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夜の奈良に滞在する外国人は昼間の2割?

国土交通省近畿地方整備局と「ナビタイムジャパン」(東京)が分析調査したみたいです。
「日帰り」という問題以外にも色々な課題があるように思います。


産経WEST 2015.6.20 http://www.sankei.com/west/news/150620/wst1506200022-n1.html?view=pc

以下引用

「夜の奈良」滞在外国人は昼間の2割? 依然「日帰り」が大半

訪日外国人観光客が急増する中、関西を訪れる外国人観光客の7割は大阪と京都に集中しており、奈良は依然として「日帰り」の観光パターンが多いことが、国土交通省近畿地方整備局などの分析調査で分かった。担当者は「大阪、京都以外への周遊がみられるよう働きかけていきたい」としている。

調査は同整備局と経路探索サービス大手「ナビタイムジャパン」(東京)が共同で実施。昨年11月から今年4月の半年間、同社が提供する訪日外国人向け英語アプリを使って、近畿6府県と三重県を訪れた約4900人ほを対象に行った。

GPSデータを使い、1キロ四方に30分以上とどまった人を「滞在」とみなして分析したところ、72%が大阪と京都に集中していることが判明。大阪では67%がアジア系で、日中はユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)や大阪城、海遊館、夜間はミナミの繁華街に多く滞在していた。京都は45%が欧米系で、神社仏閣への立ち寄りが多かった。

一方、奈良は東大寺など奈良公園周辺が人気。法隆寺(斑鳩町)や明日香村へ足を伸ばす外国人観光客はほとんどみられなかった。時間帯では午後1時の滞在者が最も多い309人だったが、午後7時以降は県外へ流出。午後11時の滞在者は71人にまで落ち込み、昼間の2割程度となった。訪れる外国人はアジア系と欧米系がほぼ同じ割合だった。

奈良では「日帰り観光」の定番を払拭しようと、県が高級ホテル誘致事業などを進めているが、調査結果からは大阪、京都に比べ滞在者数の差が大きいことが浮き彫りになった。

奈良県観光プロモーション課の担当者は「奈良市中心部だけでなく、県内を周遊してもらうような取り組みを進めている。富裕層のほか、歴史や文化に興味のある方にターゲットをしぼり、情報発信を強めていく」としている。

同県では今後、中国や台湾、フランスなどを中心にした海外プロモーションを強化するほか、奈良市から南部方面へのバスの運行、文化体験イベントなどを展開していくという。



記事によると、関西2府4県+三重県の訪日外国人の滞在先は

「京都・大阪で7割」

だそうです。つまり関西の他の観光地には3割しか行ってないことになります。
当然「奈良」もその中に含まれています。「京都・大阪」との差が歴然としてますね。

その理由として大阪は空からの入口、京都は東京からの新幹線の入口、ということもあると思います。でも「滞在」という点から見ればやはりこの2府は他よりも圧倒的に滞在する魅力があるのでしょうね。


そして次に奈良の分析は次の通りになってます。

「東大寺・奈良公園は人気だが、法隆寺・明日香方面へは行かない」
「夜の滞在外国人は昼間の2割」
「アジア系と欧米系はほぼ同じ」

つまり、一部の場所に外国人が集中して奈良県全体ではほとんど訪れていない。
しかもその貴重な貴重な外国人の2割くらいしか夜に滞在していない。

これが「国際観光都市奈良」の実態です。悲しいですね。
特に法隆寺は「世界遺産」。
やはり今までのやり方ではダメでしょう。


奈良の存在感は国際的にみればマダマダだと思います。
しかし逆にいえば、のびしろは大きいでしょうね。
「東大寺・奈良公園」以外が知られるようになれば訪問者が一気に増える可能性があります。
当ブログの「デービッド・アトキンソンさんの記事」でも触れてましたが、訪日外国人の総数自体がかなり増えるかもしれません。
奈良はその時代に向けて万全の準備をしていかないといけません。


そこで提案。まぁ今まで言ってきた事の繰り返しですが(笑)


