院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

「消費税還元セール」という表現禁止の愚

2013-04-28 06:14:57 | 社会
 安倍政権は「消費税還元セール」といった表現を禁止するという。そんなことで消費税の定着が妨げられるとは思えない。宣伝文句の禁止は明らかに表現の自由の否定である。弁解の余地がない憲法違反で、こういう詰まらないところから安倍さんは足元をすくわれるかもしれない。

 安倍さんが一回目の総理大臣だったとき、九州の産婦人科の「赤ちゃんポスト」に不快感を示した。あれは捨て子の安全を守るためで、捨て子を奨励したわけではない。安倍さんはときどきズレたことをやる。

 今のところ安倍政権は高支持率で順当に経済政策を打っているが、表現の自由を制限するような妙なことをやると、一挙に政権が傾くから用心したほうがよい。

続々・豊橋市のレジ袋有料化を嗤う

2013-04-28 00:42:59 | 環境
 「豊橋市ごみ減量の推進に関する提言」(試案)を読んで、この提言を行った人々はレジ袋そのものをゴミと考えていることが分かった。

 豊橋市のゴミの全量のうちゴミとしてのレジ袋は何%くらいあるのだろうか?たぶん1%にも満たないのではないか?たったそれだけのゴミを撲滅するために市を上げてレジ袋を有料化すべきなのだろうか?

 「試案」の精神を重んじるなら、他の種類のゴミも減量すべきである。野菜の切れ端はゴミとして捨てられる量がレジ袋より多いだろう。「提言」が「野菜の切れ端は捨てずに漬物にしましょう」と提案しないのはなぜか?江戸時代に了翁道覚という人が福神漬けを発明して、捨てられる野菜を再利用した話は有名だ。

 レジ袋よりもゴミの量が多いものに菓子の袋や物品の包装紙がある。これらを風呂の焚き付けにせよと「提言」は唱えるべきである。(ガスで沸かす風呂自体すでにエコでない。)実は20年ほど前には、豊橋市ではドラム缶の焼却炉を各家庭が持っており、燃やせるゴミはそこで燃やしていた。(これが豊橋市の「530(ゴミゼロ)運動」の成功に貢献していたと思われる。)

 ところがダイオキシン問題で、ドラム缶の焼却炉は一掃されてしまった。あとになってダイオキシンはさほど毒ではないと分かったが、毒性を主張した人は前言を翻すことができず、ドラム缶の焼却炉は復活しなかった。

 レジ袋以外にも減らすべきゴミは多々あるのに、なぜレジ袋を撲滅することにだけ血道を上げるのだろうか?あまりに偏っている。

 「提言」は一見もとっもらしいことを言っているが、見る人が見れば論理の破たんが明らかで、そんな杜撰な提言には振り回されたくないと思っている私のような人間も少なくないだろう。だが、「提言」のような言説は世の中に通りやすいものである。将来、なぜ皆であんな馬鹿なことをやっていたのだろうかと首をかしげる時代が必ず来るはずで、それを待つしかないのだろうか?

 レジ袋排斥運動はナチスドイツのユダヤ人排斥ほど悪質ではないが、心理状態は同じであることを市民は早く知るべきである。