大阪のABC朝日放送が11月7日夕方放映した「キャスト」という番組で、奈良の事が採り上げられました。 「観光特区を狙う古都に厚い壁」というタイトルの特集だったのですが、なかなか興味深く見ました。 大阪の放送局が採り上げた「古都の厚い壁」とは何か。 キャストのホームページに内容が載っていましたのでちょっと長いのですが引用したいと思います。
ABC朝日放送ホームページ http://webnews.asahi.co.jp/cast/feature/121107.html
観光特区を狙う古都に厚い壁
観光シーズン到来で、ひときわ賑わいを見せる古都・奈良。商店街は観光客で溢れ、まさに絶好調のように見えますが、実は奈良には長年抱える大きな悩みがありました。
(Q.きょうのお泊りは?)
観光客「京都です」
観光客「香川県です」
観光客「大阪です」
そう。泊まる人が少ないんです。
奈良市の観光客は、平城遷都1300年祭で賑わったおととしで、およそ1850万人。そのうち、宿泊した人は200万人程度でした。一方、近隣の京都市をみると、観光客4900万人、宿泊者数は1300万人と、大きく水を開けられています。奈良に来ている観光客に理由を聞くと・・・。
観光客「奈良はなんか歴史っぽいんで、大阪の方が楽しい」
観光客「泊まるところがない。ホテルとかがないみたいですし」
この質問に応えてくれたのは、奈良県の職員の方。
県の担当者
「少ないです。全国の中でも最下位(客室数)もしくは、最下位から2番目のブービー。これには理由がありまして、京都市さんでしたら、外の資本で来られているところが多い。奈良の場合は、地元の人が経営しているものがほとんどです」
さらに担当者は言います。
「我々もオフシーズンの対策ということで、いろいろやりかけているが、旅館・ホテルが春と秋だけでいいよという雰囲気があったというのは否めないのかなと」
奈良ならではの地域性が大きく影響しているようです。さらに!
奈良県民「奈良は奈良でもっと奈良で頑張れば、もっとええことはあると思う」
奈良県民「その負けているところが、私はいいところだと思います」
奈良県民「京都いかはるから。通り抜けていくでしょ?別になんとも思っておりませんが」
「奈良は奈良。よそはよそ」。こうした県民の考え方が、まちのあり方に大きく関わっていると指摘する専門家もいます。
県民性に詳しい矢野新一氏
「奈良は昔からのんびりして消極的で、ちょっと自己満足しやすいし、ちょっと控えめな人たちが多い。『奈良の寝だおれ』という言葉がありまして、お天道様が上がったら起きて仕事して、沈んだらサッサと寝てしまいましょうと。いまだに奈良はこれを引きずっていて、ほとんどのお店が早く閉まります」
「県民性がまちをつくり、まちが県民性を育む」。他の県でもそうなのでしょうか?たびたび奈良の比較対象に挙がるお隣・京都の人に聞いてみました。
(Q.京都のライバルといえば?)
京都府民「一番京都がええと思います」
京都府民「ライバルですか?東京!奈良には勝っています」
京都府民「そんなに対抗意識ない。奈良の人はどこでもあんまりないような気がする」
さすが大観光都市の京都。周りはあまり気にならないようで・・・。
矢野新一氏
「京都はプライドの高さが一番特徴だと思います。こっちは違うという意識が強いですから、当然お隣の奈良もライバル視するというのはない」
多くの歴史遺産があるだけでなく、長く都があったことから都市としても発展した京都。「プライドが高い」。この県民性、当たっていますか?