「外国人の認知度を上げるには、まず国内での奈良の存在感を高める事。それにはマスコミの活用が絶対条件」

「外国人旅行者も国内旅行者も基本は同じ。奈良の歴史を知らなくても楽しめる工夫を」

「ホテルの増加は当然。周辺に夜も楽しめる飲食街を」

「中心商業地を近鉄奈良駅周辺からJR奈良駅周辺に移すべき。規制が多い場所では健全な発展が出来ない」

「奈良市はJR奈良駅を中心に都市化し、放射線状に観光地を訪れて貰う。ただJR新駅の動向で若干変化が」

「奈良県中南部へ観光客を誘導するため北部はゲートウェイ的な役割を持つ。その為に都市化は必要」

「自然景観は明日香・吉野に任せましょう(笑)。その方がむしろ自然。奈良市内の景観は現代建築を含めた景観。古代と現代の融合」


「訪日外国人」の話から「まちづくり」の話になってしまいました。スイマセン(笑)
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デービッド・アトキンソン氏が語る「日本観光の底力」

イギリス人であるデービッド・アトキンソン氏から見た「日本の観光」です。
アトキンソン氏は元ゴールドマン・サックスアナリストで、現在は文化財保護の「小西美術工藝社」で社長を務めておられるとの事。
日本文化に精通していてかつ経済のプロフェッショナルであるという凄い人ですね。
外国人から見た「日本観光の可能性・問題点」がよくわかります。



東洋経済ON-LINE 2015.6.5 http://toyokeizai.net/articles/-/71810

以下引用


アトキンソン氏、「新・所得倍増計画」を提言
【2030年、訪日客8200万人も狙える日本の底力】



デービッド・アトキンソン :小西美術工藝社社長
1990年代の不良債権問題や銀行再編を誰よりも早く予見した凄腕アナリスト、デービッド・アトキンソン氏。現在は日本の国宝・重要文化財の修復を手掛ける小西美術工藝社の社長を務めながら、日本の伝統文化を守りつつ、伝統文化財をめぐる行政・業界改革の提言を続けている。



■日本は「観光後進国」である

日本政府は先日、2020年の訪日外国人旅行者の目標数を、年間2000万人から3000万人へと、大幅に引き上げることを明らかにしました。

私はかねてより、2000万人は少なすぎると主張していましたので、目標数の引き上げ自体は当然だと受け取っています。ですが、年間3000万人という数字は、まだまだ少なすぎると言わざるをえません。私は、日本の観光産業の「潜在力」 を正しく生かすことができれば、年間8200万人も十分、達成可能だと考えています。

それをご説明する前に、まず、世界の観光業全体における、日本のポジションを知っていただきたいと思います。世界の国際観光客数は、1950 年にはわずか2500万人でしたが、その30年後の 1980年には2億7800万人、さらに15年後の1995 年に5億2800万人、そしてついに2013年には、 10億8700万人に膨れ上がりました。

さて、この中で、日本のシェアはどれくらいだと思いますか?

正解は、たったの0.95%です。フランス(7.8%)、アメリカ(6.4%)、タイ(2.4%)などの観光大国と比較すると、残念ながら日本は「観光後進国」だということがわかります。

そう聞くと、2020年の目標としては、3000万人(2013年のシェアに換ると2.75%)でも多いのではないかと思われるかもしれませんが、それは国際観光市場全体の成長を無視しています。

UNWTO(国連世界観光機関)の長期予想によれば、2030年の世界の国際観光客数は18億人にまで増えるとされているので、この中で日本の外国人観光客 が3000万人になったとしても、シェアは1.7%にすぎないのです。

私は、日本の観光産業の「潜在力」を考えれば、シェア1.7%という数字は、 あまりに少ないと考えています。日本が「潜在力」をきちんと生かせば、シェアは4%台になっていても、まったく不思議ではありません。

■日本は観光立国の4条件をすべて満たす希有な国

先ほどから、日本の観光産業の「潜在力」が極めて高いと述べていますが、 もちろんそれには根拠があります。

観光立国には、4つの要因が必要だと言われています。「気候」「自然」「文化」「食事」です。この4つに多様性があることが、「観光大国」になるための条件なのです。

「多様性」が必要な理由は、少し考えていただければわかりますよね。観光客を引きつける魅力がひとつしかないと、それに魅力を感じる人は来ますが、そうでない人はやって来ません。人の好みは千差万別なので、多くの人を呼ぶためには、魅力にも「多様性」が必要なのです。

