Pains パリの味

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ベーカーテクノサービス

無責任

2009-10-22 17:15:15 | Weblog

なぜパン屋ですか、1週間でパンが焼けるようになりません。

「パン学校で1年間勉強しました」と言って履歴書を持って来る若い連中。現場で全く使い物に成りません。1年或いはそれ以上勉強したはずですが、全く使えません。
やる気が無い、働く意欲が無い、大学に入れなかったから仕方なく専門学校へ入学しただけ、大半が先のこと、将来を考えずただ専門学校へ通っただけ、こんな連中ですから期待はしていないが、ひどい。学校は授業料を頂けばそれで良し、卒業後1年以内に半数がベーカリー・パン業界から去ろうがお構いなし。

 また、1週間でパンが焼けるようになります。こんなキャッチコピーを目にしますが、1週間の訓練で、指導で、パンを売る?売ると言うことは、お客様からお金を頂くことです、よ。お金を頂くと言うことは、プロ?
 時には、もう5年も下積みを経験し、そろそろ独立を考え、店の2番手に抜擢した優秀な弟子でさえ、とても売れないような商品を焼きます。毎日チーフに怒鳴られ、時に落ち込んでいる2番手を慰め、持ち上げ元気を取り戻す手助けが我々の仕事だったりします。ただ、この2番手は上にはチーフがいます。ましてやオーナーではありません。売る、売らないは焼き上げた本人が判断すべきです。これは買うか、買わないかと表裏一体です。
 1週間ではパンを理解できません。しかし、1週間で商売できるようになります、します。と声を掛けるのでしょうね。

 しかし、何の技術も無く1週間の技術指導でパン屋を開店したら、お客様に対して責任を持つのは貴方です。お金を頂ける商品をいつも店頭に並べる自信がありますか。
 冷凍生地を甘く見てはいけません。冷凍生地なら誰でも焼けます、こんなキャッチコピーも良く見かけます。冷凍生地には大きな落とし穴があります。
1、解凍、発酵、焼成の条件、方法で全く別物になります。こんな難しい生地は他に      ありません。
  解凍、ホイロの温度、湿度、時間をしっかり管理しないとバサバサ、ボソボソのパンになりがちです。
2、冷凍生地は仕入れ値が高いこと、これはメーカーが先に利益を確保していますから当然です。そうすると末端の売価設定が当然高くなります。これは誰も利益が  欲しい、現金が欲しい、当たり前です。ただ、消費者は今、高い物は買いません、美味けりゃ別ですよ。冷凍生地のパンが美味いわけ無いんだから。売れるわけ  無いじゃないですか。
   もし、冷凍生地のパンが美味けりゃ、スーパー内のインストアーベーカリーもっとお客様入っています。インストアーベーカリー100%冷凍生地ですから。一部を  除いて。もし、冷凍生地が美味けりゃインストアーベーカリー増えます。しかし今は、どんどん撤退してます。価格が高い割りに、美味くない。
3、冷凍生地はオリジナリティーがありません。どこのベーカリーへ行っても似たり寄ったり。冷凍生地では差別化が出来ません。
 商売として成り立つ訳無い。そもそもFC店以外には販売しない冷凍生地を、FC以外にも販売している矛盾。しかも、FC店には厳しい縛りがありますよね。Tさん!

冷凍生地でパン屋を始めても儲かるのは生地メーカーだけです。本当にパン屋で利益を追求するなら、スクラッチベーカリーです。

技術、経験、知識が必要ですが。それがプロです。大きな責任。