さて、舞台は再び奈良。のんびりとした県民性が影響を与えていようとも、観光は県の主産業。そうは言ってもいられません。県が動き出しました。奈良県は、奈良公園周辺を観光特区にしようと、国に申請。これまでは手入れをするだけでも国の許可が必要でしたが、特区になれば、県に一部権限が移され、独自で対策がとれるようになります。
一方、身近なところでも動きが。その名も「おもてなし民間トイレ事業」。奈良市は観光地に公衆トイレが不足していることに着目し、ならまちを中心としたお店に協力を呼びかけました。市が維持費を一部負担することで、民間のトイレを一般に開放し、使ってもらおうというわけです。
知恵を絞り、あの手この手で観光の活性化を図る行政。しかし、専門家はこうした取り組みを評価しつつも、やはり鍵を握るのは、「県民の思い」と話します。
奈良県立大学 遠藤教授
「お寺のイメージで行こうというのが強すぎて、新しいイメージ作りというのがなかなか行われていないのでは。県民の思いがひとつになって、同じ方向を向いて、これで行こうとなったときに、非常に大きな力を奈良は発揮すると思います」
この番組では奈良の観光の活性化には「厚い壁」があり、それは奈良の「県民性」ではないか と考えています。 「奈良は奈良。よそはよそ」「別に京都に負けていてもかまわないのではないか」 そんな奈良の「県民性」が活性化を図る行政の足を引っ張っている と伝えているように思います。
それは京都との対比でも示され、「京都が一番」「奈良には勝っている」「対抗意識は無い」と言う京都のプライドの高さが「大観光都市京都」を作っていると言っているようにも思います。
なぜプライドの高さが大観光都市を生むのか。 僕の思うのに京都はそのプライドの高さゆえ都市の格を上げることに必死で、それが企業を造りホテルを呼び「大観光都市」に繫がっているように思います。 逆に奈良は自分たちが考える「奈良らしさ」を奈良の魅力と考え、都市の格を上げることに無頓着で「他地域から見た魅力のある観光地」になりえていないように思います。 確かに奈良の静けさが好きな「奈良好き」の人からみたら奈良は魅力ある場所かもしれません。 しかしそれ以外の多くの人達にとっての奈良はそんなに魅力のある観光地では無いのでしょう(こんなに凄い観光資産を持ちながら観光客数、宿泊数がもう一つ)
番組で奈良県立大学遠藤教授がおっしゃってます。 「お寺のイメージで行こうというのが強すぎて、新しいイメージ作りというのがなかなか行われていないのでは。県民の思いがひとつになって、同じ方向を向いて、これで行こうとなったときに、非常に大きな力を奈良は発揮すると思います」
新しいイメージを持てたら奈良は凄い観光地になるかもしれませんね。
ちなみに番組コメンテーターの水道橋博士さんのコメントに、「京都は行きたいと思うことがあるが、奈良は行きたいと思ったことがない」「吉野は行きたいと思ったが、吉野が奈良とは思わなかった」 評論家森永卓郎さんのコメントに、「せんとくんは大成功だった。 奈良を舞台にしたアニメでも作ったら」 というものがありました。(裏覚えなので少し表現が違うかもしれませんが)
ABC朝日放送ホームページ http://webnews.asahi.co.jp/cast/feature/121107.html
観光特区を狙う古都に厚い壁
観光シーズン到来で、ひときわ賑わいを見せる古都・奈良。商店街は観光客で溢れ、まさに絶好調のように見えますが、実は奈良には長年抱える大きな悩みがありました。
(Q.きょうのお泊りは?)
観光客「京都です」
観光客「香川県です」
観光客「大阪です」
そう。泊まる人が少ないんです。
奈良市の観光客は、平城遷都1300年祭で賑わったおととしで、およそ1850万人。そのうち、宿泊した人は200万人程度でした。一方、近隣の京都市をみると、観光客4900万人、宿泊者数は1300万人と、大きく水を開けられています。奈良に来ている観光客に理由を聞くと・・・。
観光客「奈良はなんか歴史っぽいんで、大阪の方が楽しい」
観光客「泊まるところがない。ホテルとかがないみたいですし」
この質問に応えてくれたのは、奈良県の職員の方。
県の担当者
「少ないです。全国の中でも最下位(客室数)もしくは、最下位から2番目のブービー。これには理由がありまして、京都市さんでしたら、外の資本で来られているところが多い。奈良の場合は、地元の人が経営しているものがほとんどです」
さらに担当者は言います。
「我々もオフシーズンの対策ということで、いろいろやりかけているが、旅館・ホテルが春と秋だけでいいよという雰囲気があったというのは否めないのかなと」
奈良ならではの地域性が大きく影響しているようです。さらに!
