「The continuation of that scary dream」
大阪城ホールの終幕後にこの文字が浮かびあがり、その後活動を休止。そして、「DUM SPIRO SPERO」の発売から1年が経過した日に同様の言葉と共に発表された活動再開。ニューシングルと。3日連続ライブの最終日はDIR EN GREYのライブに参加してきました。「怖い夢の続き」を見るために。
ツアーが発表されてからもずーっと雑誌媒体の記事に目を通さず、増田ライターの原稿にも目を通さず、アー写が変わった事は知っていてもサイトにも行かず、雑誌でインタビューの原稿を読んでもできるだけのメンバーの写真は...特に京のアー写は一切見てませんでした。「MINERVA-輪郭-」で不可抗力で見てしまった事以外は...。
あのテレビのモニターで表現しているのは、顔を出したくないんだろうとは思ってましたが、音楽と人のライターの記事でファンクラブ限定ライブで実際に姿を現すまでは媒体に晒したくないのではないかってレビューがあったんで、そうなのかなとは感じてて。あと、結果的にモニターの映像がニューシングルのジャケットだった事も、なんか意味があるとは思う。普通そこまで徹底してるアーティストっていないと思うんですよね。だから僕も徹底する事にしました。日程的に僕にとって唯一福岡でしか「怖い夢の続き」は見れない、だから、福岡で直にバンドを見るまでは、一切ライブの内容も勘ぐらずアー写も見ない事にしたんです。
あくまで地方公演の1本でしか無くても、僕にとってはこの福岡が唯一のなので...。
MINERVAを読んで思ったのは、メンバーは意外と淡々としていて、ライブとかしてなくても、休養の間も個人個人が必要な事をやっていたって事。...京本人も前を向いていた、それどころか全然動じてない所に、「MACABRE」の時とは違うなって感じました。あの時は帰って来たって感じだったけど、今回は進んでたって感覚です。むしろ、そういったバンドの一挙手一投足に必要以上に何かしらの意味合いを強く感じているのは、関係者や聴き手側の方で、勝手に形作られていく何かしらのドラマが、本人たちにとっては良くも悪くもなってしまう。でも過去とは明らかに違う反応を得ている事には、自分達の注目度合いみたいなものを感じずにはいられなかったんかなと。
僕自身もなんか勝手にドラマティックに捉えてましたもん。意外とそんなこともなかったな、このバンドの、あのヴォーカルの場合は特に。
過去の発言からもねって。でもその発言内容が変わらない所に、核みたいなもののブレなさを感じます。
余計な心配したっていうか、あの人はずっとずっと強い。
会場でTシャツBとマフラータオルBとリストグローブを購入。全部ピンクが入っているんで、ジャージもアディダスのピンク色のブランドネームが入ったジャージにしました。去年、今年と買いたいものが買えているので、満足してますが、今後はどうしようかなとか思ってます。唯一以外だったのは蒔絵ステッカー。これは良いですよ!お洒落。
そんな感じで友達と観戦。
SE:狂骨の鳴り
・赤をバックに障子みたいな映像が出てきて、それが血?みたいな奴で塗り潰されていくという感じ...。メンバーの登場に気を取られてる内にステージ中央に白い円筒状の幕が降りてきて、いつの間にかそこには京の姿が。彼が出てきた瞬間の歓声が凄かった。
京,Toshiyaはニューアー写。ただし京のインナーは丈の短い普通の白シャツ。
薫は解禁最初の衣装。アンコは黒シャツ。金メッシュ健在。
Dieは黒カーデ風なジャケに白インナー、黒デニム。で、やっぱり来たよ赤メッシュ アンコはグッズTB
Shinya 去年と同。アンコはグッズTAのタンク
1.DIABOLOS
正直このツアーの一曲目はこれしかないんじゃないかと思ってました。岡山で2日連続のライブの後か分からないけど、高い声が出ていなかったり、無理やりな感のシャウトとか、本調子ではない感じもあったけど、とにかく紡ぎだしていくという感じ。
2.LOTUS(Symphonic ver.)
もの凄く新鮮に感じたんですよね。ああ、こう来たかと。映像は去年と同じ水の中を舞う女性の映像だったけど、前曲の流れとか、ピアノとか、演出もあって、去年よりもずっと神秘的で抒情的な瞬間でした。
3.獣慾
4.AMON(Symphinic Ver.)
