このブログではギニアの大統領選挙を廻る状況についてについてお話してきた。そのかたわら、今月25日にはコートジボワールで、大統領選の投票が予定されている。先日10月9日(金)、正式な選挙キャンペーン期間が開始された。今回選挙の立候補者は10名。キャンペーン開始とともに候補者は全国各地で声を上げた。
(独立選挙管理委員会による公示)
コートジボワールの選挙についてはすでにこのブログでも予告編(?)を掲載させていただいた(→「二つの選挙~コートジボワールと中央アフリカ(前編)
」、「祝・コートジボワール共和国独立記念日2015」)。今回の選挙、下馬評が正しければ現職アラサン・ワタラ大統領(通称’ADO’)の当選が織り込み済み、と言われている。そしてすでにご紹介のとおり、旧バグボ派FPIとの和解にいまだ課題を残しているばかりでなく、与党連合内、特に同盟関係にあるコナン・ベディエ元大統領のPDCIや北部勢力(FN)のギヨーム・ソロなど、「勝者」の間での配当の山分けも、次期選挙にそのまま冷凍保存されることになるのでは、と危惧されている。空けてびっくり玉手箱、「2020年問題」である。
そうはいっても、今回の選挙でもすでに与野党の激しい舌戦が繰り広げられている。
ワタラ大統領は、建国の父ウフェ・ボワニー元大統領の出身地で首都のヤムスクロウで第一声。法の秩序と正義の実現、経済政策の成果をアピール。25日の第一回目の投票「一発」での当選に自信を示した(※同国憲法によれば、過半数を超える得票者がいれば当選。いない場合は、上位二者による決選投票が行われることとなる)。
他方、野党は今回の選挙に対する公正性、透明性に疑問を投げかける。選挙キャンペーンを直後に控えた6日、野党候補で前バグボ政権下の外務大臣、アマラ・エッシー氏は、法的な立候補届はそのままに、事実上出馬辞退の意向を発表した。「このまま見せかけだけの選挙に加担するのは本意ではない。」
また野党連合「変革のための国民同盟」(CNC)は、7日、アビジャンの郊外ヨプゴンにおいて合同集会を開催。「信頼性の高い公正で透明な選挙を行う準備はできていない」と与党側を糾弾。「選挙人名簿の登録も、選挙認証の発行も終わっていないではないか。」投票日の延期やボイコットを匂わせている。
そして10日には元国民議会議長のママドゥ・クリバリ候補が、自身のツイッターを通じ立候補の辞退を表明した。非難の矛先は、独立選挙監視委員会だ。「我が国選挙は、本来成功裏に導かなければならない者たちによって故意に反故されている。・・・金持ち国に利する法治国家、そして貧しきイボワール人民に対する専制統治。こんなことが許されるのか?」
投票日を目指して、さらに論戦が過熱化するであろう。混乱や暴力につながらないことを祈りながら、注意深く見守っている。
(つづく)
(独立選挙管理委員会による公示)
コートジボワールの選挙についてはすでにこのブログでも予告編(?)を掲載させていただいた(→「二つの選挙~コートジボワールと中央アフリカ(前編)
」、「祝・コートジボワール共和国独立記念日2015」)。今回の選挙、下馬評が正しければ現職アラサン・ワタラ大統領(通称’ADO’)の当選が織り込み済み、と言われている。そしてすでにご紹介のとおり、旧バグボ派FPIとの和解にいまだ課題を残しているばかりでなく、与党連合内、特に同盟関係にあるコナン・ベディエ元大統領のPDCIや北部勢力(FN)のギヨーム・ソロなど、「勝者」の間での配当の山分けも、次期選挙にそのまま冷凍保存されることになるのでは、と危惧されている。空けてびっくり玉手箱、「2020年問題」である。
そうはいっても、今回の選挙でもすでに与野党の激しい舌戦が繰り広げられている。
ワタラ大統領は、建国の父ウフェ・ボワニー元大統領の出身地で首都のヤムスクロウで第一声。法の秩序と正義の実現、経済政策の成果をアピール。25日の第一回目の投票「一発」での当選に自信を示した(※同国憲法によれば、過半数を超える得票者がいれば当選。いない場合は、上位二者による決選投票が行われることとなる)。
他方、野党は今回の選挙に対する公正性、透明性に疑問を投げかける。選挙キャンペーンを直後に控えた6日、野党候補で前バグボ政権下の外務大臣、アマラ・エッシー氏は、法的な立候補届はそのままに、事実上出馬辞退の意向を発表した。「このまま見せかけだけの選挙に加担するのは本意ではない。」
また野党連合「変革のための国民同盟」(CNC)は、7日、アビジャンの郊外ヨプゴンにおいて合同集会を開催。「信頼性の高い公正で透明な選挙を行う準備はできていない」と与党側を糾弾。「選挙人名簿の登録も、選挙認証の発行も終わっていないではないか。」投票日の延期やボイコットを匂わせている。
そして10日には元国民議会議長のママドゥ・クリバリ候補が、自身のツイッターを通じ立候補の辞退を表明した。非難の矛先は、独立選挙監視委員会だ。「我が国選挙は、本来成功裏に導かなければならない者たちによって故意に反故されている。・・・金持ち国に利する法治国家、そして貧しきイボワール人民に対する専制統治。こんなことが許されるのか?」
投票日を目指して、さらに論戦が過熱化するであろう。混乱や暴力につながらないことを祈りながら、注意深く見守っている。
(つづく)