Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

ウメダダンスの様式と意味

2010年07月29日 | 
 神保町の古書店の店頭ワゴンに面白い本を見つけた。タイトルはSociety and the Danceで、舞踊人類学の論文集である。500円の値段シールが表紙に無造作に貼られている。ぼくは手にとって所収されている論文のタイトルを眺めた。
 すると、その中に極めて興味深い論文のタイトルがあることに気がついた。タイトルは、Style and meaning in Umeda dance. なぜ興味深いかって? そういう個人的な理由には答えられないのだが、とにかく私は炎天下の中、古書店の店頭ワゴンの前でこの論文に食いついたのである。
 この論文はパプアニューギニアのUmeda villageのidaとよばれる儀礼における仮面舞踊の研究であり、その踊りのステップの描き方の社会的意味について論じられたものなのだ。ぼくは迷わずこの本を買い、喫茶店に直行した。モンブランケーキを食べながら、この論文を読んだのち、本日のメインイベントである科研の打ち合わせに向かおう。ぼくのために神保町を打ち合わせの場所に設定してくれたS先生に感謝。


真夏の神保町

2010年07月29日 | 東京
 真夏の最中、汗を流しながら神保町を歩いた過去の記憶は、中学生時代にさかのぼる。少ないおこずかいで、それでもたくさんの本を買って、重いカバンのもち手で指がちぎれそうになりながらも、炎天下を歩いた。一軒ずつ古書店をしらみつぶしに歩いた。とぼとぼ、とぼとぼ……。
 暑さの記憶、充実した時間の記憶、買った本の記憶が今も入り混じって、不思議な世界を醸し出す。私が愛する世界はまさにここにある!しかし、この時間を体験するためには真夏の神保町でなくてはならなかった。
 2010年7月28日の午後2時40分、ぼくはその神保町にいて、この文章を書いている。うだるような暑さの神保町を歩いた。昔と同じように重い荷物をもって、とぼとぼ、とぼとぼ。しかし中学生時代のようにぼくは半日も歩き続けることはできない。あれから30年も経過しているのだから。
 涼しい喫茶店で、眼下に見える炎天下のすずらん通りを眺める。幸せな時間。やっぱりぼくは自分の原点であるこの地へといつの間にか戻ってくる。とぼとぼ、とぼとぼ……。