
1年に一、二冊のペースで著書を出版しているましこ・ひでのりさんである。時代の先端の潮流を素早く捉えて見せる。鳥瞰的、虫瞰的視点、かつ名古屋から常に沖縄を包摂する意識の在り処があり、こちらからは興味深い。
1章 加速化の止まらない現代
2章 おおきく、おもたく、永続しょうとする存在から、ちいさく、かるく、流動消失しょうとする存在へ
3章 「待子サン」たちの時間:加速化のなかのジェンダー変容
4章 「おれさま」意識 (ジャイアニズム)と、「せかす」圧力
5章 スピード感への耽溺現象の人類学
6章 「ユックリズム」の含意とゆくえ
7章 つかいきれない速度:大量生産・高層輸送がもたらす飽和と大量廃棄
8章 人材のマクドナルド化:新兵補充と「リストラ」
9章 「自然」とマクドナルド化など加速化社会
おわりに 加速化をやめようとしない社会とその限界
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ネットは増幅装置だと実際に感じる、ツイターも同類の集まりになってしまうのも確かだと感じていて、最近はSNSの限界を感じている、疲れのようなものだね。表層web、 脅迫される職場、怯えの時代、昨今の社会学の書物の題名はすべて時代の現象を照らしているか?就職を見極めるネット情報の中で、ブラック企業を見つめる目がある。若者たちを見えない縄で縛っていく空気、じわりと重い空気・軽い空気が層をなしている雰囲気がそこここにある気配の中にいる。
ましこさんのように、1年1・2冊の著書を出すことの凄さ(有益さ)が逆に迫ってくる。論をまとめて次のステップに行きたいが、小説なり散文詩がぶーらぶら、ひたすら詩編を編む幽鬼漂う後姿も、ただ今の明日を思う。
ましこさん、「謝」!