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志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

科研研究報告書『近世遊郭の成立とその文化史-文学・美術・流通から見た社会的・文化的位置づけ」』

2013-01-08 18:45:40 | グローカルな文化現象

法政大学教授田中優子さんがまとめられた報告書(論稿)だが、とても示唆的でした。前から気になっていた論稿だが今頃読みました。遊女と芸能の深い結びつきが浮かび上がってきました。岩下尚史の『芸者論』も発行されていて、読ませていただいたが、田中優子さんの論文の方に惹かれたのは、女の感性が実はそこから滲んでいるのだということかもしれません。誰が太夫になったのか、女歌舞伎の芸達者な女性であり没落した士族層の娘たち、教養に優れ芸に優れた女性たちが、大輪の花を咲かせていたのでした。田中優子さんは遊女とお国歌舞伎の原型の重なりを強調しているのですが、やがて遊女と芸者に二分されていく政治システムがあったにしろ、生き延びたのは芸者だったという事実は、遊女たちのもっていた芸の美(力)そのものだったのですね。明治以降の芸者たちの晴れ姿は彼女たちが武家の娘たちであったという事実にも驚いたのですが、女性たちが時代の移り変わりの中で主体として躍り出る場があるのですね。吉原遊郭が人工的な劇場であったという指摘もそのとおりでしょう。虚構空間でもあったわけですから。様々なハレの仕掛けがそこにはなされていたのでした。

遊郭とは文化サロンであり劇場であり、性の豊穣さが、ーーー。性愛の様式化をともなっていた「俗化の装置」ハレの日常化でもあったのでした。

(劇団ときわ座の10週年記念パンフからの写真です!)


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