奈良県民「奈良は奈良でもっと奈良で頑張れば、もっとええことはあると思う」
奈良県民「その負けているところが、私はいいところだと思います」
奈良県民「京都いかはるから。通り抜けていくでしょ?別になんとも思っておりませんが」
「奈良は奈良。よそはよそ」。こうした県民の考え方が、まちのあり方に大きく関わっていると指摘する専門家もいます。
県民性に詳しい矢野新一氏
「奈良は昔からのんびりして消極的で、ちょっと自己満足しやすいし、ちょっと控えめな人たちが多い。『奈良の寝だおれ』という言葉がありまして、お天道様が上がったら起きて仕事して、沈んだらサッサと寝てしまいましょうと。いまだに奈良はこれを引きずっていて、ほとんどのお店が早く閉まります」
「県民性がまちをつくり、まちが県民性を育む」。他の県でもそうなのでしょうか?たびたび奈良の比較対象に挙がるお隣・京都の人に聞いてみました。
(Q.京都のライバルといえば?)
京都府民「一番京都がええと思います」
京都府民「ライバルですか?東京!奈良には勝っています」
京都府民「そんなに対抗意識ない。奈良の人はどこでもあんまりないような気がする」
さすが大観光都市の京都。周りはあまり気にならないようで・・・。
矢野新一氏
「京都はプライドの高さが一番特徴だと思います。こっちは違うという意識が強いですから、当然お隣の奈良もライバル視するというのはない」
多くの歴史遺産があるだけでなく、長く都があったことから都市としても発展した京都。「プライドが高い」。この県民性、当たっていますか?
さて、舞台は再び奈良。のんびりとした県民性が影響を与えていようとも、観光は県の主産業。そうは言ってもいられません。県が動き出しました。奈良県は、奈良公園周辺を観光特区にしようと、国に申請。これまでは手入れをするだけでも国の許可が必要でしたが、特区になれば、県に一部権限が移され、独自で対策がとれるようになります。
一方、身近なところでも動きが。その名も「おもてなし民間トイレ事業」。奈良市は観光地に公衆トイレが不足していることに着目し、ならまちを中心としたお店に協力を呼びかけました。市が維持費を一部負担することで、民間のトイレを一般に開放し、使ってもらおうというわけです。
知恵を絞り、あの手この手で観光の活性化を図る行政。しかし、専門家はこうした取り組みを評価しつつも、やはり鍵を握るのは、「県民の思い」と話します。
奈良県立大学 遠藤教授
「お寺のイメージで行こうというのが強すぎて、新しいイメージ作りというのがなかなか行われていないのでは。県民の思いがひとつになって、同じ方向を向いて、これで行こうとなったときに、非常に大きな力を奈良は発揮すると思います」
この番組では奈良の観光の活性化には「厚い壁」があり、それは奈良の「県民性」ではないか と考えています。 「奈良は奈良。よそはよそ」「別に京都に負けていてもかまわないのではないか」 そんな奈良の「県民性」が活性化を図る行政の足を引っ張っている と伝えているように思います。
それは京都との対比でも示され、「京都が一番」「奈良には勝っている」「対抗意識は無い」と言う京都のプライドの高さが「大観光都市京都」を作っていると言っているようにも思います。
なぜプライドの高さが大観光都市を生むのか。 僕の思うのに京都はそのプライドの高さゆえ都市の格を上げることに必死で、それが企業を造りホテルを呼び「大観光都市」に繫がっているように思います。 逆に奈良は自分たちが考える「奈良らしさ」を奈良の魅力と考え、都市の格を上げることに無頓着で「他地域から見た魅力のある観光地」になりえていないように思います。 確かに奈良の静けさが好きな「奈良好き」の人からみたら奈良は魅力ある場所かもしれません。 しかしそれ以外の多くの人達にとっての奈良はそんなに魅力のある観光地では無いのでしょう(こんなに凄い観光資産を持ちながら観光客数、宿泊数がもう一つ)
