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どうなる?アフリカ政策・フランス大統領選挙(2)〜中道左派の歩む道

2017-04-12 14:30:49 | アフリカ情勢
フランス大統領選挙の投票日が近づきつつある中(第一回目: 4月23日、決選投票: 5月7日)、新大統領はどんなアフリカ政策を取るのだろうか?!

ラジオフランス国際放送(RFI)の候補者インタビュー記事をもとに読み解くシリーズ。

(過去記事から)
第一回 保守の細道〜フランソワ・フィヨン

第二回は、左派系独立候補'En Marche !'(アン・マルシュ=前進!)のエマニュエル・マクロン候補。



若冠39歳、民間出身で、経済界から絶大な支持を受ける新星。「右派・左派問わず、良心を集結」と呼びかける独立系候補。とは言っても出自は左派、社会党。オランド政権では経済相を勤めた。規制緩和の「マクロン法」で思い当たる方も多いと思う。

社会党支持の失墜の中、左派票はかなり彼に集まるものとも目される。ある世論調査では得票の20%近く、第2位の地位にあるとされる。

アフリカ政策では、一見左派の色が見て取れる。2月、アルジェリア独立記念日にマクロン氏は現地に赴き、歴史認識について発言した。「フランスの植民地化は蛮行に他ならず、人道に対する罪にあたる」。かつてこのようなダイレクトな表現を用いたフランスの政治家は存在しなかった。

これに対し、右派のフランソワ・フィヨンは直ちに反駁。「人道に対する罪、たった今それを犯したのは、マクロン氏自身に他ならない。」このリアクションたるや、、、フランスの「横須賀」、軍港トゥーロンの集会では「『人道に対する罪』という言葉を濫用した『人道に対する罪』」と激しい糾弾に遭い、「前進!」の党首は、「後退!」を余儀なくされる。

彼はかように反植民地主義か、というとそうでもないらしい。マクロン氏はアフリカからの移民にフランスが国境を開くべきではないとの立場を堅持する。RFI のインタビューでマクロン氏はこのようなことを述べている。

「フランスとEUは・・・共同してアフリカの対テロ作戦を支援し、開発援助としてインフラを整備し、新たな違法移民が出ないように、またヨーロッパの違法移民は国に戻るように支援してきた。しかしアフリカ側が彼らの帰国を受け入れない。一方的ではないか。こんな話は、とても(フランス)国民にできる話ではない。」

マクロン氏は'Françafrique'の残影に対する危惧も口にする。ユーロ固定の共通通貨、フランCFAについては「加盟国が議論すべきこと。通貨の安定と信用には大きな意義があるだろうが、西アフリカ経済共同体(ECOWAS)に異質なものが並立しているリアリティもある。」

右派左派の結集というが、もともと「ムッシュ、どっちつかず」の異名も。「ヤギとキャベツを扱う人」(homme qui veut ménager la chèvre et le chou、日和見で動く)と、シニカルに評する人もいる。

昨年8月のガボン大統領選挙、オランド大統領は無言を保っていたが、「そのことの評価よりも、選挙が不確かで疑義が残るものであり、法廷で明らかにされるべき。」と述べている。

マクロン氏は、かつてパリの政治学院(ENA)で勉強した際には、6ヶ月のインターンをナイジェリアのフランス大使館で勤めた。アフリカ政策でも中道の路線が想像される。

(つづく)

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