Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

時代は変わる

2016年11月04日 | 大学

 学生たちがバリで購入した行進用のガムラン編成、ブレガンジュル用のレヨンの台が大学に届いた。不思議な形である。これを肩から担いで、一人で二個のレヨンを演奏する台であり、ひじょうに便利である。なぜなら、これまでは一人の楽器を片手に持つことで、複雑なリズムの音型の一つの音だけを演奏していたものが、リズム型そのものを演奏することが可能になったため、初心者にとって演奏は容易になったからである。
 昔は(といってもほんの数年前まで)一人一個だったんだけどね、なんてつぶやいたら「先生は古い」と学生に笑われてしまった。どうも現在はこれで演奏することが普通らしい。たしかにこれまで二人必要だった演奏者は一人ですむわけだし、演奏もこれまでにくらべれば難しくないとくればいいことづくめである。特に人数が十分ではない私たちの大学にとってはありがたい一品である。
 時代は変わるものだ。それにともなって音楽だって変わる。それについていかなければ置いていかれてしまう。これが現在に息づく伝統音楽の姿だ。そんなことはわかっているつもりだが、いざそんな現場に立ち会ってみると、そんな「今」にたじろいでしまう自分がいることが悲しい。