奈良の未来

かつての賑わいを取り戻すため、「奈良」の可能性を考える
「固定観念」「現状維持」「自己満足」をやめてみませんか

大仏商法 2

2013-02-26 22:47:58 | 奈良の現状・提言
昔から奈良を揶揄する言葉で、当ブログ「大仏商法」でも採り上げました。 もう一度、一般に言われている意味を載せてみます。


奈良の大仏に参詣する客が立ち寄るのを待つだけで、進んで客を集める努力をしない奈良商人の消極性をいう語。
◆古くは、大仏に参詣する客を捉えて逃さない奈良商人の商売上手を言ったともいう。

    ヤフー辞書(大辞泉)http://dic.yahoo.co.jp/dsearch/0/0na/23412600/


昔は奈良の「商売人の気質」だと思っていたのですが、最近ではもっと根深いもののように感じてきました。 商売人のみならず行政、県民もその「気質」を持っているのではないかと思います。 「日本」という国を造ったバイタリティー溢れる「場所」であったのに残念ですね。

このブログで何度も言っているのですが、今の奈良のキーワードは「固定観念」「現状維持」だと思っています。 それに最近の考えとして「自己満足」を付け加えさせてもらいたいです。 この3つの考えを改革していかないと「奈良」に「未来」は無いように思います。 「大仏商法」と言われる批判にこの3つが重なるように思うのですが、いかがでしょう。


(固定観念)

例えば「奈良は癒しの街で、穏やかで静かな町並みがよく似合う。 高齢者の方が訪れるのがベスト」という考え。 確かに穏やかな町並みではありますが、それだけではありません。 奈良県内には色々な観光地があります。 癒しの街は中南部(斑鳩、飛鳥、吉野など)に任せ、「平城京」の地である奈良市は「天平文化の如く」おおらかで賑やかな観光を目指してはどうでしょうか。 実際に奈良を訪れる人のほとんどは「奈良の景観」が目的ではなく、「鹿」と「大仏」です。 奈良公園で鹿と戯れ、大仏さんの大きさに圧倒される。 あちらこちらで歓声や笑いが聞こえる。 それが「観光客の楽しみ」であり「奈良を訪れる目的」であります。 そんな観光客をもてなすのは「食事(安く簡単に食べられる)」「ショッピング(鹿グッズ、奈良土産)」「宿泊(ビジネスホテル風)」であると思います。 こういった施設を充実させる事がリピーターをよび、観光産業の活性化につながります。
数年前に閉園した奈良ドリームランドのプールは、大阪の客を呼び込んでいました。 遊園地の衰退で閉園してしまいましたがプールはなかなか人気がありました。 奈良(特に奈良市)は若い人にとっては遊びに行く場所といった感覚が強かったように思います。 「高齢者の癒しの場所」だけではなくこういった年齢層を対象にした観光を考える事が今必要ではないでしょうか。


(現状維持)

例えば「奈良の景色は変わらない方がいい」という考え。 拡幅している「三条通り」は昔の方がよかったという考えを聞いた事があります。 確かに昔ながらの店があり「奈良らしい」通りだったかもしれませんが、あの狭い通りが本当によかったと思うのでしょうか。 春日若宮おん祭りやバサラ祭りなど相当大変だったと思います。 観光都市奈良のメインストリートが観光客を無視したつくりであるならばそれは変えるしかないでしょう。
 「奈良の景観」も絶対に変えてはいけないという事はありません。 奈良の収入源である経済活動を考慮に入れてどこまで許容できるかが大切です。 現状維持だけではいけません。


(自己満足)

例えば「奈良の景観は歴史を感じさせる素晴らしいもの」という考え。 ちょっと最近は「景観」にこだわっています(笑) 「奈良の景観」を見て歴史を感じるのは、歴史に詳しい人だけです。 普通の多くの人は田舎の景色の中に寺が見えると思うだけです。 その景色にどんな意味があるのか知らないだろうし、知ろうともしないでしょう。 景観があるだけでみんなが歴史を感じられると思うのは間違いだと思います。 僕は「景観」にこだわるよりも本来の観光、「観光資産」の魅力アップに力を入れる方がいいと思います。 平城宮跡国営公園化、JR奈良駅周辺商業地化(私案)など、訪問する人がわかりやすく、便利に利用できる施設を整備するほうが大事ですね。その方が観光客に優しい街であると思います。


