Pains パリの味

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ベーカーテクノサービス

騙されてベーカリーを開業し、売上でお困りの方

2009-10-02 21:23:27 | Weblog

 1週間でパンが焼けるようになります。売上も10万円程度作れます。機材は小型1枚差しのデッキオーブンとコンベクションオーブン、ドゥーコンセット。
 プロ用オーブンでなく家庭用オーブンに近い代物。これでどう10万円の売上を作るのでしょうか。

 1週間でパンが焼けるようになる?冷凍生地を数種類、天板10枚程度を焼くので有れば、1週間の特訓で焼けるようになります。それ以上焼くには1週間ではとても無理です。6取り天板1枚に最大で12個並びます。1個150円の売価で、天板1枚は1800円です。10枚焼いて1万8千円の売上。20枚焼いて3万6千円。
 どうやって1日10万円の売上を作るのでしょうか。

 1週間でパンが焼けるようになる、これは冷凍生地を解凍して焼くだけであれば、そして数種類であれば不可能ではありません。ただ、素人が1から始めて10万円の売上は不可能です。10万円売るには、50枚以上の焼成が必要で、1週間でそのオペレーションを覚えることは不可能です。50枚焼くためには、10時間休み無く連続で焼くことになります。しかし、この様な小型オーブンに連続焼成能力はありません。そして、冷凍生地の仕入れ価格は高く、材料費が50%を超え、商売として成り立つには1人で製造、販売全てをこなし、営業時間10時間を休憩なしで働くことになります。

 このようないい加減な機材で「10万円売上が出来ます」と、提案しているプロデュース会社が実在します。

 オーブンは価格に大きな差があります。プロ用を本物とすれば家庭用オーブンは「おもちゃ」です。そして価格以上に差が有るのは焼成能力です。プロ用オーブンは休み無く焼成できますが、家庭用はドアを開くと温度が下がり温度を再度上げるには時間がかかります。
 オーブンの焼成能力の差はなぜ生まれるのでしょうか。それは、オーブンの材質、特に内部の蓄熱材と断熱材の質と使われる量にあります。普通オーブンは上下のヒーターか熱風で過熱します。
 良いオーブンは蓄熱された熱と蓄熱材から出る遠赤外線で焼成しますが、安いオーブンは上下のヒーターの熱で焼くことになります。これは、内部に貯められる熱量の差から生まれるものです。安いオーブンは断熱材の使用量が少なく、放熱量が極めて多く常にヒーターに通電し加熱状態にあります。そのため消費電力が2クラス上の大きさのオーブンに匹敵する電力を消費します。また、安いオーブンはオーブン外板で目玉焼きが出来るほどの温度になります。安いオーブンは焼成時間が長く、パンがパサパサになります。

 パン屋にとってオーブンは大事です。オーブンだけは良い物を選ぶ、これがベーカリーの鉄則です。
 いい加減なコンサル、ベーカリープロデュース会社に騙されない知識とパンの常識を持つことです。
 パン屋は体を張り、開店前から閉店後も製造に励み、お客様に喜んでもらえる商品を、美味しい商品を提供するこれが喜びです。売上に比べ僅かな利益を追求し、身を粉にして働くそれがパン屋です。

 体を張る事無く、利益利益と金だけを追いかける輩にはパン屋は無理だ。
 最近そんな輩が、馬鹿な依頼者が多すぎる。

 いい加減なコンサルに騙されてパン屋を開業し、売上が伸びずお困りの方、サポートシます。売上何とかします。但し、体を張る覚悟だけは持っている方。