これを踏まえて日本の「気候」を見てみると、暑いところもあれば寒いところもあります。気候に多様性があるのです。日本人の皆様は意外と自覚していませんが、ビーチで遊ぶことも、スキーをすることもできる国というのは、世界を見てもそれほど多くはありません。

次は「自然」です。田園風景もあれば森、山もあり、そこに生息する鹿、 猿、草花などの生物も多様性に富んでいます。「気候」とも関係しますが、立山黒部アルペンルートで10メートルを超える雪の壁を見ることもできれば、沖縄の珊瑚礁の海でスキューバダイビングを楽しむこともできます。

さらに、「文化」です。日本各地に、さまざまな時代の歴史的建造物が破壊されずに残っていますし、アニメ、音楽などの現代文化も人気があります。

最後に、「食事」も多様性に富んでいます。寿司ひとつを取ってみても、超高級店から100円の回転寿司まで、懐具合に応じて選択の幅が広いです。さらに日本食だけでなく、洋食などのクオリティも高く、庶民的な店から高級店までそろっています。

このように、日本というのは、観光大国になりえる条件をすべて兼ね備えた、たいへん希有な国だと言えるのです。

これらの魅力のほか、「自国民の数に対する観光客数」や「GDPに対する国際観光収入の比率」など、さまざまな観点から多面的に分析すると、本当は今 現在、年間5600万人の外国人観光客が来ていてもおかしくありません。

そこから、きわめて保守的な成長率を使って計算すると、2030年に年間 8200万人という数字が出てくるのです。つまり、これは決して非現実的な予想 でもなければ、楽観的な予想でもないのです。

年間約1341万人(2014年)しか来ていないという現状が、どれほど「潜在力」を生かしていないか、おわかりになっていただけたのではないでしょうか。

■もっとおカネを落としてもらう工夫を

私が「日本は観光後進国である」と言うのは、観光客数についてだけではありません。「日本を訪れた観光客におカネを使ってもらう」という観点からも、日本はまだまだだと言わざるをえないのです。

たとえば、2013年には、日本のGDPに対する観光収入の比率は0.4%でした。先進国の平均が1.8%ですので、ケタ外れの少なさです。

中国人観光客は、日本で平均23万円使うそうです。「爆買」などと報道され ていますが、アメリカの観光庁の数字によれば、アメリカを訪れた中国人は、平均66万円も使っています。中国人だけでなく、外国人観光客全体で見ても、訪日観光客の支出が平均15万円なのに対し、訪米観光客の支出は平均21万円。
その差は6万円にも及びます。

この理由のひとつとして、日本は先進国からの観光客が圧倒的に少ないことが挙げられます。やはり欧米の観光客はよくおカネを落としますので、このを増やすことが急務なのです。

たとえば、タイを訪れている欧米人は579万人ですが、日本の場合は174万人 しか来ていません。これはタイと比べて日本に魅力がないわけではなく、観光戦略に力を入れているタイと、そこまで力を入れてない日本の違いが、如実に現れた結果だと考えられるのです。

もしも私が提言するように、2030年に外国人観光客8200万人、平均支出金額20万円という目標が達成されれば、波及効果込みで、年間の経済効果は32兆円になってもおかしくはありません。外国人観光客のために観光インフラを整備することで、国内の観光市場も活性化されますので、より大きな効果が見込まれます。

■観光立国のためにやるべきこと

ただ、この目標を達成するには、いくつかの課題をクリアしなくてはいけません。

たとえば、リゾートの整備もそのひとつです。日本にはすばらしいビーチはいくらでもありますが、世界に誇れる、美しく、楽しく整備された娯楽性の幅のあるビーチリゾートはありません。また、スキー場はありますが、ナイトライフ、買い物、バー、一流ホテルなどが整備されているスキーリゾートがありません。

日本のビーチやスキー場は、日本人の大衆的なレジャーを想定して発展してきたものが多く、外国人が滞在して過ごすという意味では、まだまだ整備する余地があり、おカネを落とさせる仕組みになっていないのです。

それと関係していますが、地方のホテルにも力を入れるべきでしょう。1泊 5000~6000円程度のホテルは多いですが、先進国の観光客におカネを落としてもらうための、より高級なホテルが皆無なのです。