奈良は歴史遺産を守っていかなければいけない場所です。 その為に大きな産業が育ちにくく、その遺産を利用した観光産業に活路を見出してきました。遺産を利用することでそれなりの産業に育ちましたが、自分で「観光資産」を作るといった意識の少ない、積極性に欠ける観光都市になってしまいました。「大仏商法」とはそのような状態を揶揄したものでしょう。 かつての「日本の首都」であった奈良がこんな状態では悲しいですね。


景観について 2

2013-02-22 19:08:36 | 奈良の現状・提言
奈良ビブレ跡地問題で景観が話題になりました。 以前、当ブログ「景観について」でも考えたのですが、今再びこの事について考えたいと思います。
奈良県には素晴らしい景色があります。 奈良公園、大和三山、飛鳥、吉野山 などなど。 それぞれ大事な歴史遺産を持ち、絶対に守っていかなければならない景観です。 例えば東大寺の横に10階建てのビルがあったり、飛鳥の石舞台古墳の横にラーメン屋があればそれは有り得ないでしょう。
景観とは 「その場所に立ち、その空気感を味わえる」 という事が大きな要素になっていると思っています。 その事を無視して「景観問題」は語れませんが、奈良県でよく問題にされる「遠景」は少し事情が違うと思います。 それは「遠景」というものは日常に生活をしている場を通して見る景色であり、その中で一体的な「空気感」を味わうという事はちょっと不可能だからです。 その意味で「景観問題」は「反対」「賛成」という二者択一ではなく、「どこまでが認めていいか」ということを考えていく方が大事でしょうね。


 


今回の「奈良ビブレ」の問題でも感じたのですが、奈良の景観にはいろいろと疑問があります。

1.問題にする景観はどこからの景観なのか

奈良を訪れる多くの人は近鉄奈良駅やJR奈良駅から奈良公園に向かうと思うのですが、「奈良ビブレ」の跡地に制限以上の建物が建つとどの場所から景観が阻害されるのでしょうか? 近鉄奈良駅を降りるとビブレは反対の方角なのでこれは関係ないと思います。 JR奈良駅からですと三条通りにはすでに高いビルが建ち、若草山、大仏殿を見るのは今でも相当大変だと思うのですが。 車もしくは近鉄電車内からみる景色に影響が出るのでしょうか。 これはよく分かりませんが、どの場所から影響がでるのか知りたいですね。 平城宮跡大極殿跡からは当ブログ「奈良ビブレ跡地 高さ制限が問題に」で書いたとおりあまり影響はないように思います。 それではやはり「西ノ京大池」からの眺めが問題なのでしょうか。 そうだとすると次のような疑問がわいてきます。

2.その景観はどれだけの人が見るのか

西ノ京方面(薬師寺、唐招提寺)の観光客のどれだけの人がその景観を見るのでしょうか? 大池からのピンポイントとなるとかなり数は少なくなると思うのですがどうでしょう。 もしかしたらその場所から撮影するカメラマンの為の「景観」でしょうか?
もちろん観光客の数だけで考えるのはおかしく 「守らなければならない景観」 があるのは分かっていますが、経済活動に影響が出るのであればもう一度検討し直してみることは必要であると思います。

3.奈良の魅力は景観だけなのか

奈良の景観が悪くなれば観光客が減る と言う人がいます。 しかし奈良を訪れる人にとって「景観」は一番の理由になっているのでしょうか? 僕はやはり奈良は「大仏」「鹿」であり、「景観」は魅力の内の一つであると思っています。 「景観」が変わったとしても、奈良の魅力が無くなるとは思っていません。 それよりも観光客を「おもてなし」する施設を充実する事が大切であり、それが観光都市としての「義務」ではないでしょうか。

4.京都の景観は最悪なのか

「京都の景観は最悪で、奈良は京都のようになってはいけない」 とよく言われるのですが、それではなぜ京都の観光客数は奈良よりも多いのでしょうか? もちろん新幹線が通っていて交通インフラがいいという事もあるでしょう。 それでも圧倒的に京都を訪れる人が多いのは「景観」以上に京都になにか魅力があるからだと思います。 「景観がいい奈良」よりも「景観が悪い京都」の方が観光客数が多い現実を奈良県民は真剣に考えるべきだと思います。


