ぶらぶら★アフリック

アフリカ・プロモーター、ンボテ★飯村がお送りする100%アフリカ仏族ぶらぶらトーク!

ポルトガル語圏アフリカの世界(1)〜もう一つのアフリカ共同体

2017-07-04 15:00:44 | フランス語
きょうはポルトガル語圏アフリカの世界について。


ンボテは仏族を名乗りながら、ポルトガル語圏にも大きな興味をよせて観察している。これまで、このブログでもカーボベルデについてとか、
哀愁のラテンアフリカ、カーボヴェルデ

ビサウの独立秘話など
シネマアフリカ2013(3)~キューバのアフリカ遠征

を話題にしてきた。しかし残念ながらポルトガル語圏全般をテーマとした記事はあまり綴ってこなかったと今さら気づく。


さて、以前にもクイズにしたことがあるが、アフリカ54カ国の中で、ポルトガル語圏の国はいくつあるか、思い浮かぶだろうか??

(解答時間)








正解は五つ。アンゴラ、カーボベルデ、ギニアビサウ、モザンビーク、そしてサントメ・プリンシペである。

彼らは語学の親和性をもとに、ポルトガル語圏アフリカ諸国(PALOPS: Países Africanos de Língua Oficial Portuguesa)という語学圏共同体を構成し、相互の結びつきを強めている。


ちなみに世界でポルトガル語を主な公用語とする国は、この他にも3つほどあり、一つはポルトガル(あたりまえ)、二つ目も言わずと知れたブラジル。最後にもう一つはインドネシアから独立を果たした東チモールである。ここに中国領のマカオを加えたのが、いわゆる「ポルトガル語圏」ということになる。

これらの8つのポルトガル語圏の国で、ポルトガル語圏諸国共同体(CPLP: Comunidade dos Países de Língua Portuguesa)というのを構成している。ここにはスペイン語圏の赤道ギニアが加盟申請をしているが、ポルトガル語を憲法上の公用語に指定していないことから、まだ正式加盟が承認されていない。またオブザーバーとして10カ国が名を連ねているが、ここには日本も含まれている。

CPLPは、フランス語圏でいえば、フランス語圏諸国機構(OIF: Organisation Internationale Francophonie)にあたる。OIFの加盟国が54、オブザーバーを含めると84カ国にのぼるのに対し、CPLPは、国家数で言えばとても小さな共同体、しかし2億8000万人を要する大きなコミュニティでもある。そしてポルトガル語圏の国の間で結びつき強く保っている。

アフリカの公用語とフランス語(1)~仏語大陸アフリカ


ポルトガル語圏諸国の中で最大の人口を持つのがブラジルで、これだけで約2億人を占める。続いてアンゴラとモザンビークがそれぞれ2,400万人、東チモールが1,100万人、旧宗主国のポルトガルは約1,000万人にすぎない。ポルトガル語圏の主流は、人口、面積のみならず、国力もブラジルにあり、ポルトガルの存在は小さい。

そんなことで、ポルトガル語の勉強を始めると、まず「ブラジルのポルトガル語、ポルトガルのポルトガル語、どちらをやるか」という選択を迫られる。フランス語が、フランスの権威によって、強烈に文法や語彙を統制してきたのに対し、ポルトガル語ではポルトガル、ブラジル双方がそれぞれ別の正書法を定め、それぞれの文法や発音の体系を発展させてきた。双方通じないことはないが、学習者にはかなり大きな違いがある。


日本では圧倒的にブラジルのポルトガル語が教えられている。たくさんの日系人の存在や帰化など、身近な存在だからだ。文法がより口語的で、発音などもカタカナに近く、日本人的には口にも耳にも入りやすい笑。

これに対してアフリカのポルトガル語は、よりポルトガルのポルトガル語をベースにしたもの。ポルトガルのポルトガル語は、なんだか口ごもったゴニャゴニャした感じで、発音も難しいし、もっと言えば聞き取りにくい。アフリカ人と話していても、彼らがいう。「ヤツらのポル語、たまにわからない」笑。

そこへ行くと、アフリカ人のポルトガル語はベタベタに訛っていて、ちょうどアフリカ弁訛りののフランス語と同じ。ンボテには大変耳感触がよい笑。


フランス語圏では、フランス国際ラジオ放送(RFI)などの仏語メディアが、共同体の結びつきにおいても大きな役割を果たしている。ポルトガル語圏では「ポルトガル・ラジオテレビ(RTP: Rádio e Televisão de Portugal)」というのがある。アフリカに向けては、特にラジオメディアの'RDP ÁFRICA'(Rádio Portugal África)を通じ、ポルトガル語圏アフリカのニュースが駆け巡る。

ンボテも毎朝、当地時間5時半、6時半のフランス語アフリカニュース'RFI Afrique Matin'に加え、朝7時の'RDP ÁFRICA'で「朝のアフリカニュース」(JORNAL ÁFRICA - Edição da Manhã)をフォローしている。ビサウやアンゴラなど、アフリカってこんなに話題少なかったっけ?!ってくらい、ポル語圏ネタ全開、萌える内容である。

RDP ÁFRICAラジオサイト



かくして、このポルトガル語圏アフリカが持つ独特の歴史と文化、そしてその世界観にはとても心惹かれ、アフリカ萌えを覚えている。次回また別の角度から、それを述べてみたい。

(つづく)

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