公明党支持の大学教員が盛んにギリシャの年金は夫婦で50万円もあるんだって、その半分でもあればいいのよね、と、ギリシャ人が怠け者で働かないから借金(債権、負債)が増えたような話を盛んにしていて、ネットの記事を見ると、そうでもないらしいことが分かった。テレビをよく見る方だからテレビが嘘の情報を拡散しているのだろうか?よくわからないが、投票の前に気になったギリシャ人のブログをUPしたが、彼らはギリシャの民主主義に立ち戻るのだと書いていて注目した。IMFの問題を指摘していたようだ。EUの植民地ギリシャより独立・自立路線を歩みたい雰囲気だと感じた。予想に反して彼らはEU離脱を選択、緊縮予算の遂行に反旗を翻した。←これからどう推移していくのだろうか?自由市場制度の資本主義システムが徐々に崩壊しつつあるのだろうか?
グレグジット
グレグジット(英語: Grexit)とは、「ギリシャのユーロ圏離脱」を意味する造語。英語: "Greece" (グリース)と 英語: "exit"(エグジット)を併せてつくられた混成語で、シティグループのチーフアナリスト、ウィレム・バウター(Willem H. Buiter)とエブラヒム・ラハバリ(Ebrahim Rahbari)が2012年2月6日に発表したレポートで「ギリシャがユーロ圏を離脱し、旧通貨ドラクマを再び使用する可能性がある」ことを指して初めて使用されて以降、マスメディアなどでも使われるようになった[1][2]。
目次
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背景
2012年5月中旬、長引くギリシャの財政危機の中行われた2012年5月ギリシャ議会総選挙の結果、緊縮財政政策に反対してきた急進左派連合(SYRIZA)が第2党となり与党側が組閣に失敗したことから、ギリシャはユーロ圏をすぐにでも離脱するのではないかという憶測が流れた[3][4][5][6][7]。この「ギリシャのユーロ離脱」はグレグジット(Grexit)と呼ばれるようになり、国債市場にも影響を及ぼすようになった。エコノミストらは、この離脱観測が自己達成的予言の典型例になることに懸念を示した[8]。グレグジットが現実のものとなった場合、ギリシャ経済は非常に不安定な状態となることから、仮にグレグジットを行うとしても「政府の決断が下されてから数日中、というより数時間内」に実行する必要がある[7][9][10]。
ギリシャ政府は2015年の6月30日までに約16億ユーロのローンをIMFに返済しなければならない。IMFや欧州連合は、ギリシャ政府に190億ユーロの金融支援をする交換条件として緊縮財政プログラムをギリシャに受け入れるよう要求している[11]。ギリシャ政府側は、緊縮財政プログラムを免除するよう要求し続け、EUとギリシャとの交渉が継続している。IMFらが求める財政緊縮プログラムは、既に過去5年にわたって苦しんできているギリシャ国民にとって屈辱的なものであるとアレクシス・ツィプラスは述べた[11]。
責任の所在
もしギリシャのユーロ離脱が現実になれば、その責任の所在はドイツとドイツ首相アンゲラ・メルケルにある。ギリシャへの最大の貸し手は欧州最大の経済大国ドイツであり、ギリシャへの金融支援計画について決定的な発言力を有する[12]。ドイツがリーダーシップを発揮し、ギリシャ、スペインなど救済を求めるユーロ圏の参加国に対して、積極的な支援をすべきであった。だがドイツ側はそれらへの支援と引きかえに緊縮財政政策を強いることを要求してきた。ドイツが求める緊縮プログラムを実行した結果、それらの国々の経済はさらに悪化し、回復は困難となる。にもかかわらず、ドイツが良き警察官としての役割を果たしているかのようにメルケルは振る舞う[12]。
ユーロ自体の問題
ユーロとは、言語や文化的背景が異なる人々が同じ通貨を使うというプロジェクトである。ユーロは導入当初から問題があった。その共通通貨は経済と全く関係が無く、そもそも政治的なプロジェクトだった。ユーロが形成されて以後の経済成長率は明らかに鈍化した[13]。ドイツのような大国はユーロというシステムで得をしたが、貧しい国々はさらに悪くなった。また政治的にもウクライナ問題などにEUは何もできないことを示した。欧州連合は2010年のギリシャへの最初の金融支援において、より多くの負債を帳消しにするべきであった。オリヴィエ・ブランチャードも、EUとギリシャ間の交渉が非現実的だと考え、ギリシャの負債を帳消しにすることを交渉の議論の焦点にするよう求めている[13]。
欧州が最適通貨圏では無いことはしばしば指摘されてきた。域内の労働移動性にしても、例えば1990年代の居住地域の変更率(人口に対する比率)はドイツが1.1%、イタリアが0.5%であり、アメリカ合衆国の3.1%には遠く及ばない[14]。欧州域内とは違い、米国内では同じ言語が使われているわけであるから当然である。またユーロ圏の金融政策はECBによって決められ、ユーロ圏各国は独自の金融政策をとることができない。ユーロ圏加盟国間では固定相場制であるため、貿易のインバランスが生じても、為替レート変動による調整メカニズムは働かない。そしてユーロ圏の加盟国が不況に陥ったときに、自国通貨を切り下げて輸出ドライブをかけて経常収支を改善させることができなくなる。米国においても各州で同じ通貨、すなわちUSドルを使っているが、経済が相対的に弱い州には自動的に米国連邦政府が経済援助をする仕組みとなっている。これは米国の財政連邦主義と呼ばれる[14]。ユーロ圏ではこうした財政連邦主義がないので、ドイツのように経済的に強い地域がその他の加盟国を支援する仕組みがないのである。
ノーベル賞経済学者クリストファー・ピサリデスは、ユーロという共通通貨システムのために、ユーロ圏各国の失業率が高止まりし、各国が低成長に苦しみ失われた世代が作り出されていることを指摘した[15]。ピサリデスはユーロ圏を秩序立てて解体させるべきと唱えた。
神話
ギリシャ人の勤労意欲
ギリシャがIMFや欧州連合などに経済支援を要請するようになったのはギリシャ人が勤労を拒否したからだとする論調がある。これは事実と反する。2008年度におけるギリシャの労働者一人あたりの平均労働時間は一週間あたり40.1時間であり、これは米国の39.4時間を凌ぐ[16]。イタリアの34.6時間や、ニュージーランドの33.9時間よりもはるかに長い[16]。
また、2012年における労働者一人当たりの年間労働時間をみれば、OECD参加国ではメキシコがトップで2226時間、第2位が韓国の2163時間。ギリシャはOECD加盟国の中では第3位の労働時間数2029時間をほこり、これはOECDの平均値1769時間よりはるかに長い[17]。日本はOECD平均より若干下の1745時間、ドイツの年間労働時間は1393時間となっている。(下の表が表示されていない?!)
