
(琉球新報4月15日)
(琉球新報4月22日)
(琉球新報4月29日)
座談会の中身に関して異議はありません。話は要約されているので、それはそれとしていい提言だと思います。恵まれた神谷さんや嘉数さん、宮城さんそして中村さんの立ち位置かと思います。各市町村に芸達者な公務員を配置するのは地域の技芸を継承し、守っていく施政として、好ましいのかと思います。一方で恵まれた公務員による政治的指向性(施策)がドグマ化されない地域独特の仕組みとどう関連づけるか、問われているのかもしれません。アートマネージメントのように地域を活性化させるコアのリーダーになっていく可能性も大です~。新型コロナで中小企業や自営業が倒産していく現況、イベント業界、とりわけ沖縄芸能界へ大きな打撃を与えています。不況や災害の時に強い公務員の仕事が浮き彫りになるのですが、本来、公の福利と安寧、地域の発展へ貢献するのが任務かと思います。
安定した収入の入る市町村の公務員として技芸達者の若者たちを採用するのは、文化・健康・観光の推進にとっても一石二鳥かと思います。きっと芸の継承も地域の活性化も憂いがなくなるかと思えます。
3週間にわたる座談会の特集です。頼もしいもはや中堅どころの演技者の発言はいいですね。しかしどんな研究発表も、座談会も男性だけ、女性だけでは片手落ちですね。芸能は一つのジェンダーで成り立たないのでは~?組踊の研修生が男に限るという規定を作っているけれど~。若衆や女の演技は十分女性芸能者が継承できます。その点、規範の儒教的倫理性にのっとった芸の鍛錬に対して、女性芸能者が組踊の技芸を継承し、公演を続けることは大切になります。男女混成、男性だけ、また女性だけの組踊があってもいいことになります。両性具有性が沖縄芸能の特性にもなっています。
現代の組踊を中心とした中堅できらきら輝いている中堅の実力者を選んだ藤村謙吾記者です。氏の頭の中には女性は全く念頭になかったのでしょうか?地謡には女性が参入しています。スタッフとしての女性たちもいます。戦後から復帰にいたる27年間、そしてそれ以降も舞踊界の女性(家元さん)たちが若衆や女性の役を演じていました。中城若松の役を演じた舞踊家の女性達、凜々しかったですね。北京オペラのように男女混成が琉球芸能の個性にもなりえるかもしれませんね。第一、近世には、遊里の芸妓を相手に芸を鍛えた可能性があります。プロではない公務員芸にしても~。近代においても古典の大家の皆さんは辻に愛妾を囲っていたのです。そこで歌・三線の技量を磨いていったのも事実です。
マッチョな儒教倫理と首里王府時代への復古調があり、組踊がオリジナル(原型)より、格式化がなされ、洗練されてきた近現代の歴史をもっと紐解きたいものです。プロの芸能者が存在しなかった近世琉球です。いわば神谷さんや嘉数さんのような公務員だった方々がたまさかに取り組んだ芸で、公演回数はとてもとても少なかったのです。現代と比べられません。戦後、より一層様式化、格式化、権威化されていく芸能史です。制度的な保証による継承の芳醇さ~。アイロニーとつぶやく磯ヒヨドリがいます。
沖縄芸能において、男性芸能者の頂点には人間国宝、芸術院会員の目標が存在します。女性芸能者の目標が見えないですね。女性の人間国宝はまだ誕生していません。女性たちの技芸は劣っていません。