Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

パンクですか?キャッツですか?

2011年09月07日 | バリ
 チャロナランに出てきたボンドレス(道化)の一人の髪の毛がすごかった!完全にパンクしてます。首飾りもいい感じです。これに、鋲がいっぱいでチェーンじゃらじゃらの皮ジャンなんて着せたら、パンク・ロッカーそのものじゃないですか?
 ちなみに、この芸能を見に来ていた若い留学生が劇団四季の「キャッツ」の登場人物を想像したそうです。確かに顔の化粧は「キャッツ」のようです。残念ながら飛んだり跳ねたりはしてくれませんでしたが。
 それにしてもバリの芸能において、「お笑い」はどんどん進化(?)していくようです。化粧もかわり、衣装もかわり、話す内容も変わっていきます。道化は、舞台と観客を繋ぎ、時代の鏡みたいなものですから、当然といえば当然なのですが。それにしてもパンクの髪には驚きました。(写真は後日)

チャロナラン――大スペクタクル編

2011年09月07日 | バリ
 昨晩、M氏と出かけたチャロナラン劇は、筋もこれまでとはまったく違う大スペクタクル編のチャロナランだった。東ジャワとバリの歴史的な物語に準拠しているタイプでなく、疫病が流行り死者が出て、その魂(アトマ)の会話、死後の世界、葬儀、その後の浄化儀礼が漠然と筋になっているのだが、その演出はリアルそのものだった。しかも最後は、ランダが乱舞する中で大トランス状態になり、そこにシダカルヤが出てきて浄化儀礼をおこなうのだが、そのシダカルヤもトランスになり、最後はなんだかわからず、乱闘試合のように終演するのである。
 これを見て、ふとワヤン・チェンブロンを思い出してしまった。ワヤン・チェンブロンにはもちろんラマヤナやマハバラタの筋があるのだが、単純明快であり、その筋書きを楽しむというよりは、お笑いを楽しむ芸能である。今回のチャロナランには歴史的な物語はほとんどない。諸儀礼の芸能化というか、舞台上で死と関わる儀礼を演出するのである。もちろん、そこには道化役が出てきて、お笑いを楽しませてくれる。演劇全体を構成する物語よりも、場面場面の面白さや演出を楽しむという芸能の在り方は、昨晩見たチャロナランもチェンブロンも似ているのである。ちなみに同じ場所で、今日はワヤン・チェンブロンの上演がある。
 私としては、演劇なのだから人々を感動させるような筋が欲しいのだ(これは演劇ではないのかもしれない)。とにかく次から次に「おー」とどよめきが続くようなスペクタクルの連続では、筋書きのない戦争映画を見ているようである。4時間くらいの間に7,8回は主食を食べさせられて、もうお腹がはちきれそうな舞台なのだ。でも、現代のバリの都市に住む人々には、もう理屈っぽく、教訓に満ち満ちた歴史物語は退屈で時代遅れの遺物なのかもしれない。(写真は後日)

オンタイム更新

2011年09月07日 | バリ
 帰国まで今日を入れてあと4日になりました。まだまだやり残していることがありますが、ちょっと風邪をひいて咳が出るのでバイクでの無理な遠出ができません。昨晩は夜中までチャロナラン劇を久しぶりに見ました。オンタイム更新の本日のブログをお楽しみに。
 締め切りを過ぎた原稿やら提出物から逃れられず、本日の午後はホテルのロビーでネットを繋げて仕事三昧です。時間がもったいない気もするのですが、仕方がありません。同じプロジェクトの先生方もほとんど私と同じ状況のようです。今日の仕事はほとんど終わりました。
 徐々にバリは暑くなってきています。8月20日に来た頃の最低気温は21度でしたが、今は24度。それでも沖縄や東京よりは涼しいですね。それではみなさん、また日本で。

バビ・グリン

2011年09月07日 | バリ
 今日は午後から夜中までの調査なので、午前中、洗濯やらデスクワークをした後、ホテルの近くで昼をテイクアウトすることにした。昨版は中華だったので、今日はバリ料理にしようと奮発して、昼時に行列ができるバビ・グリン(豚の丸焼き)屋に並んだ。バリ人はバビ・グリンが大好きである。ホテルの並びにあるので、今、宿泊しているモスリムの人々が見たら卒倒しそうな風景であるが、バリはヒンドゥーなのだ。
 バビ・グリンはその肉よりもむしろ、皮、ラワールが最高である。といっても、これまた辛い。覚悟の上での昼食である。それでも食べたくなるのがバリ・グリンなのだ。写真にも皮の部分が写っているが、これを後生大事にいただく。子どもの頃、口の中からなくなるのが惜しくて、シロのヤキトンをくちゃくちゃと噛み続けたように。
 現在、デンパサールのバビ・グリン屋のテイクアウトは、15,000ルピアが相場だ。ミーゴレンやナシ・ゴレンはたいてい10,000ルピアだから5,000ルピアは高い。たかが50円の差だが、インドネシアではされど50円である。完食して「いやあ、今日は贅沢したなあ」という気分。(8月29日に記す)(写真は後日)

ちょっぴり「態度」で怒りました

2011年09月07日 | バリ
 ジャワからの観光客が、イスラムの断食明けの祭日を利用してバリを訪れ始めている。とはいえ、まだ断食期間は終わっていない(残り2日)ので、信心深いイスラム教徒であれば、本来は断食を続けていなくてはならない。しかし見たところ、中華系の観光客が多い。まあ、そういう宗教的なことはともかく、昨晩、ちょっとした事件があった。
 夜中2時半、部屋の外が妙にうるさくて目が覚めた。とくに子どもが数人騒いでいる。大人の大きな声も聞こえる。どうも家族連れの雰囲気である。たぶんジャワからやってきた車が夜中にバリに到着したのだろう。しばらく我慢したのだが、まったくその声がやむ気配がない。「バリに着いたからって浮かれるんじゃねえぞ!」と怒鳴りたいのだが、夜中だし、眠いし、そんな勇気もないPは、何を思ったか突然、部屋から出てテラスで仁王立ちになり、おもいっきり騒ぐ家族連れをにらんだのだった。
 たぶん、「彼ら」は相当に驚いた。夜中にすぐそばの部屋から、前触れもなく中国系インドネシア人のように見える半ズボンのおじさんが、突如あらわれて何も言わずににらんでいるのである。突然、彼らはしゃべるのを止め、そそくさと車から荷物を取りだし、部屋に入っていった。「おー、こわー」ってひそひそ話をしていたかもしれなかった。
 とにかく僕は眠たかったし、それ以外のことはよく覚えていない。しかし今思い出しても、僕は間違えたことをしていないと思っている。ちなみに私は5時半過ぎに目を覚まして6時に朝食をとった。もちろん熟睡しているだろう彼らに迷惑がかからないよう、余計な音を出すまいと、細心の注意を払ったことはいうまでもない。(8月29日に記す)