~ならしのの風に乗って~

二人三脚で綴る夫婦の気ままな日記

クリスマスの朝に初演されたワーグナー「ジークフリート牧歌」

2011-12-24 07:52:50 | 音楽
私(おじさん)の音楽日記です。

今夜はクリスマス・イヴですね。
そこでクリスマスにちなんだクラシックの曲を紹介したいと思います。

クリスマスというと、まず私の頭に浮かぶのは、チャイコフスキー作曲の『くるみ割り人形』です。
この名曲は以前紹介しました。


それで今日は直接のクリスマス音楽ではないのですが、クリスマスにちなんだエピソードのあるリヒャルト・ワーグナー作曲の「ジークフリート牧歌」を紹介したいと思います。

ワーグナーというと荘厳で壮大な曲を作る作曲家というイメージがあります。

でもこの「ジークフリート牧歌」という曲はこじんまりとした穏やかで優しい感じのする曲です。

この曲は、1870年のクリスマスの朝、妻コジマ・ワーグナーへの誕生日そしてクリスマスの贈り物として準備された曲なのです。

このコジマ・ワーグナーに絡んだ音楽史のエピソードがすごいのです。
簡単にまとめると、次のようになります。
 (1) 1837年12月25日に誕生。父親はピアニストで作曲家のフランツ・リストです。
 (2) 1857年に指揮者ハンス・フォン・ビューローと結婚します。
 (3) 当時の音楽の2大派閥?はブラームス派とワーグナー派でした。
   そして、リストとビューローはワーグナー派でした。
 (4) ところがコジマがワーグナーと良い仲になってしまったのです。
 (5) それで、ハンス・フォン・ビューローはブラームス派に鞍替えし、そして大指揮者になっていくのです。
 (6) 1865年にはワーグナーとの間に長女イゾルデが誕生。
   1867年に次女エーファ、1869年には長男ジークフリートを出産します。
    (ビューローと正式に離婚し、ワーグナーと再婚したのは1870年になってからでした。)

そして、彼女の誕生日の朝、彼女は聴き覚えのあるメロディにおどろいて寝室を出てみると、2階へ上がる半円形の階段に、15人のワーグナーの友人たちがこの曲を演奏していたのです。
実はこの曲、ワーグナーの幾つかの楽劇(「ジークフリート」や「ワルキューレ」)で使われた主題が素材として使われています。
こんな素敵な演出にコジマも大感激したとのこと。。

まさに、クラシック史の中でも波乱にとんだ時代の中で生まれた名曲といえます。


さて、この「ジークフリート牧歌」。ヘルベルト・フォン・カラヤンさんの演奏がお奨めです。

ワーグナー・ライヴ in ザルツブルク
ワーグナー・ライヴ in ザルツブルク

 1. 歌劇「タンホイザー」序曲
 2. ジークフリート牧歌
 3. 楽劇「トリスタンとイゾルデ」~第1幕前奏曲
 4. 楽劇「トリスタンとイゾルデ」~イゾルデの愛の死

  独唱:ジェシー・ノーマン
  指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
  演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団


誰が良いとか悪いなんてことは、とても分かりませんが、結果的にこの素敵な曲が生まれたことは良かったのではないでしょうか。

ワーグナーの「ジークフリート牧歌」。
そして、ヘルベルト・フォン・カラヤンさんの指揮する「ジークフリート牧歌」。
なかなか素敵な曲で、そして素敵な演奏です。


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