PX-E860に限らず、DP-29Fでも同様に、
・内蔵フォノイコライザで聴くとハムノイズが無い
・カートリッジ直だとハムノイズが出る
※PX-E800は未確認、フォノイコライザ基板の電源配線が違うので発生しないかも
つまり、カートリッジからフォノイコライザまでの経路ではハムノイズは乗っていない
この点からして、カートリッジ、トーンアームに措置するのは効果が薄いと思われる
まあ極細シールドケーブルで配線してるからノイズ耐性はあると思う
内蔵フォノイコライザをオフにする場合にのみハムノイズが乗るならば、フォノイコライザ基板近傍でハムノイズが乗っているのではないか?
■電源事情
・イコライザとモーターは共通の電源を使用
・電源は小さいトランスで降圧(おそらく9〜10V)、ブリッジ整流して1000μFで平滑、12Vを得ていると思われる
・消費電力表示3W程度から逆算すると250mA程度
イコライザのオペアンプはせいぜい10mA
モーターは240mA
・負荷は12V÷250mA=50Ω
・リップルはぺるけさんのリップル計算用グラフによれば、4%であり12Vの4%は480mV
■内蔵フォノイコライザの場合の経路
カートリッジ
極細シールドケーブル
フォノイコライザ基板にハンダ付けされて2〜3cmくらいでオペアンプに至る
切り替えスイッチ
シールドケーブル
図にすると以下
赤青は信号
緑は電源
■カートリッジ直での場合の経路
カートリッジ
極細シールドケーブル
フォノイコライザ基板にハンダ付けされて切り替えスイッチを経由してぐるっと10cmくらい
シールドケーブル
図にすると以下
赤青が信号
緑は電源
・微弱な信号を基板上の細い銅箔で剥き身で引き回している
・電源と信号が交差している
■トランス、モーター、イコライザ基板の配置
トランスは斜めになっていて磁気漏洩に考慮していますね
モーターは剥き身です
■仮説
仮説1 電源からの飛びつき ※可能性高い
・モーター回転と同時にリップルが480mVに増加 ⇨ 50mVrmsの三角波でした
・フォノイコライザ基板での信号と電源の交差部分でリップルが飛びつき
仮説2 モーター磁気漏洩飛びつき ※可能性低い
・モーター回転と同時に磁気漏洩
・フォノイコライザ基板の引き回し部分に飛びつき
仮説3 トランスからの飛びつき ※可能性低い
・モーター回転と同時に磁気漏洩
・フォノイコライザ基板の引き回し部分に飛びつき
■改善案
案1 リップルを減らす ※仮説1対策
案2 信号線を電源から離す ※仮説1対策
案3 カートリッジからの信号はシールドケーブルで直出しする(フォノイコライザ撤去) ※仮説1、2、3対策
案4 スイッチまでの配線はフォノイコライザ基板パターンを使わずにシールド線を使用する ※仮説1、2、3対策
案5 フォノイコライザとモーターの電源を別ける ※仮説1対策
案6 電源をACアダプター化 ※仮説3対策
自分のPX-E860のフォノイコライザ基板は不調なので案1、案3、案6がいいんじゃないかと思う
フォノイコライザ基板が好調なら案1、案6かな
■実験予定
・三端子レギュレータでリップルを減らす
・さらにACアダプターで給電する
・カートリッジから直出し
■PX-E860の試験時推定
そもそもフォノイコライザを持っていない層に向けて訴求する商品である
内蔵フォノイコライザありき
試験は内蔵フォノイコライザ使用を前提
内蔵フォノイコライザ使わずに聴く人はかなり少数派で無視できる
結果、内蔵フォノイコライザでノイズないからいっか!
知らんけど(笑)
■実験1 モーター有無でのリップル
結論 モーターONでリップルは増えなかった
下図はモーターONでのDCに乗る三角波
50mVrmsくらい
モーターは電源を汚すってことですね
オペアンプならノイズ除去で何事もなく動作するでしょうね
電源電圧を測ってみると
無負荷電圧 13.2V
モーターON電圧 12.2V
でした
■実験2 内蔵フォノイコライザ撤去、フォノケーブル直結
結論 ハム音皆無
やはり内蔵フォノイコライザ部分でハムが乗っていた模様
カートリッジから出ている極細シールド線をRCAケーブル直結したらハム音がしません
フォノイコライザ撤去しただけなんで、電源線、トランス、モーターのいずれかは分別できませんでした
しかしながら、周囲の磁気ノイズを拾っているようで、電源入っていなくてもジー音がします
気になるのはシールド線のハンダ付け部分で、信号線の一部が露出しています
ちなみに剥いてみたらRCAケーブルはシールド線でした
■実験3 信号線をシールドで覆う
結論 信号線をシールドで完全に覆うとジー音が消える
導電性アルミテープでシールドと導通させ、信号線を覆いました
アース線も繋ぎました
黒い細い線が出てきていてグランドに接続されていました
カートリッジ部をグリグリするとシェルがトーンアームから抜けまして、接続部分でトーンアームに黒い細い線が接触しています
なんと、トーンアームはアースされているんですよ
■実験後の姿
灰色の線はモガミさんの2799です
実験3で確かめたアルミテープによるシールドをし、絶縁材で養生しました
この良さげに見えるRCA端子は千石さんで100円で投げ売りしていたもの
黒い線はアース線で圧着端子で仕上げています
PH53で試聴してみると、100pF負荷が高域伸びて気持ちいいです
220pFだとロールオフ早めに聴こえます
ちょっと違うか、ピークがある感じなのかな?