FACE IT!の翌日9/20はDIR EN GREYのTOUR19 This Way to Self-Destruction で神戸まで行ってきました。
このツアーは近年の彼らでは珍しく2か月以上の長丁場TOURで、9月公演はライブハウスで、10~11月はホールやZeppクラスの大きなスタンディング会場で行われるという2段重ねになっているTOUR。
何となくライブハウスは映像を使わずにバンド自体と楽曲そのもので押し切るようなライブになるんじゃないかと思っていたので、そういった規模ならではのリアルなライブ感を体感したいというのがありました。
で、唯一行けるのがこの神戸公演でした。
実は2daysあったこの公演。両方ともチケットを確保していたんですが、仕事のシフトや連休と被る事もあったので、その調整の兼ね合いでこの9/20のみの参戦となりました。
仕事を午前中で切り上げて午後から新幹線に飛び乗って神戸へ。
到着したのが夕方の17時頃で、そこから会場のハーバースタジオまでは地下鉄で移動。
自分は何時も何か特別なイベント毎や遠征する時は雨の時が多いんですが、この日も小雨でしたがまあまあ降っていて。神戸に到着したけど慌ただしくホテルにチェックインしてからすぐに会場へ向かいました。
最寄り駅から降りて走って行ったのですが、神戸は面白い街ですね。
丁度新神戸駅から山の斜面を下に下っていくような形になっていて、タワーマンションだったり庁舎が高い高い。
そんな巨大な人工物の中を駆け抜けるのは、まるでどこかの迷宮を探検しているような感覚で。
福岡では味わえない新鮮さを楽しんでいました。観光したといえばこの位です。
ハーバースタジオを含めたハーバーランド一体は多目的施設が沢山出ている複合施設なのですが、雨だったし時間も時間だったので、全く堪能する余裕なく、到着して5分しないうちに開場しました。
この日は2桁台で入場。
面白い造りの会場でした。
ステージが天井が高い造りになっていて、バックドロップには春の広島クラブクアトロで使われていた『The Insulated World』のアナザージャケットがあり、ステージ側からみて右手(つまり下手)が極端に開けていて、そこに大量の機材が置かれているのが分かる位の空間がありました。
で、客席はそのステージの一段下にフロアがあって、それを取り囲むように2段、3段と段差が設けられ、後方の人でもステージを見れる、あるいは見下ろすような感じ。
Be-1やLOGOSも段差はあるんですが、ステージから見てフロアが、見事な5角形の造りになっていたのが最大の違いでした。
当然最前近くにいたので押しも凄くて、必死に耐えている間に予定時刻を5分ほど過ぎて暗転。
SE
1.Downfall
2.Devote My Life
3.Merciless Cult
4.赫
5.Celebrate Empty Howls
6.軽蔑と始まり
7.絶縁体
8.谿壑の欲
9.人間を被る
10.Rubbish Heap
11.Values of Madness
12.Ranunculus
13.The World of Mercy
ENCOLE
14.HYDRA-666-
15.鬼眼-kigan-
16.Followers
17.NEW AGE CULTURE
18.詩踏み
Shiyaが黒インナー×黒ボトムに白いカーディガンみたいなヒラヒラしたもの、Dieは黒ノースリインナーに黒ノースリカーデに黒ボトム、Toshiyaも黒かったような、、、薫は白シャツに蝶ネクタイで黒字のワンピースのような衣装。近年変遷が激しかった髪型は春と同じで黒髪で金メッシュ、、多分太ってた気が、、京はノースリーブの黒地に白の水玉シャツに黒デニム、黒髪のオールバックと、既に臨戦態勢という印象。
そんな彼の姿が、この小箱ツアーの空気をダイレクトに表現しているようにも見えました。
序盤から「Downfall」で瞬く間に会場は熱狂状態となりいきなり雪崩が発生する事態に。
何とか観客だけで持ち直すも、「Devote My Life」「Merciless Cult」など勢いは止まらない。
