ぶらぶら★アフリック

アフリカ・プロモーター、ンボテ★飯村がお送りする100%アフリカ仏族ぶらぶらトーク!

コートジボワール「乾季の陣」(2)〜選挙制度と政局

2016-12-01 07:30:15 | アフリカ情勢
コートジボワールの国民議会選挙が12月18日に迫り、政局が一層慌ただしくなってきた。

コートジボワール「乾季の陣」(1)〜二閣僚更迭で動く政局

選挙管理委員会は合計1,153人の候補者の届け出があったと発表(※うち女性は12パーセント)。

コートジボワールの選挙制度は、「中選挙区リスト選択方式」。全国33県に205の選挙区があり、うち169が議席1の小選挙区、36が議席2以上の中選挙区だ。中選挙区では各政党が議席数分の候補者を提示し、政党ごとに投票する。例えばアビジャンのアボボコミューンは6議席の選挙区。第1党が6議席を持っていく、いわば「総取り方式」だ。

(例えばンボテの住むアビジャン・ココディコミューンの候補者名簿。定数2議席の選挙区に、各党が2名の候補者リストを提示している。)


これは圧倒的に与党に有利な選挙制度だと言われている。2011年の国民議会選挙では、前バグボ大統領のFPIは選挙をボイコットした。

またこの議席数の配分をめぐり、与党連合の中でも不協和音を生んだ。前回選挙では、ワタラ大統領のRDRに選挙協力したPDCIからは不満の声が上がった。そして今回も、一部PDCI議員から大きな不満が噴出しているとも伝えられる。そしてリストから漏れた有力候補者が、無所属として選挙に出馬する例も見られるという。

前回述べたマブリ前外務大臣とニャミエン住居大臣の更迭劇も、直接の要因がこの候補者擁立とリストの党派割り当てにあった。マブリ前大臣が率いる「コートジボワール民主主義・平和同盟」(UDPCI: Union pour la démocratie et la paix en Côte d'Ivoire )は、1999年のクーデターで政権を奪取したロベール・ゲイ将軍が立党した。強い地盤を西部地域に有しているが、今回のRHDPからの離脱で、23名の候補が真っ向から議席を争うこととなった。

マブリ外務大臣とニャミエン住居大臣の更迭で露呈したRHDPのほころびは、与党連合の喉元の骨になりかねない。

そしてバグボ前大統領のFPIも派閥を二分した。主流派アフィ・ンゲッサン党首は210名の候補を擁立し、選挙戦に挑む。他方、強硬派のアブドゥラマン・サンガレ会派は今回の選挙もボイコットを決め込んだ。


コートジボワール「乾季の陣」、ハルマッタンの嵐はすぐそこまでやってきている。

(つづく)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。