Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

新緑

2007年05月29日 | 東京
 新緑は本当に美しい。この時期、沖縄から実家に戻るたびにいつもそう思う。玉川上水の緑道を歩きながら、何枚か写真に写すが、やはり写真にしてしまうと、その場で実感した風も音も香りも抜け落ちてしまって、妙に無味乾燥なものになってしまう。
 国分寺に住んでいた頃は、一年に一度めぐってくる季節に過ぎず、さらにはひどい花粉アレルギーに見舞われる時期とも重なって、早くこの時期が終わることを切願していたものだ。ところが、沖縄に住んだとたん、その緑のありがたみが身にしみたのである。
 亜熱帯の那覇の植生は、明らかに国分寺とは異なって年中、濃い緑に囲まれている。はじめのうちはそんな光景がインドネシアと似ていて物珍しかったが、今は何かもの足りない。沖縄だって年間の温度差は20度位あって、常夏の島ではない。それなりに季節を感じるのであるが、こと植物となると本土のような明確な変化は少ない。
 5月の連休に10歳の息子が「お父さんカメラ貸して」といって撮影したのは小金井公園の新緑だった。「葉っぱがきれだね。」と満面の笑みを浮かべる子どもは、2歳から沖縄で暮らしている。新緑の美しさをからだいっぱいで感じる息子の成長を嬉しく思うのと同時に、東京で育った私としては少し複雑な気持ちである。