ブレイク挟んでの「赫」。歌モノ系でありながらも、既にサビで観客が合唱するような激しさと一体感を伴っていました。ここから「Celebrate Empty Howls」と複雑怪奇な展開を経ての「軽蔑と始まり」へ。次から次へと、激しい曲の連発。京も何度も何度も煽っては汗だくで頭を振りまくる。そしてステージと客席の距離がほぼ無いので本当に超至近距離なのもスリリングで溜まりません。
アルバムの世界観に忠実に慎重に表現していた印象の春ツアーに比べると、そのツアーを経て、より生々しく、楽曲の持つ激しさや勢いで畳みかけるような、近年の彼らのライブでは見れなかったダイレクトな展開が逆に刺激的でした。
中盤で演奏された「絶縁体」。初めての鑑賞になりましたが、7分の大作でありながら序盤飛ばしまくった反動もあるのか、じっくりと、そしてしっくりとその世界に浸れました。ここから「谿壑の欲」「人間を被る」と徐々に激しさを取り戻すような展開なのですが、個人的にはこのブロックがこのライブというか、このツアーの世界観を一番表現しているように感じました。
そして、「Rubbish Heap」「Values of Madeness」と激しい楽曲のラストスパート。「Rubbish~」では京は煙草を片手にお立ち台の前に出ては煽りまくります。なんでこんな速い曲でタバコをふかすのか疑問ですが、時に口に咥えたまま咆哮しまくります。Values of Madness」では上手下手で何度も入れ替わり煽りまくり。ここまで感情むき出しなライブパフォーマンスも久方ぶりな気がする。
そして終盤にかけてはストーリー性のある展開になっていました。アルバム最期を飾る「Ranunculus」。これまでよりさらに感情表現が激しくなっていて、益々聞く度にこの曲が今の彼らにとってより大切な曲になっているような気がしました。そして、最新シングルの「The World of Mercy」へ。
10分20秒の大作ですが、実質この曲のためにこれまでの楽曲がピースとしてあったのではないかという気さえする、そんな堂々たる世界感、存在感でした。決して複雑な展開があるわけでもないし、神がかり的な言葉が使われている訳でもないけれど、京が『The Insulated World』の最後のピースと語るように、この曲が「Ranunculus」と続けて演奏する事で、本当の意味で『The Insulated World』が完成したんだと改めて実感しました。
アンコール。Shinyaと薫がツアーTに着替えたのみで、京は最新アー写に使われていた目が沢山付けられた人面を被って登場し、久々の「HYDRA-666-」から、演奏後は仮面を脱ぎ捨て「鬼眼」へ。こと「鬼眼」に関しては演奏を聞く度に激しさを増しているように思う。爆発力のような半端ない。
そして中盤での「Followers」ですが、もうバラードというより曲を介して、京は絆を確かめ合っているように見えました。「お前ら生きてんのか!?」と彼は何時でもステージで叫んでいるけど、本当のFollowersはすべてではない事も知っていて、その現実を少しでも変えたくて叫んでいるように見えました。
「NEW AGE CULTURE」という、10年ぶり位に生で聞いたレア曲も飛び出し、最後は「詩踏み」という、熱狂と激情の約2時間は幕を下ろしました。
Dieや薫は長く最後まで残っていましたが、京やToshiyaはさっさと帰っていました。。何かあったのか。。
ライブハウスという事で、予想していた通り映像演出せずメンバーとファンと楽曲のみで作り上げていくライブでした。世界観をじっくり魅せていくのが本来のしたい事だと思うけど、生々しい感情剥き出しな空気は、『Withering to death.』の頃のライブの空気を思い出しました。
アンコールも久しぶりに聞いた曲が多くて嬉しかった。
自滅の道と掲げられたツアータイトル。
隔絶された世界を自分達の手でぶち壊して新たな世界へもがいているようにも感じました。
その続きを、また来月見たいと思います。福岡で。ありがとう。
ちなみに僕は翌日の朝8時台の新幹線に飛び乗ったんですが、既に新幹線が満席という凄まじい状況に圧倒されつつ、11時ごろに自宅に到着し、12時から友人の結婚式に出席し、旧友たちと何年かぶりに再会して23時頃まで飲んで帰るというすさまじい一日でした。
そういう意味でもこの9月のハイライトだった....