志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

今日、英語のテキストのエッセイGlobal Citizenshipを一人で丁寧にプリゼンした学生に驚いた!

2022-12-09 19:01:13 | 英語教育・語学一般
地球市民としての英語(English for Global Citizens)は2012年に出版されているが、10年経った現在でも中身(コンテンツ)は色あせていないことに驚く。

つまり中身はいくらでも膨らますことが可能で、思索でき、思考を深めることが可能だということに今回、驚いている。もちろん応用も可能だ。リモート授業が2年半続いて、久しぶりの対面授業をLL教室とPC教室を使用して行っているが、リモートのいい面が対面のプロジェクターやTeamsを使用した授業で、いい効果が出せていると、内心ほくそ笑んでいる。ただ学生たちの経験値の高さと、努力の成果がどう課題も含めた結果に結びついているかは、学生たちの熱意の度合いによって差異があるのは事実だ。
 世情は嘘と真実なり事実が交差し、何が本来の高等教育が目指すベクトルなのか、ナショナルの枠内で学問・研究もまた統治され、真理の探究がまたそのナショナル、国家の枠内で歪められもすることが、明白に照らされているのも事実だが、システムとしては国家という管理・コントロールに隷属する高等教育だということも事実だ。その境界を越えた知の、研究の深化はしかしあり続ける。

たゆまなく科学技術は進化(深化)し続けている。新しい知の開発は、新しい技術を科学を生み出している。かのチョムスキーは「人間は創造する生き者だ」と定義した。絶えず創造し続けるのである。

時間が止まらないように、人間の社会の進化も止まらないと定義できるだろうか。絶えず変化し、次の段階に進んでいく。へーゲルの弁証法は有用なのである。

今日、驚いたのは、かつて引きこもっていた少年だったという一人の学生が自らの知見を存分に発揮して、地球市民というグローバリスムの問題を提起したエッセイに向き合ったことだ。エッセイの中身をくだいて、ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』 、トマ・ピケティーの著書、事実に基づいた世界観を促進する ハンス・ロスリングの著書、そのほか、Fair Trade, Digital divide, Philanthrocapitalism (慈善資本主義)などにも言及したことだった。

学生の心根の優しさは、Exploitationの言葉に象徴されていた。格差社会、世界の実態を前に、つまり私たちの幸福な物質的な現況が実在するのは誰かの不幸の上に成り立っているのではないか、ということである。おそらくたくさん本を読み、思春期を過ごしてきたであろう彼は思索を深めてきたのである。

まだ学生の頃、存在そのもののネガティブな側面に心が曇っていたことがある。この存在がまた罪深いのだという、宗教的な原罪意識ともことなる、世界のありよう、社会のありようへの疑問と悲しみがあったことが思い出された。

格差で成り立つ経済・金融なりシステムは、絶えず差別や搾取で成り立つことを意味する。学生が運という言葉を発した。まじめな労働と仮想通貨なり株などによる長者、富裕層の存在について触れた時だった。時代の歯車の有利なシステムにのれるかのれないか、とも語った。「知識はパワー」であるという事も意味するが、エリート層が奸計を張り巡らして法的に地球の資源を独占することも可能で、公平な分配とはほど遠い資本主義の実態がある。ステイト資本主義の中国システムが世界のエリート層にとって理想の国家システムだという言説も飛び交っている。
 ともあれ、若い19歳、20歳の感性・知性のみずみずしさに驚いたひと時だった。雨がひねもす降っている日だが、なぜか心はさわやかだ。

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