曲間のセクションをこれまでより長めに設けている印象があります。もちろん喉の事も踏まえてでしょう。でも、こういうシンフォニックのような曲を持ってくる事で、1曲1曲をじっくりと堪能する事ができます。「LOTUS」と同じで、聞きなれた曲でも、アレンジ、演出、照明の変化、もっと言えばメンバーの衣装とか。薫の図形みたいな模様の衣装や、Toshiyaの仮面にロンドのような衣装(このあたりのこだわりはMINERVA参照)なんかも演出って意味じゃ花を添えてる感はする。それが噛み合わさってまったく別の意味合いを伴ってくるように感じます。映像は同じやったけど、やっぱりもの凄く新鮮に感じたんですよね。
あと、次への方向性みたいなものが既にこの何曲かに散りばめられているように感じました。
5.暁
映像は同じでしたが、曲順の関係もあると思うけど、これもまた新鮮。
6.滴る朦朧
左右に蠢く眼球が妙幕全体に映し出されるというホラーな映像でした。
7.蜜と唾
赤い照明が禍々しい。歌詞が飛び出してくる映像でしたが、歌詞の飛び出し方が横並びで無く縦並びになってました。この曲はライブをやる度に化けていってる気がします。
8.THE BLOSSOMING BEELZEBUB
妙幕が外されるとステージ後方に行く京。するとステージ上には京の顔が映し出されて、ステージのバックには左右に得体のしれない仏像のようなものが2つ表れていました。もともとホラーな感じの歌詞ではあるけど、まるで映像がモキュメンタリーみたいな作りになっているので、社会性...というか直に恐怖を感じさせられました。
9.凌辱の雨
お立ち台に正座したような体勢でベンベンとお立ち台を叩いていました。そこから奇怪な動きを繰り返す京。
10.「浴巣にDREAMBOX」あるいは成熟の理念と冷たい雨
「ウルトラセブン」のオープニングのバックに流れるあの緑と青の油みたいな映像が流れてました。京さんジャケット脱ぎます。
11.HYDRA-666-
まさかまさかの選曲。シャツのボタンを解禁し、まさにAGITATOR。
12.冷血なりせば
本編なのに飛ばしまくるDIR EN GREY。京さんは上半身裸になりました。ちなみにこのあたりで僕はAブロックのセンターからTosihyaのあたりまで吹っ飛ばされました。センターには本当に京さん大好きな人が多いけど、僕はメンバー全体が見渡せる方が良いので。
13.OBSCURE
曲順がなんか慣れない。
14.羅刹国
一気に畳みかけるかのように終盤は飛ばしまくって本編は終了。薫さんヘドバン出た。
アンコールは割とみんな言ってた気がする。
アンコール
1.VANITAS
白い花が段々枯れていくという映像から始まりました。声が苦しそうだったけど、それでも最後まで歌い上げていました。ただモニターが薫の方は出てるのにDieの方があまり聞こえなくて、京の声が薫側のモニターからしか聞こえなかったので、??ではありました。
星空の映像だったり、雪とコラージュされたメンバーの映像が出てきたりと、なんかストーリー性を感じさせる瞬間でした。
2.Ugly
予想外の選曲。
3.DIFFERENT SENSE
「お前らの汚い声聞かせてくれー!!」とイヤモ二を取って耳に手を当て全力でうなずく京さん。そして「もっとー!!」
4.激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇
「お前らの声聞かせてくれー!!」と最後は殆どサビを客席に歌わせてました。合唱曲になったね、この曲も。
Tosihyaも何度か胸に手を当ててうなずきながら拳を上にかざすという仕草でアピールしてくれました。
最後メンバー皆満面の笑みの中、京も去年よりは笑顔でしばらくステージにいてくれた..ように感じます。沢山のファンの手が彼に向けられていて、皆が京の名前を呼んでいて、その声に単純にこたえてくれるのかなと。
曲順がやや少ない事、やはり本調子じゃないのかなって感じたけど、だからこそできる表現っていうのを見せてくれた気がして。
特に視覚的な映像、照明とかの演出はもはや一つのアートのレベルに達していると思います。過去最高に凄かった。緻密で繊細で神秘的で...「DUM SPIRO SPERO」の映像表現がもう高次元に達していると思わずにいられなかった。
なんちゅーか...「おかえり」ではなく「お久しぶり」な感じ。DIR EN GREYはやはりDIR EN GREYなんだと。当たり前の事なんやけど、このバンドの精神性みたいなものは、もう先へ向かっていたんだって気付かされました。
あと、怖い夢の続きっていうのは、今日のこのライブに限った事じゃなく、このバンドが存在する限り永遠に存在するキーワードで、むしろ本当の続きはここから始まるんじゃないかと後日「音楽の人」を読みながら思いました。