僕は「高さ制限」という規制はなんでもかんでも緩和すればいい と言っているのではありません。 奈良公園内や飛鳥地方など絶対に守らなければならない規制はあります。 ただ「高さ制限」を絶対なものとし、緩和する事で「奈良の魅力」が無くなると考えるのはちょっと疑問に感じます。 奈良はそれよりももっと素晴らしい「観光資産」を持っています。 問題なのはその資産を活かせるような 「まちづくり」 が出来ていないということです。 「高さ制限」を含めてもっと議論が活発になることを期待したいですね。 「まちづくり」については当ブログでまた考えていきたいと思います。


奈良新聞2/22付で「景観」について触れられているみたいです。

2013年2月22日 奈良新聞 金曜時評 「細かに早く見直せ - 編集委員 水村 勤」
http://www.nara-np.co.jp/20130222090556.html

その中からの引用ですが

今回、奈良ビブレ跡地に高級ホテル誘致を進めていた不動産業の浅川哲弥氏は「すべての規制緩和を求めているのではない。『奈良市全体の見直しが必要』などと言って規制緩和の細かい作業を怠る。日一日と中心市街地が生産性を喪失している。その危機感がないことが問題」と語る。耳を傾けるべき言葉と思う。

行政はこの問題に関して危機感を持って対応してもらいたいですね。




 






 

奈良ビブレ跡地 マンション建設へ

2013-02-19 20:56:15 | 近鉄奈良駅
NHKニュースが伝えるところによると、奈良ビブレ跡地にマンションが建設されることになったようです。
「高さ制限の緩和」が問題になっていたのですが、ビジネスはそれを待ってくれない という事でしょうね。


NHK ON LINE http://www.nhk.or.jp/lnews/nara/2055602821.html?t=1361271211843

以下引用

ビブレ跡地マンション建設へ

先月閉店した奈良市の大型商業施設、「奈良ビブレ」の跡地に、マンションが建設される見込みであることが分かりました。

地元商店街の関係者は、「多くの人が集まる施設を要望していたので残念だ」と話しています。
奈良市の大型商業施設、「奈良ビブレ」は、売り上げの不振のため先月20日に閉店しました。

近鉄奈良駅にほど近い商店街にある跡地がどのように活用されるか注目されていましたが、土地と建物を所有する奈良市の不動産会社によりますと、今の建物を今月から8月にかけて解体したあとマンション開発を行う企業に土地を売却し、マンションが建設される見込みになったということです。

高さや戸数などは明らかにされていませんが、商店街に面した東側の1階と2階は店舗が入る商業スペースを設け、およそ2年後の再来年(27年)春ごろに完成する見込みだということです。
地元の小西通商店街振興組合の井岡正浩理事長は、「商業施設やホテルなど多くの人が集まる施設を要望していたので残念だ。商業スペースには、買い物客に満足してもらえるような魅力ある店が入ってほしい」と話しています。



奈良市の仲川市長が「高さ制限の緩和」を検討する との意向を表明したことを以前のブログで採り上げたのですが、検討する前に事態は動いてしまいましたね。 まあ「規制の緩和」は時間がかかるので「奈良ビブレ」には間に合わないとは思いますが、やはりもう少し早く検討の姿勢を見せて欲しかったですね。 このまま第2、第3の「奈良ビブレ」が出てくると思うので、奈良市としての「まちづくり」の考えを早く示してほしいと思います。

近鉄奈良駅周辺が「商業地域」として生きていくのはもう難しいのかもしれません。 他の都市が「駅前」として開発している条件が近鉄奈良駅周辺では規制されすぎてます。 この規制が本当に正しいのなら、近鉄奈良駅周辺は「商業地域」としては成り立たないでしょう。 JR奈良駅周辺に「商業地機能」を移すべきですね。 この場合は「規制緩和」はしっかりやってもらいたいと思います。

「景観」を守ることは大事です。 しかし過度の規制は「街の活力」を無くします。 本当にその「景観」が大事なのか 真剣に議論しないといけませんね。 「景観」を守るために奈良を訪れる人が減ってしまえば、全く意味がありません。 「景観」は人が見るためにあるものですから。

