芥川龍之介の作品を読んだ、「蜘蛛の糸・杜子春」(新潮文庫版)です。これは10編からなる短編小説集で少年ものと言われています。
蜘蛛の糸:芥川龍之介の最も有名な作品で地獄に落ちた罪人が仏の助けで極楽へ這い上がる蜘蛛の糸を降ろしてくれたのに、それを独り占めした結果また地獄に落ちてしまう話
犬と笛:笛の上手な木樵が3人の大男から3匹の特殊能力の犬を授かって二人のお姫様を助ける話。
蜜柑:作者が乗車した列車に同乗した娘さんが列車から見送りに来た弟たちに蜜柑を投げる話
魔術:魔術を習いたい男が欲を持ってしまっているのがばれて魔術を習えなかった話
杜子春:杜子春という男が仙人に2度もお金持ちしてもらったが、お金にのみ群がる人たちに愛想が尽きて仙人になろうとするが、亡くなった母の愛に目覚め普通の正直な暮らしをしようとする話。
アグニの神:アグニの神のお告げでよく当たると評判の上海の印度人老婆の占い師に監禁されている娘さんを彼女の父の従者が救出しようとするが、アグニの神にその占い師が殺される話
トロッコ:トロッコを土工と押した少年が遠いところまで行ってしまってから何とか自宅に戻る話
仙人:仙人になりたい男が、騙されて医者の家に使われてたが、松に登るという嘘に従ったら雲の中に昇って行ってしまった話
猿蟹合戦:猿蟹合戦の真実を面白く解説した話
白:白という犬が、黒という犬が殺されるのを見殺しにした結果。黒犬になって家を追い出されるが善行をして白犬に戻り家に戻る話
あらすじは以上だが少年童話風の微笑ましい話ばかりだったの楽しく読めた。こんな作品も書ける龍之介の懐の深を感じました。
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