)

もっとも、記憶をたどると、以前は一度本を読むと気になった頁の端を折っておき、後で定期的に折った頁だけを目で追うと、読んだとき自分が何を考えていたかイメージがぱっと浮かんで、そのイメージを元に「だから何なのか」「なぜ自分が層思ったのか」などと思考を重ねられた気がしますが、今では追った頁を見ても視覚的にはイメージが蘇ってきません。
(右脳も有効活用した読み方)
年を取ったからかもしれませんね…