 




奈良県の地域活性化特区 見送りへ

2013-02-16 21:01:19 | 奈良の現状・提言
奈良県が目指していた「奈良公園周辺の地域活性化総合特区」が見送られることになったようです。


YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nara/news/20130215-OYT8T01390.htm

以下引用

地域活性化特区 奈良公園周辺見送り

◆県、計画練り再申請へ

 県は15日、2010年の平城遷都1300年祭以降、低迷する古都観光の活性化を図って奈良公園周辺で初めて申請していた「地域活性化総合特区」について、採択が見送られたと発表した。県は計画を練り直して再申請するとしている。(上羽宏幸)

 奈良公園を中心に、奈良町やJR奈良駅などを含んだ約1600ヘクタールを申請。指定後は、奈良市の観光客数を2011年の1314万人から21年には1842万人に増やすとし、国家資格が必要な外国人観光客向けの通訳ガイドを県独自の研修を受けた人ができるようにすることや、観光の目玉となっている国宝や重要文化財の建物を修復する際のスピードアップなどを進めたいとしていた。

 今回の地域活性化総合特区の指定では、奈良のほか、「さがみロボット産業特区」(神奈川県)や、「しが医療・健康創生ものづくりイノベーション総合特区」(滋賀県)など10件の応募があり、今回は、5件が採択された。奈良は1、2次審査を通過して昨年12月の3次審査に進んだが、採択は見送られた。

 1、2次の評価では、「実行可能な計画で、実現性は高い」「国際観光にも大きく寄与すると思われる」とする意見の一方、「目標が、観光客数と宿泊数だけで設定されている」「それぞれの取り組みを、どのような推進体制で、誰が担うのか見えづらい」などと指摘があった。

 県の担当者は「不採択は残念。事務局の内閣府に理由を詳しく確認し、次の指定を目指したい」と話している。



「地域活性化総合特区」の詳細はこちらです。
確かにこういう事をやりたい、と言うことはわかるのですが 「誰が」 「どのように」 したいのかよくわからない面がありますね。 もう少し具体的にしないといけないでしょう。 その「特区」を認めれば明らかに「観光客数」や「宿泊数」が増える ということを示さなければなかなか採択は難しいように思います。

奈良は今までも「具体的な政策」を考えるのに消極的でした。 ホテル誘致でも「高さ制限」「景観」の問題は絶対避けられないはずなのに、それをうやむやにしてきたこともあります。 観光客数や宿泊者数を増やすのにどうすればいいのか 「具体的に」考えていかなければいけない時期だと思いますね。   



奈良市がリニア奈良駅候補地を発表しましたが…

2013-02-01 23:28:47 | リニア
やっと奈良市がリニア奈良駅候補地を発表しました。
県内の首長らが出席した県・市町村長サミットで奈良市の仲川市長が候補地2ヶ所を提示したのですが、僕としては少々物足りない結果となりました。

msn産経ニュース 2013.2.1 http://sankei.jp.msn.com/region/news/130201/nar13020102050002-n1.htm

以下引用

リニア中間駅誘致アピール 奈良市長「県全体の窓口に」

 ■他首長から「北に寄りすぎ」 県市町村長サミット

 荒井正吾知事と県内市町村長が意見交換する「県市町村長サミット」が31日、桜井市で開かれた。リニア中央新幹線の中間駅誘致を発表している奈良市の仲川げん市長と天理市の南佳策市長が、それぞれ意見を表明。「県全体の窓口になる」とアピールする仲川市長に対しては、他の首長から「北に寄りすぎている」などの異論も出された。

                   ◇

 中間駅誘致を表明している大和郡山、生駒両市長は、昨年9月のサミットで意見表明しており、その後誘致を表明した奈良、天理両市長が今回、他の首長にアピールした。

 仲川市長は中間駅の候補地として、市北部のJR平城山駅周辺と、JR奈良、近鉄奈良駅などの市中心部の2案を提示。「リニア開通で最も効果が大きいのは観光・交流人口の増加だ。効果を最大化するため、奈良市北部に駅があれば、奈良にも京都にも行ける。京都とは今後パートナーとして協力できる」と強調した。

