
昨日、近くの珈琲店でたまたまoさんに会った。
oさんに帰り際、今、デパートでこんなのやっているよ、
とパンフレットをもらった。
絵も描く女優のhさんの作品展だった。
え!?
と思った。hさんは、私が20代の時に入院していた病院で同室だった。
窓際に向かい合ってベッドにいた。
たしか6人部屋の内科。
3ヶ月くらい一緒に入院していたと思う。
その頃も女優さんをしていて話題になっていたようだが、
私は、その頃テレビを見ていなかった。
もし再会すれば40年ぶりの再会だ。
18年前に出した詩集や同人誌を紙袋に入れお菓子も足した。機会があったら渡そうと思う。
まるで昔の恋人に会いに行くような感じで、でも、会えるわけないやという気持ちもあった。
会えても人がたくさんいたら話はできないし。
雨がしとしと降っている。
5階までのエレベーターに乗り、
ギャラリーに向かった。
ギャラリー内は作者と、関係者しかいなかった。
私はhさんに歩み寄り
「20代の時に一緒に入院していた◯◯です」
と言った。
すぐに分かってもらえたようだ。
「貴方のことは忘れたことは無かったのよ、ただ案内を送っても連絡がないので送らなくなったの」
と、言われた。
(貴方のことは忘れたことは無かった…)この言葉にジンと来た。
まるで昔の恋人のようだ。
「なかなか都内まで行くのも大変だったので…
案内もたくさん送るだろうし、返事を書いても本人に届くか分からないし」
話は尽きない。
年齢が同じなのと、同い年くらいの子どもがいる、という共通点もあるせいだと思う。
しばらく話をしていた。
親切に作品の説明までしてくれた。
長くいるのも失礼かな…とも思ったのだけれど、
結局、最後までいて、
駅まで送っていった。
私にとっては奇跡のような出来事だった。
昨日oさんに会ったのも偶然だし、今日、40年ぶりの再会をしたのも…
もはや奇跡としか思えない。
今、自分が生きていることじたいが奇跡だと思っていたけれど。
奇跡を起こすのには、
友達と、少しの勇気、一歩踏み出す足とが必要…と思った。
動ける足に感謝したい。
足が悪い私にとって。
