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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

本当の大きい家

2017-03-02 17:14:58 | ministock-狭小住宅・小さい家-
省エネルギー基準のうち、一次エネルギーの消費量計算(※)を行うと、最初に基本情報の入力画面になります。
(※ 建築研究所のホームページ経由で誰でも見ることのできる画面です。リンクページの「エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版)Ver. 2.1.2を使用する」をクリックして、同意ボタンを押すとみることができます)

日本中の新築住宅がこの計算を行わなければいけなくなります。
今のところ使用できるソフトもこれのみです。

基本情報とは、物件名や床面積、建設地域などを入力するのですが、デフォルト値が入っています。

主たる居室が29.81㎡(リビングとつながっている部屋の事)

その他の居室が51.34㎡(寝室や個室の事)

合計が120.08㎡


ついでに逆算すると、120.08-29.81-51.34=38.93㎡となりますが、これは廊下や水回りなどの居室以外となります。

日本のデフォルト住宅は36.25坪の家で、その内、LDKが18帖という事になります。
皆さんの印象はどうですか。

まぁ、そんなもんだろう、ですか。
もうちょっと大きい家がいいなぁ、ですか。
リビングはもっと大きい方がいいなぁですか。

で、なんでこんな面積を入力しないといけないかと言うと、家の中での行動範囲を想定しているんです。
主たる居室は長く過ごす確率が高いですね。つまり、空調時間が長いという事。
その他の居室は滞在時間が長くない確率が高いから、空調時間も短いだろうって。
廊下や水回りにおいては、一次的な利用だから、空調しない家もあるよね。

っていう空調時間の根拠にしてるんです。





というのがあって、






一番左の建物がネイティブディメンションズの提案するミニストックです。
1階9坪
2階も吹抜け入れて9坪
合計18坪です。

デフォルトの面積36.25坪の半分ですね。
しかも、吹抜け入れてやっと半分に近づいたっていう大きさ。
あきらかに通りの建物と比べても小さいのが分かります。

このミニストックの一次エネルギー消費量計算の基本情報画面です。

延べ床面積は当然のように小さいんですけど、主たる居室の面積がどうかと言うと、
デフォルトの29.81㎡に対して、40.58㎡となっています。

リビングと一繋ぎになっている部屋が24.50帖あるという事です。
特別な魔法を使っているわけではなくて、単に余計な間仕切りをせずにワンルーム化しているだけなんですが、いかがでしょう。

おっきい家作ったって、細かく間仕切られていれば結局は小さい部屋の寄せ集めでしかないし、
小さい家だとしても、ワンルームにすれば視線の抜けた広い空間を作ることができます。

しかも、前述の通り、

家の中の行動範囲っていったら、空調されている範囲になってしまいます。
小さくても、家中空調されていたら、全部が行動範囲になります。
おっきく使えます。



どっちが本当に大きい家でしょうか。










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