 さらに「観光都市として実績がある奈良市がまず窓口となり、県内の他の観光地への動線を引くことができる」とも述べた。

 一方、南市長は、市北部を誘致の候補地に挙げ、「JR東海が名古屋以西のルート検討を具体化させる中で、正式に協議に加わっていきたい」と立場を説明した。

 両市長の説明後、他の首長からは仲川市長に対する質問が相次いだ。

 生駒市の山下真市長は「(誘致先を)JR平城山駅付近とすると、用地取得や近鉄への接続はどうなるのか」と質問。

 仲川市長は「用地は現在調査しているが、取得できる可能性は高い。JR平城山駅からは近鉄高の原駅まで1本の道路で行くことができるので、手立てを考えたい」と答えた。

 高取町の植村家忠町長は「京都のことを気にしているが、もっと(奈良の)地域エゴに徹するべきだ。県が進めている南部振興とあわせ、近鉄とのアクセスがもっと良い所があるのではないか」と異論を述べた。

 これに対し、仲川市長は「リニアは民間事業なので、利用者が降りたい場所に駅をつくる必要がある。移動時間の短縮で、これまで奈良市だけにとどまっていた観光客を他の場所に誘導することもできる」と反論した。

 サミット終了後、大和郡山市の上田清市長は報道陣の取材に対し、「奈良市の提案は北に寄りすぎている感じがする」と異論を唱え、「我々は中南和、紀伊半島のことを考えて持論を展開している。視点の違いが明らかになった」と誘致に自信をみせた。



提示された案は「市北部のJR平城山駅周辺」「JR奈良、近鉄奈良駅などの市中心部」の2案。 まず市中心部の方ですが、現実的に無理ですね。 JR東海が地上駅の意向を示してる(と言われている)ので奈良市の中心市街地には不可能だと思います。 仲川市長も難しいとの認識のようで次のように発言しています。

「用地買収や建設コストなどを考えるとJR平城山駅周辺の方が実現性が高い」
奈良新聞 2013.2.1

用地買収や建設コストもそうなのですが、そもそもルートはどうするのでしょうか。 実現性があまりないのなら候補地として発表するのはどうかと思います。

次に「市北部のJR平城山駅周辺」の案ですが、以前から当ブログで書いているように地上駅では高の原、平城山付近に駅を設置するだけの土地は無いように思います。 日経新聞の記事で地上駅の規模は「敷地面積約3.5ha、長さ約1km、最大幅約50m」を想定しているとなっているのでそれだけの場所を確保できるのでしょうか。 仲川市長は「用地は現在調査しているが、取得できる可能性は高い」とおっしゃってますが、その場所を示してもらわないとちょっと賛成できませんね。
過去にJR平城山駅付近にリニアの駅が出来るとの噂がありました。 以前の地下駅の想定では有り得たのかもしれませんが、地上駅では難しいでしょうね。

また、「北に寄りすぎている」との他の首長の意見もよく分かります。 奈良にリニア駅を誘致するのならまず奈良県にとってベストな場所で と考えるのは当然です。 仲川市長は京都とのパートナーシップを考えているのかもしれませんが、京都との連携は無理でしょう。 もし仮に奈良ルートに決まれば京都へは名古屋乗換えの新幹線となると思うので、奈良との連携はあまり考えないと思います。 県都である奈良市は奈良県にとって最も経済効果のある場所を選ぶべきです。 県内の観光地を訪れるのに便利 という所がベストです。 それが「リニアは民間事業なので、利用者が降りたい場所に駅をつくる必要がある」ことになりますから。


正直がっかりしました。 候補地を2案用意するのなら実現性の無い「JR奈良、近鉄奈良駅などの市中心部」をやめて「奈良市南部」の可能性のある場所を探して欲しかったですね。 そちらの方がまだ県内の首長にも受け入れられたかもしれません。 じっくり検討する時間がなかったのでしょうか。

「リニア奈良駅」は「奈良の未来」にとって重要な要素です。 「観光・交流人口の増加」だけでなくこれまでの奈良に無い「まちづくり」が出来る可能性があります。 国土軸を変えるような大きなプロジェクトなのでしっかり検討してもらいたいと思います。

最後に、以前採り上げた天理市もプレゼンしたみたいですね。 正式表明ではないみたいですが、4市が立候補ということになるようです。