どんなに観光資源が豊富でも、日本滞在中の3分の1の時間を過ごすホテルのレベルが低ければ、途上国からの観光客とバックパッカーしか来ないおそれがあります。アメリカ政府の調査によると、訪米観光客の支出額の中で、ホテルは26.9%を占めていますので、いかにホテルが大事な収入源なのか、よくわかります。

そういう意味において、カジノを含めたIR(統合リゾート)も大事です。世界がびっくりするような、すばらしいIRを作ることによって、おカネを持っている観光客に来てもらって、ついでに、観光もしてもらう。これは、地方の創生にも大いに貢献するでしょう。

IRにも関連しますが、エンターテインメントも充実させるべきでしょう。日本の方はよく、日本に来てもらって、日本文化、日本のよさを理解してもらいたいとおっしゃいますが、「日本のよさを理解する」ことは、外国人観光客の主たる観光動機ではありません。

外国人は、異国文化を楽しみ、刺激を受けるために来ています。先進国なら 10時間以上かけて来てもらって、20万円以上を使ってもらうのですから、何はともあれ楽しんでもらわなければ、リピーターにはなってくれません。「日本のよさを理解してもらう」のは、あくまで2次的な目的だと思ったほうがいい でしょう。

■エンターテインメントとしての文化財

そのためには、やはり「文化財」が大切です。現状より、もう少しきれいな状態をキープするのは当然ですが、解説と展示がなければ楽しくないし、刺激にもなりません。

日本の文化財は、解説も展示もないことが少なくありません。ただ単に、そこに建っているというだけなのです。これでは、そもそも日本について詳しくない外国人は楽しめません。わかる人はわかる、という感じなのです。

また、「多言語対応さえすれば内容は薄くてもいい」と言わんばかりの解説や展示も見られますが、これもいただけません。解説や展示は、中身を重視しなければなりせん。ひどいものになると、日本語の解説をただ直訳しただけというケースも見受けられますが、「徳川家康」を「Ieyasu Tokugawa」と訳しただけでは、外国人にはそれが人名なのか地名なのか、はたまた別の何かなのかすら、まったく見当がつかないのです。

潜在能力と比べて訪日外国人観光客が少ないのは、情報発信の問題も多少はあるかもしれませんが、私としては、このような「整備」の問題がいちばん大きいと思っています。

外国人に楽しいと感じてもらえるような「整備」がなされていれば、外国人たちは自国に戻って自然にクチコミをしてくれます。無理に情報発信をしなくても、日本の魅力は広まるのです。

そういう意味では、下村博文文部科学大臣が提唱し、文化庁が推進している 「日本遺産(Japan Heritage)」事業には、大いに期待しています。これは、従 来「点」として考えられてきた複数の文化財を一定のテーマやストーリーでつ なぐことで、観光資源として活性化しようとするもので、これによって外国人 観光客に、より「楽しんでもらう」ことができると考えています。

いずれにせよ、日本は、潜在力からすれば、すでに観光大国になっているはずです。力はあるのです。あとは、それを生かすかどうかだけの問題です。

人口激減時代に入りつつある日本にとって、産業として世界一成長している 観光市場は、経済成長のためにとても魅力的です。何しろ、潜在能力は十二分 にあるのに、いまだほとんど手つかずなので、「伸びしろ」がとても大きいのです。私は、この市場を徹底的に開拓することで、日本経済は「第2の高度成長期」を迎えることができるとすら考えています。



観光立国を目指す日本にとって嬉しい分析ですね。
まだまだ「潜在力」があるということで政府の考える観光の「基幹産業化」も夢ではないかもしれません。 まぁ後はやる気でしょうけど(笑)

奈良の観光を考えてみると、この外国人からの視点は重要です。

「潜在力」は他のどこよりもあると思うのですが「自己満足」の部分が強く、その力を十分に発揮出来てないと思います。

「おカネを落として貰うといった発想がない」
「高級ホテルの誘致に消極的」
「神社仏閣があれば観光客は喜ぶといった誤解」
「楽しめるエンターテイメントな施設が少ない」

これは外国人の観光客の場合だけじゃなく、日本人の時も言えることかもしれません。
ようするに「おもてなし」を勘違いしてるんでしょうね。
僕はそう思います。

高層ビル・タワーから見る景観は最高の「おもてなし」になると思いますけどね。
しつこくこだわってますが(笑)
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