- 労働者一人当たり年間労働時間(2012年)[17]
- 労働者一人当たり年間労働時間、ギリシャ(2012年)
ギリシャの公務員数
ギリシャの公務員数が多すぎるためにギリシャのデフォルトの公算を高めたとする主張がある。これも事実に反する。公務員を含む公的セクターで働く労働者の労働人口に占める割合をみれば、2008年の時点ではOECD参加国の中ではノルウェーがトップで29.3%、次にデンマーク等のように北欧諸国がトップ4を独占していることがわかる[18]。主要先進国ではフランスが最大で加盟国中5番目の21.9%、OECD平均は15%となっている。ギリシャは7.9%であり、日本の6.7%よりはやや高いがOECDの平均値には全く及ばない[18]。
- 公的セクター労働者数の労働人口に占める割合(%) 2008年度[18]
- 公的セクター労働者数の労働人口に占める割合(%)、ギリシャ 2008年度
実施した場合の見通し
既に、ギリシャがユーロ圏を離脱し通貨が旧ドラクマに戻ることを懸念して、ギリシャ国内の銀行からユーロを引き出し始めている人も少なくない[19]。2012年3月までにかけての9ヶ月間でギリシャ国内の銀行の預金残高は13%下がり1,600億ユーロにまで減少した[10]。「6月17日の選挙で、緊縮財政に反対する勢力が勝利した場合、それがより大規模な「取り付け騒ぎ」発生の引き金となる可能性がある」と、テッサロニキ大学経済学教授のディミトリス・マルダス(Dimitris Mardas)は述べている。マルダス教授は、ギリシャ当局はパニックが治まるまでの間資金移動を規制することで対応するだろうと予測している[19]。
万一ユーロに代って新たな通貨が導入された場合、ギリシャのすべての銀行は数日間業務を停止し、ユーロに押印して「新ドラクマ」とするか、あるいは新たな紙幣を印刷しなければならなくなる。かつてドラクマを印刷していたイギリスのセキュリティ印刷企業デ・ラ・ルー社は5月18日、旧金型を使って新ドラクマ紙幣を印刷する準備を進めていると発表した[10]。なお発注後、新紙幣を納品するまでにおよそ6カ月かかると言う[20]。
ギリシャ国内経済の悪化
5月29日、ギリシャ国立銀行は、「ユーロ離脱は、ギリシャ国民の生活水準を大きく下げる」と警告した。この声明によると、ユーロ圏を離脱した場合、ギリシャの一人当たり国民所得は55%減少し、新通貨の価値はユーロの65%まで低下、すでに5年目となったギリシャの不況はさらに22%深刻化する。また失業率は現在の22%から34%に悪化し、現在2%のインフレ率は30%に跳ね上がる[21]。
ギリシャのシンクタンク、経済産業調査財団(IOBE)によると、新ドラクマはユーロの半分またはそれ以下の価値にしかならない[19]。これはインフレーションを誘発し、ギリシャの一般的国民の購買力を低下させるもので、同時に国の生産力も落ち、この5年で増加した失業率はさらに増加し、輸入製品の価格は天井知らずとなって多くの人の手の届かないものとなってしまう[19] アナリストのバゲリス・アガピトス(Vangelis Agapitos)は、新ドラクマのインフレ率は通貨価値の下落に連動して導入後すぐに40%から50%となると試算した[19]。アガピトスはさらに、ドラクマの価値の下落を止める為、金利は30%から40%に上昇するとの分析し[19]、人々は住宅ローンなどローンの支払いが不可能となることからギリシャ国内の銀行の破たんを避けるために銀行は国有化されるだろうと予測している[19]。
経済産業調査財団(IOBE)のリサーチ部門長アゲロス・ツァカニカス(Aggelos Tsakanikas)は、支払が滞るなどして犯罪が増加すると予見し、「街中で戦車や暴力を目にしたり、道端で飢える人がいるようになるということではないが、犯罪は確実に増える」と述べている[19]。