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暗雲立ち込めるマリ情勢(3)〜岐路に立つ平和維持活動

2016-06-18 07:30:54 | アフリカ情勢
シリーズ「暗雲立ち込めるマリ情勢」第三回。過去は問題の背景と現状について見てきた。

第一話 プール系新興過激派組織FLMが初のビデオメッセージ
第二話 実効統治とコミュニティ

マリ北部のみならず、南部でも国軍や治安当局に対する武装襲撃事件が繰り返されてきたことは先日も述べた。5月27日には、西アフリカ通貨同盟(UEMOA)メンバー国間での首脳、治安関係閣僚会議が当地アビジャンで開催された。

テロリズム: UEMOA加盟国間の協力とまして15の具体策を勧告(RFIウェブサイト)

この中で、生体認証による身分証、(出入国者に関する)情報の共有管理など、15の具体的措置を行うことが勧告された。


暗雲立ち込めるマリ情勢、その矢面に立っているのが国連マリ統合多次元ミッション(MINUSMA)である。

5月29日、モプチ州の州都からわずか30キロの地点で、MINUSMAのトーゴ派遣部隊が襲撃を受け、5名が亡くなった。いよいよ国連PKOに対する攻撃も、南部地域まで発生するに至った。

マリ中部で国連ミッションのトーゴ兵5名が殺害(RFIウェブサイト)


MINUSMAの兵員やスタッフには極めて高いリスクが発生している。ここ半月ほどの間に、チャド兵6人、トーゴ5人、中国1人の計12人が逝去した。沈黙の存在であるはずの国連ミッションは、自警を含め前面で戦わざるをえないのか。

MINUSMAのマンデート延長は、6月29日の安全保障理事会で審議される見通しだ。マリ政府及び関係各国からの要請を受け、潘基文国連事務総長は安保理にマンデートと人員、装備の強化を提起している。

潘基文国連事務総長、国連マリ統合多次元ミッションのマンデート強化を提起(RFIウェブサイト)

安全保障理事会に提出された40ページからなるレポートによれば、人員は現員の11,240名から13,289名に、2,049名の増強が求められ、この中にはコートジボワール側に配置される650名の緊急展開部隊も含まれる。

「テロとの戦いは非対称性の中で進んでいる。このことに配慮した兵員と装備が必要だ。」

装備面でも攻撃型ヘリ、輸送警護大隊の配置、また情報分析部門の強化も必須とされている。

この月の安保理議長国はフランス。再びサヘルにおける対テロ措置において、主導的な役割を演じることとなる。

(おわり)

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