Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

真夏の神保町

2010年07月29日 | 東京
 真夏の最中、汗を流しながら神保町を歩いた過去の記憶は、中学生時代にさかのぼる。少ないおこずかいで、それでもたくさんの本を買って、重いカバンのもち手で指がちぎれそうになりながらも、炎天下を歩いた。一軒ずつ古書店をしらみつぶしに歩いた。とぼとぼ、とぼとぼ……。
 暑さの記憶、充実した時間の記憶、買った本の記憶が今も入り混じって、不思議な世界を醸し出す。私が愛する世界はまさにここにある!しかし、この時間を体験するためには真夏の神保町でなくてはならなかった。
 2010年7月28日の午後2時40分、ぼくはその神保町にいて、この文章を書いている。うだるような暑さの神保町を歩いた。昔と同じように重い荷物をもって、とぼとぼ、とぼとぼ。しかし中学生時代のようにぼくは半日も歩き続けることはできない。あれから30年も経過しているのだから。
 涼しい喫茶店で、眼下に見える炎天下のすずらん通りを眺める。幸せな時間。やっぱりぼくは自分の原点であるこの地へといつの間にか戻ってくる。とぼとぼ、とぼとぼ……。



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