ぶらぶら★アフリック

アフリカ・プロモーター、ンボテ★飯村がお送りする100%アフリカ仏族ぶらぶらトーク!

終わらないエボラのお話

2016-01-19 07:30:38 | アフリカ情勢
ブルキナファソのテロ事件で速報記事を続けてきたが、そちらの話題はちょっとひと休みして、その間お伝えできなかった話題を少々。

きょうはンボテブログでもたびたびトピックとしてきた、西アフリカのエボラ情勢について。

(ギニア・コナクリ市内に立つ啓発パネル)


昨年末の12月29日、最後まで終息を迎えることができずにいたギニアで終息宣言を迎えた。そして1月14日には、再々発症例から三たびカウントダウンに入っていたリベリアがその期間を無事終了。これにより、西アフリカで猛威を振るってきたエボラウィルスの流行が全て終息を迎えたこととなった。エボラはもう終わりだ!と、当事国のみならず、世界中の関係者が安堵と喜びに包まれた。

・・・はずであった。

しかし喜びも束の間。その数時間後、シエラレオネ政府の報道官は、北部ドンコリリ郡で死亡した女性の遺体を検査したところ、一次診断でエボラウィルスの陽性反応があったと発表した。

この一時診断結果を受け、シエラレオネ保健当局は、WHOや米国疾病予防管理センター(CDC)などの専門家とともに現場に急行。同定検査をしたところ、この女性がエボラに感染していたと確定診断された。終わらないエボラの現実が続くこととなったのだ。

この死亡した女性について、詳しいことは公表されていないが、女子学生で、死亡の日時は特定されていない。

このあと、接触者のサーベイランスが行われ、感染者がいないことが確定されて42日間の終息へのカウントダウン。その後、90日の経過観察期間が置かれるので、エボラとは6月頃までは、完全にはお別れ、というわけにはいかなくなった。


2013年12月にギニアに端を発して拡散したエボラ蔓延は、過去最悪の結果を生んだ。10ヶ国で28,637症例、11,315人が死亡した。そのほとんどか西アフリカの三カ国で発生した。この災禍がもたらした影響は、保健分野もにならず、教育、社会、経済にも及ぶ。完全なエボラフリーは、当事国の至上命題であり続けた。

そして今、疫学的にはほぼ封じ込めに成功したと言えるレベルまでコントロールはされている。再発事例に対する対処も迅速、的確だ。しかしなかなエボラフリーにすることができない。これまでの趨勢を見ていると、今後もこのような再発事例は散発を続け、モグラ叩きが続くのではないか、との危惧が頭をよぎる。

もしそれが現実なのであれば、局部的に症例が発生しても、二度と大規模に拡散させないという強い意思をもって、一つ一つのケースを潰していくことになるのだろう。

そして何より、国際社会や、われわれ外部の人間が、一つ一つのケースに一喜一憂することも、過剰反応することもなく、冷静に正しく事態を受け止め、モラルサポートを続けていくことこそ、重要なのだと思う。

終わらないエボラのお話、きょうはこれにて。

(おわり)

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