番組で奈良県立大学遠藤教授がおっしゃってます。 「お寺のイメージで行こうというのが強すぎて、新しいイメージ作りというのがなかなか行われていないのでは。県民の思いがひとつになって、同じ方向を向いて、これで行こうとなったときに、非常に大きな力を奈良は発揮すると思います」
新しいイメージを持てたら奈良は凄い観光地になるかもしれませんね。
ちなみに番組コメンテーターの水道橋博士さんのコメントに、「京都は行きたいと思うことがあるが、奈良は行きたいと思ったことがない」「吉野は行きたいと思ったが、吉野が奈良とは思わなかった」 評論家森永卓郎さんのコメントに、「せんとくんは大成功だった。 奈良を舞台にしたアニメでも作ったら」 というものがありました。(裏覚えなので少し表現が違うかもしれませんが)
「何でも反対」なのではなく、行政が「いらんことばかりする」と言う意見もあるのです。大阪の方が楽しいと感じる世代はまだ来て下さらなくていいのです。人を呼び込もうとして、「奈良らしさ」という最大の武器を破壊してしまっては、もう京阪に太刀打ちすることは不可能です。
確かに奈良の魅力のひとつに静けさで穏やかさがありますね。ただ「バサラ祭り」や「平城京天平祭」のような賑やかさも奈良の魅力だと思っています。この相反するようにみえる二つの魅力は京都には無いですね。京都の「みやび」に対して奈良の「おおらかさ」です。これは「平城京」が国内外の人で賑わった「国際都市」であったからだと思います。私は「奈良らしさ」の中に「賑わい」を入れてますので、もっと観光客が訪れる奈良になってほしいと思っています。大仏殿とホテルのコラボは案外おもしろいかもしれませんよ(笑)ただ私は奈良公園の中にホテルはいらないと思っています。
「大阪の方が楽しいと感じる世代」は自分たちの足元にもいます。つまり奈良の若者たちが「大阪の方が楽しい」と感じ大阪で遊び大阪で就職します。これは奈良の消費、人材確保にとって大変な問題です。そういう世代にとっても奈良は魅力のある場所にならないといけないと思います。
奈良は観光を産業の中心としています。しかし観光客数は他の観光地に比べてそれほど多くありません(たくさんの素晴らしい観光資産を持っているにも関わらず)。「大仏商法」と揶揄されないように「奈良の魅力」を築き上げたいですね。
12月にある、春日大社のお祭りは泊りがけでいきたいと思います。ただ、奈良のホテルは高いと聞きましたので、若者でも泊まれる安いホテルを探すつもりです。
最近は外国人観光客も多くなっています。早く予約しようと思います。観光バスの渋滞緩和の措置、ありがたいです。
私は九州出身です。奈良の独特なオーラに新鮮な思いを抱きました!これからも応援しています。
これは今から7年前のブログの記事ですが基本的に変わってませんね(笑) 今読み返してそう思います。
応援ありがとうございます。私も「奈良」という場所は独特なオーラを持ってるなと最近思うことがあります。
私は「奈良生まれ奈良育ち」なんですが、結構な年である今現在でも「奈良好き」にはなっていません。他にはない凄い価値のある寺や神社を持っているのはわかっているのですが、それが「観光」というものに上手く結びついていないことに歯がゆさを感じています。
私にとっての奈良は「祈りの場所」でなく「世界遺産をたくさん持った国際観光都市」なんでしょうね。
だからブログのタイトルを「奈良の未来」にしています。平城京は日本の歴史の中でもあまり例がない国際都市であったといいます。奈良は古き良き遺産を持ちながら、未来的で国際感覚を持ったそんな都市になって欲しいと思っています。応援よろしくお願いします(笑)