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志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

追記中 ⇒ 久しぶりの史劇「東り立雲」は「首里城明け渡し」の続編作で、東江裕吉が亀川親方を演じきった!

2025-03-24 02:50:00 | 琉球・沖縄芸能:組踊・沖縄芝居、他
「首里城明け渡し」で明治政府による併合に反対した支那党亀川親方と、大和に恭順することが時勢の流れと、琉球の行く末を見据えた宜湾親方の議論は聞き応えがある。
 結局首里城は明け渡され、尚泰王は松田道之らと共に船で東京に旅立つ。

 どうもこの「東り立雲」は、その続編であり、「首里城明渡し」の中で亀川親方の家族の軋みが描かれるが、その後の消息がプツリと切れる亀川親方の行く末に焦点を当てた筋書きになっている。しかも対する宜湾親方の葛藤や悲運も描かれる。

 政情や時勢の推移、対立が、亀川親方の嫡子山戸と宜湾親方の娘真鍋の婚約破棄をもたらし、その犠牲になって真鍋は若い命を散らしてしまう。

 期待した支那の黄色軍艦は琉球の危難を救う余力はなかった。国の衰亡間際の緊張感と激しい変化は髪型や衣装が如実に表す。興味深いのは、旧態の女性たちの扮装に対する若い男性たち、亀川の息子たちの大和の新しい文明改革に開眼していく様は、頑固な父親に対比していく。

 時代の大きな波に逆らえないされど、琉球は琉球のものだと固執する亀川は、次第に追い詰められ病んでいく。赤い着物を着た子供たちと遊び戯れる。諦観、絶望、幻想の中に落ち込む。苦悶の中の狂気!

そして時勢の流れと明治政府に併合される琉球を受容する伊江王子、今帰仁王子、与那原親方、津波古親方は、苦虫を噛み締めながら亀川を見つめる。しかし、眼差しはどこか優しく描かれている。

 尚泰も、亀川に配慮している事はうかがえる。「首里城明渡し」の主人公が、琉球そのもので、時勢の波間に揺れる小国がテーマだと、以前論文に書いたが、今回作品は琉球国の対立構図が良く見えた。島さんの脚本について、続けたい。

 以前監修の吉田妙子さんからいただいた「東り立雲」のウチナーグチ台本を読み直しながら舞台を振り返りたい。多少舞台化の中で手を入れたり削いだ部分もあるようだが、台詞の面白さがないと史劇は味気ない物になるのは、この間の代表的な史劇でも同じ事が言える。さて31年ぶりの大作史劇はどうだっただろうか。

 ステージガイドでは円覚寺の和尚役を演じている具志幸大裕が解説を書いている。分かりやすい解説だ。物語の流れとイメージや演技などについて、言及したい。和尚役の具志さんは、脇役ながら重要な役柄、しかし、他の役者もそうだが、軽く感じられた。
 役者の存在感は、それらしい衣装を身につければ醸し出されるわけではない。この史劇の出演者は、皆さん青いと言えば、青くて、その色の濃淡は、どれだけ真摯に役柄を演じているかだけではない芸の厚みといおうか、熱量なのか、差異がある。
 学芸会の延長ではない。史劇だが場面ごと暗転で展開するので、映画のシーンのようなカットの編集にも見えた。脚本の構成が映画のシナリオのようになっている。それでいて物語は一つの方向に向かっていくような〜。(思いつきで書いているので、あとでまた修正も〜)

 所で、脚本を提供し、監修役の吉田妙子さんが、足の手術のため入院中で、聞得大君の大役は敏風会会主・琉球歌劇保持者の安次嶺利美が代役で出演していたがやはり風格というか、存哀感がなかった。衣装は豪華だったけれど~。大君の品格のようなものが、感じられなかった。一回り若い伊良波さゆきさんの高圧的できついイメージの方が、似合っていたのではないか~。もし立てなかった場合の代役は誰がいいかと吉田さんと話した時、彼女もさゆきさんの名前を出していた。与座喜美子さんでも良かった。初演では大宜見静子さんが演じているが、穏やかな表情と声音の中に、風格を出せる大御所女優である。

一方、安次嶺正美の鍋島県令妻役は、ねっとりとしたいい演技だった。

続けます。台本は読んでいるので、また若い実演家の皆さんは、以前の動画を参照していますね。
 これは、「首里城明け渡し」の続編として面白かったです。どこが〜?続く!
 


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